日常と比喩が交錯する歌詞
楽曲の歌詞の大きな特徴は、私達の日常をそのまま切り取ったかのように表現された箇所と「コントラストが五線譜を飛び回り」「ママレード&シュガーソング、ピーナッツ&ビターステップ」「脳内天気予報のアップデート」などの比喩表現が交錯しているところだ。
比喩表現の歌詞については、1回聴いただけでは「何のことを言っているのだろう?」と疑問が湧き、すぐには解明できない。しかし、そこがまたこの歌詞の面白さでもある。
歌詞の中には、生きることを前向きに捉えやすくなるヒントが隠されているので解明していこう。
ブレない自分を持つこと
シュガーソングとビターステッップ
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超天変地異みたいな狂騒にも慣れて こんな日常を平和と見間違う
rambling coaster 揺さぶられながら 見失えないものは何だ?
平等性原理主義の概念に飲まれて 心までがまるでエトセトラ
大嫌い 大好き ちゃんと喋らなきゃ 人形とさして変わらないし
≪シュガーソングとビターステップ 歌詞より抜粋≫
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超天変地異とは、自然災害の他に変わった出来事という意味がある。これは私たちの変わり映えしない毎日の中で、突然起こる予測不能な出来事を指しているのだ。
久しぶりに友達と再会したり、恋人ができたりと幸せなこともあれば、突然病気にかかったり、事故に遭ったりと不幸なこともある。人生の大半はそういった予測不能な出来事で成り立っているものだ。
「見失えないものは何だ?」と疑問を投げかけているが、見失えないものは自分の目標だったり、大切な人だったりと人によって異なる。大事なことは、環境が変わっても何が起きたとしても、自分の中で見失いたくないものを明確にしておくことだ。
平等性原理主義とは、全てのものを平等にするという意味がある。全てのものを平等にすることが理想ではあるが、現実的ではない。
人に対しても、物に対しても少なからず好き嫌いという感情は生まれてしまうものである。それならば「好き」「嫌い」ということを、はっきりさせてしまった方が良いと言っているのだ。
この歌詞部分を通して見えてくることは、自分の意志をしっかり持つことの大切さである。
“こんな風に生きられたら”
Aメロでは、自分の意志を持つことの大切さを歌っているが、次に来るサビでは人生に対する考え方について歌っている。
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宵街を行く人だかりは 嬉しそうだったり 寂しそうだったり
コントラストが五線譜を飛び回り 歌とリズムになる
ママレード&シュガーソング、ピーナッツ&ビターステップ
甘くて苦くて目が回りそうです
≪シュガーソングとビターステップ 歌詞より抜粋≫
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帰路につく人々の様子から、音楽を生み出してしまうくらいの感受性の高さと、人生における楽しい事を「ママレード&シュガーソング」、辛い事を「ピーナッツ&ビターステップ」と表現してしまうくらい、心に余裕を持つことで生きやすくなるのではないか。
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最高だってシュガーソング 幸せってビターステップ
死ねない理由をそこに映し出せ
惜しがったって等速で明日は来ちゃうけど
脳内天気予報のアップデートを果たしたなら
≪シュガーソングとビターステップ 歌詞より抜粋≫
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上記の歌詞では、「ビターステップ」という辛い事を表現しているが、「幸せって」と言っているので、“辛い事や苦しい事は、自分の糧になる”と前向きに捉えるようにすることの大切さを歌っている。
1日の中で嫌な出来事があっても、明日は来るから「脳内天気予報のアップデート」、つまり気持ちの切り替えをしようと言っているのだろう。
歌詞の最後にある「一難去ってまた一興」は、“辛い事があってもまた楽しい事があると考えて人生を乗り越えていこう”という、この楽曲で語られる生きやすくなる最後のヒントとなっている。
TEXT 蓮実 あこ
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