1. 歌詞検索UtaTen
  2. コラム&特集
  3. その他
  4. JAMES BLAKE

若き天才James Blake!謎多き彼のサウンドと言葉の真意

音楽ファンであれば、近年日本の様々な音楽メディアでも取り上げられることが増えた彼の存在を知っているでしょう。その人の名は「James Blake」。彼の創り出す独創性の高いハイセンスな音楽は、瞬く間にイギリスの音楽シーンを飛び出して、世界中のリスナーを虜にしました。世界が認めた、革新的ながらノスタルジーを感じさせる彼の音楽を解き明かします。

才能がゆえの早すぎるデビュー


2009年6月に、彼は自身の寝室でレコーディングされたシングル『Air & Lack Thereof』をリリースし、James Blakeとしてのキャリアをスタートさせました。

そして翌年2010年に発表された楽曲『CMYK』は早くもイギリス国内で話題となり、同年11月にリリースしたLeslie Feistのカバー楽曲『Limit to Your Love』は、全英シングルチャートで47位にランクインし、早くもその才能を開花させます。

そして同年年末には、イギリスBBCによる有望な新人アーティストを選出する「Sound of 2011」にて2位に選ばれました。

「Sound of …」はイギリスの公共放送局であるBBCが、その年に活躍が期待される新人アーティストをリストアップして発表しているもので、過去にKeaneやAdele・Sam Smithなどが選ばれるなど、イギリスを代表するアーティストの証といえます。

そして、そんな彼の作品群は様々なチャートにランクインし、業界人や批評家からも評価されるようになったのです。

UKポストの新星James Blake誕生

1stアルバム『James Blake』


ポストミュージックの新たな才能として評価されるようになったJames Blakeは、2011年に満を持してデビューアルバム『James Blake』をリリースしました。

音楽メディアや有識者から高く評価され、一般リスナーからの人気も揺るぎないものになったのです。

2ndアルバム『Overgrown』


そしてセカンドアルバム『Overgrown』は、前衛的音楽家Brian EnoやヒップホップアーティストのRZAも参加し、音楽性としてもこれまでのJames Blakeの音楽の可能性をさらに拡げる革新的な作品でした。

このアルバムは、これまでの彼の音楽性を飛び越えた実験作ともいえるものでしたが、大手音楽メディアの年間チャート上位に食い込み、彼の音楽家としての才能はより高く評価されるようになったのです。

3rdアルバム『The Colour in Anything』


2016年の4月には、Beyonceのアルバム『Lemonade』収録の楽曲『Forward』にゲストボーカルとして参加するなど、彼は名実ともにイギリス屈指のミュージシャンとなりました。

イギリスのみならず世界中の音楽ファンが注目する中、同年5月にリリースしたのがこの『The Colour in Anything』というアルバム。

ポスト・エレクトロ・R&B・ソウルなど様々なジャンルのサウンドが、独創的なアレンジによって彼ならではの音楽に昇華されている楽曲群は、歌とサウンドのどちらにおいても素晴らしく、「James Blakeといえばこのアルバム」というファンも多いです。

James Blakeが紡ぐ「孤独のメッセージ」

James Blakeの楽曲の歌詞は決して明るいとは言えません。

むしろこれでもかというくらい暗い歌詞も多く、その言葉はどれも孤独と対話しているような、誰かに向けられたような歌詞でもどうしても孤独を感じずにはいられません。

若き天才トラックメーカーの見ている世界と私達へのメッセージを紐解いてみましょう。

Limit to Your Love


▲『Limit To Your Love』/ James Blake

ーーーーーーーーーーーーーーー
There's a limit to you care
So carelessly there
Is it truth or dare
There's a limit to your care
ーーーーーーーーーーーーーーー


「あなたの気持ちには限りがある」「それは真実か、それとも試しているのか」

まだ20代前半の若者の言葉にしてはあまりにも悲観的に思えるこの歌詞は、カバー楽曲といえど人々の心の闇に優しく触れ、イギリス中に響き渡りました。

ただネガティブなわけではなく、誰もが抱えている心の奥の闇にそっと手を差し伸べるような、彼の発する歌詞にはそんな普遍性があるのです。

Retrograde


▲『Retrograde』/ James Blake

ーーーーーーーーーーーーーーー
All your friends are gone
All your friends won’t come
So show me where you fit
So show me where you fit
ーーーーーーーーーーーーーーー


