自分が何者なのか分からないもどかしさ
“自分はどういう人間か?”と自分自身に疑問を抱いたことがある人も少なくないだろう。
の歌詞中の主人公である“僕”もまた、日々を過ごす中でそんな疑問を抱き、なかなか答えが見出すことができないでいる。
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退屈な現状それと愛情
感情、どうしよう
いつまでたっても定まらないよ
僕は僕なのになぁ
≪あした世界が終わるとしても 歌詞より抜粋≫
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特に何か起きるわけでもなく、ただ同じような毎日が過ぎ去っていく。何をしても、自分の心は満たされない。満たしてくれるものが何かも分からない。
一番自分を分かっているはずの自分が、自分自身のことについて良く分からず、もどかしい気持ちでいるのだ。
“僕”が導き出した自分が成すべきこととは?
自分のことが良く分からない“僕”の中で芽生えた1つの感情。それは“大切な人を守りたい”ということだ。
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この頼りない翼広げて
迎えに来たんだよ
会いに来たんだよ
今はまだ飛べない鳥だけど
最低でも、君だけは守れるように
最低でも、君だけは守れるように
≪あした世界が終わるとしても 歌詞より抜粋≫
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「君だけは守れるように」と2回繰り返されているところから、“僕”が大切な人を守りたいという、どこか使命感にも似た強い気持ちと、自分のこと以上に大切な人の存在が“僕”の中で大きいことが伺える。
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失うものが君だとしたら
僕が世界のどこかに
君だけの居場所をつくってあげる
失うものが僕だとしたら
僕が君を守れたという
証拠になるでしょう
≪あした世界が終わるとしても 歌詞より抜粋≫
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“君”とは大切な人のことで、“君”の身代わりになって命が尽きたとしても、“君”を守れるならばそれでもいいといった“僕”の気持ちが読み取れる。
“僕”なりの守り方
「最悪でも、僕だけはここにいるから」今の“僕”に、誰かを守り切れるくらいの強さはない。今すぐに強さを手に入れることができなくても、大切な人を守れる方法はある。それは、“大切な人と一緒にいる”ということだ。一緒にいることが、大切な人の心を満たし、自分自身の心も満たしてくれる。
力ではないが、“守りたい”という強い気持ちも持つことができる。
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今日も生きているのです
僕は僕の守り方を知りました
そして君の側にいると決めました
≪あした世界が終わるとしても 歌詞より抜粋≫
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大切な人を守るという気持ちが、“僕”自身が生きる活力になっている。代わり映えのしない毎日でも生きていけるのだ。
あした世界が終わるとしても、終わらなくてもこの“僕”の気持ちは変わらないだろう。
TEXT 蓮実 あこ