原曲は海外の曲!?
「蛍の光」は、歌詞の大半が古語。昔から日本に伝わる曲だと思ってしまいますよね。
しかし!実はこの曲、もとは「オールド・ラング・ザイン」というスコットランド民謡。
ロバート・バーンズという詩人によって、歌詞がつけられました。
日本語版の歌詞を書いたのは、稲垣 千穎という方。原曲の歌詞とはまたやや違った歌詞をつけています。
さっそく見てみましょう。
旅立ちの日を迎える1番。
まずは冒頭の2行。
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蛍の光 窓の雪
書よむ月日 重ねつつ
≪蛍の光 歌詞より抜粋≫
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”蛍の光や窓からの光で本を読む日々を送ってきた”という意味です。
今では普通に電気が通っていますが、当時の学校には満足になかったのでしょう。
自然の光を利用して本を読んだという思い出が歌われています。
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いつしか年も すぎの戸を
明けてぞ けさは 別れゆく
≪蛍の光 歌詞より抜粋≫
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続く2行は、”いつしか時が過ぎ、今朝は杉の戸を開けて、別れる日が来た”という意味。
「時が過ぎ」と「杉の戸」は「すぎ」が掛詞として使われています。
この部分からお分かりいただけるように、旅立ちの当日が歌われています。
友達への思いを歌った2番。
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とまるも行くも 限りとて
かたみに思う ちよろずの
心のはしを 一言に
さきくとばかり 歌うなり
≪蛍の光 歌詞より抜粋≫
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ここに残る人も、次へと進む人も、今日限りでお別れ。お互いを思う何千何万もの気持ち・言葉をたった一言、「無事で」という言葉に込めて歌っている。
2番を訳すと上記のような意味になります。
「さきく」を漢字で表すと「幸く」。「無事でいてほしい」という意味をもつ言葉です。
色々と募る思いを「どうか無事でいてね」という一言に乗せるなんて、粋ですよね。
終わりに
画像引用元(Amazon)以上、蛍の光について解説いたしました。
歌詞を理解してみると、どれだけ卒業式にふさわしい曲かというのがわかりますよね。
大人になるとなかなか歌う機会はありませんが……ぜひ後世に伝えてください。(笑)
ちなみに、デパートの閉店時にかかるのはスコットランド民謡の方なんだそう。メロディーはほぼ一緒なのですが、拍子が違うのです……!
蛍の光が4拍子なのに対し、スコットランド民謡は3拍子。閉店間際にデパートに出かけることがあればチェックしてみてくださいね!
TEXT ゆとりーな