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GLIM SPANKY『美しい荊棘』成長する少女の心情を唄った曲

タイトルの通り、美しいイメージであるGLIM SPANKYの『美しい荊棘』。亀本寛貴のギターと松尾レミのヴォーカルが個性に磨きをかけます。今回は聴けば聴くほど、虜になってしまう不思議な楽曲である『美しい棘』の歌詞について解説します。

成長する少女の心情を歌った曲


この曲の歌詞の世界は、ヴォーカル担当の松尾レミ自身が少女だった頃の心情を、今の自分の目線で表現した曲です。これに関しては、彼女自身がはっきりと言及しています。

10代の頃、自分のすべてが正しい、怖いことなんて何も無いと思っていた時期…。私だって私なりに考えて生きている、なんで大人はわかってくれない?そんな少女の心情を唄った曲です。

『美しい棘』の歌詞の意味と世界観

「十字架」というインパクトのある歌い出しで始まる歌詞ですが、全体的に独特の世界観を感じさせる曲です。

歌詞は少女の目線と、その少女が大人に成長した目線との、2つで構成されています。

美しい棘


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十字架の見える窓で風が遊ぶ度プリーツを揺らすよ
誰も邪魔をしないで わたし今が全てだから
儚く綺麗な時 大人には解んないでしょう
≪美しい棘 歌詞より抜粋≫
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メインコーラス部分は少女の目線からの表現です。少女の目に入る風景・シーンを純粋に表現した歌い出しから始まります。

そして、自分の信じるままに生きている少女の心情の表現に続きます。「風がプリーツを揺らす」という表現が学校の制服をイメージさせ、冒頭の1行で主人公が10代の少女と感じられる部分です。

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棘に刺さりながら 少女は今
深い傷を増やして喜びを知っていく
今までとなりに居たあなたから手を離せば最後
もう知らぬ人
≪美しい棘 歌詞より抜粋≫
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ここで、現代の自分の目線に切り替わります。純粋な少女は、自分が信じるまま、成長して行き、それは、まるで棘に傷つけられるように、世の中に揉まれながら成長していく心情が描かれている部分です。

少女は成長してその頃を思いますが、そこには後悔など一切ありません。

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若さがいつか消える事解ってる
言われなくとも私たち馬鹿じゃない
だけど血を流しても噛み締められないのは
ああ憎いもんだわ 本当知りたいだけなのに
≪美しい棘 歌詞より抜粋≫
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「血」→棘に刺された傷→若さが故の苦悩や経験の比喩です。自分も良い方法を知りたい、でもその方法が見つからない、そんな苦悩の表現です。

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じゃあまた明日ねって言えること
それだけでほら全部 暖かいこと
≪美しい棘 歌詞より抜粋≫
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何も難しいことは考えず、普通通りに過ごせばそれで良いという素直な心情を表現している部分です。

「あなた」は聴く人が解釈してOK!


▲『美しい棘』/ GLIM SPANKY

この、サビに登場する「あなた」とは誰のことなのでしょう?10代の恋人同士の歌と解釈した人も多いと思います。

実は、作者の松尾レミ自身は、過去のインタビューで女同士の友達の歌と言っていました。一方、公式のPVを観ると、双子と思われる少女が2人出てきます。全編を通してファンタジックに展開するPVの最後には、その少女のうち1人だけが斧を片手にどこかえ歩いていくシーンが登場したりします。

歌詞の解釈は聴く人の自由です。以下から自分の感じた設定で聴いて良いでしょう。

①10代の女友達。汚れのない関係でお互い信じ合っている存在。
②彼氏。恋人。
③自分の心の中に存在するもう一人の自分。すべてにおける理解者。なんでも分かり合える存在。しかし架空の存在。

作者である松尾レミがこの曲で語りたかったこと


多感な時期である10代の少女…。

誰にでも大人になる寸前の時期の思い出というものはあるものです。

そこには後悔などなく、また、その日に戻りたいなどの希望的な感情は一切ありません。純粋に思い出として映し出される映像が存在しているだけです。

そんな、大人になった純粋な気持ちを表現したのが、この『美しい棘』なのでしょう。

TEXT 猫あられ

●GLIM SPANKY(グリム・スパンキー) 新しい時代を感じさせるサウンドを鳴らす、松尾レミ(Vo/Gt)&亀本寛貴(Gt)からなる男女ニ人組ロックユニット。 アートや文学やファッション等、カルチャーと共にロックはあることを提示している。 2014年に1stミニアルバム『焦燥』でメジャーデビュ···

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