彼の代表曲の1つでもあるこの楽曲は、恋人との喧嘩の後に書かれた曲と言われています。

大切な恋人がいれば、その人が大切であればあるほど、いなくなってしまったらという恐怖にも誓い感情は生まれます。そんなことを噛みしめてこの歌詞を書いたのか、それとも単に喧嘩をしたからいなくなってしまうのが怖かったのか。

どちらにせよ、このセンテンスを歌に乗せた彼にとって、この楽曲は決してただの恋愛の曲ではなく、もっと深く哲学的なメッセージが込められているのでしょう。

「友達はみんないってしまった」「あなたにとっての心地良い場所はどこなのか、教えてくれないか」

シンプルだが深い言葉、というのはこういう言葉なのではないでしょうか。

Radio Silence


▲『Radio Silence』/ James Blake

ーーーーーーーーーーーーーーー
Just please, more time
Just please, more time
I'm sorry, I don't know how you feel
I don't know how you feel
It's hard to tell if I have a role with you
ーーーーーーーーーーーーーーー


サードアルバムのリード曲としてこの楽曲が発表された当初、アルバムタイトルも『Radio Silence』になると公言していた彼。アルバムの1曲目でもあるこの楽曲の歌詞は、今まで以上に抽象的であり芸術性が強くなっています。

「もっと時間をください」「ごめんなさい、あなたがどう感じるかわからない」「私があなたの何か役割を担っているのかはわからない」

楽曲の中で私達の耳に語りかけるようにこれらの言葉を投げかけてくるコーラスは衝撃さえ感じます。

深みを増す彼の言葉は、今後私達にどのようなメッセージを送ってくるのでしょうか。

驚愕の最新作『Assume Form』


▲『Mile High』(feat. Travis Scott and Metro Boomin) / James Blake

James Blakeは2019年1月に待望のニューアルバム『Assume Form』をリリースしました。

Kendrick LamarやBeyoncé・Jay Z・Travis Scott & Frank Oceanなどといった、超豪華アーティストとのコラボレーションを経て制作された同アルバムには、ゲストにTravis Scott・Andre 3000・Moses Sumney・Rosalia・Metro Boominらが参加しており、他のアーティストとの楽曲制作により意欲をみせた1枚となっています。

表題曲『Mile High』

アルバム発売後すぐ、2月にYouTubeにてリードトラック『Mile High feat. Travis Scott and Metro Boomin』のMVを公開。

ドラマ仕立てのMVですが、楽曲の世界観を映像化したイメージカットが独創的な雰囲気を演出しています。

ーーーーーーーーーーーーーーー
We just be mile high clubbin'
I'm on a thousand miles runnin'
Hit it, go downtown Sunday
Then move it uptown Monday

Don't wanna see you by yourself, by yourself
By yourself, by yourself, by yourself
ーーーーーーーーーーーーーーー


「俺たちはただハイになってヤッてるだけさ」「これを打ったら、日曜日にダウンタウンへ行くんだ」などという、James Blake1人の楽曲であればありえないジャンキーな歌詞。

しかしそれに続く彼のコーラスは、「1人ぼっちの君なんて見たくないんだ」「1人でいる君なんて」。

彼が私達リスナーに伝えたいメッセージは、やはり温もりや優しさのたぐいなのでしょう。

ビックネームとして再び来日!


ニューアルバムをたずさえ、James Blakeは世界的アーティストとして再び日本にやってきます。

新潟県苗場スキー場にて2019年7月の26・27・28日の三日間で開催される、「FUJI ROCK FESTIVAL'19」にJames Blakeの出演が決定したのです。

イギリスから飛び出た若き天才トラックメーカーを、彼の生み出した楽曲をチェックして迎えたいものですね。

【UtaTen独自!】アーティストページはこちら

TEXT 武山和正

▷ジェイムス・ブレイク - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

この特集へのレビュー

この特集へのレビューを書いてみませんか?

この特集へのレビューを投稿

  • ※レビューは全角500文字以内で入力してください。
  • ※誹謗中傷はご遠慮ください。
  • ※ひとつの特集に1回のみ投稿できます。
  • ※投稿の編集・削除はできません。
UtaTenはreCAPTCHAで保護されています
プライバシー - 利用契約