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90年代を代表するバンド、サニーデイ・サービスが描く恋の情景

1994年にメジャーデビューし、90年代の音楽を彩ったサニーデイ・サービス。一時の解散を経て再結成を果たした現在もなお、熱狂的なファンを獲得し続ける彼らの紡ぎだす言葉の魅力とは。1995年に発表された楽曲『恋におちたら』から紐解いていく。

愛する人を想う。純情な世界観を紡ぐ

恋におちたら


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どこかの家に咲いたレモン色の花ひとつ
手みやげにしてそっときみに見せたいんだ
長い髪花飾りどんな風に映るだろうと
考える道すがら 愛しさ広がるんだ
≪恋におちたら 歌詞より抜粋≫
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恋におちるとはどういうことなのだろうか?

おそらく多くの人はこのように答えるのではないか。「好きな人をずっと考えるようになっていたら」と。

しかし、歳を重ねるにつれそのような純情な恋は難しくなってくる。

もちろん純粋に恋愛をしている人はいるので、これは偏見かもしれない。ただこのように偏見や、穿った見方を知識とともに人は形成してしまうものだ。

だから、「好きな人をずっと考えるようになっていたら」という純粋な想いは、自然のうちに忘れかけてしまう。

レモン色の花ひとつ見ただけで、花を渡したときのきみの顔を思い浮かべてみる。髪飾りにしたら、きみに似合うだろうか?と想像する。視覚に捉えた1つ1つの街の景色が、きみという存在だけで愛しい景色に変わっていく。

純情な世界観を紡ぎだす言葉の数々に、忘れかけていた感情が思い起こされる。今思春期を迎え始めるであろう子どもには、共感となって伝わっていく。

サニーデイ・サービスの紡ぐ言葉の世界観は、みんなの心に巣くうある種の感情を揺さぶり、魅了する。

だからサニーデイ・サービスは老若男女問わず人気があり、いつまでも愛され続けているのだ。

出会いと別れ。冷静な思考との交錯


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昼にはきっときみと恋におちるはず
夜になるとふたりは別れるんだから
恋する乙女のようなこんな晴れた日は
きみをむかえに きみをむかえに行くよ
≪恋におちたら 歌詞より抜粋≫
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人は出会いと別れを繰り返して歳をとっていく。入学式で出会い、卒業式で別れる。卒業式で涙を流した人もいると思う。

別れというのは辛く、悲しいものである。

しかし、歳をかさねるごとに出会いと別れの回数は増えていく。別れに対する感情表現は希薄になっていく。

「昼にはきっときみと恋に落ちる」という考えは、何ともポジティブな考えだ。しかし、「夜になるとふたりは別れるんだから」という次の歌詞はどこか投げやりな感じもする。

当然のことであるが、ひとは好きな人には好かれたいものだ。決して嫌われたくはない。そのため好きな人の一挙手一投足で一喜一憂してしまう。

人は出会いと別れを繰り返す。別れがあるのは仕方のないことだ。そういった大人のような冷静な思考と、子どものような純粋な感情が交錯し、心の奥底でせめぎ合っている様をこのサビの歌詞で見事に表現している。

こうした恋における機微を綴った『恋におちたら』は、メロディとともにどこか哀愁を漂わせて胸に突き刺さる。

サニーデイ・サービスはこうした機微をストーリー性を持った言葉の数々で紡ぎ、世界観を作り出せる、唯一無二のロックバンドである。

TEXT 夕樹

この特集へのレビュー

そのほか

ほも

2019/08/20 17:48

ジャケがダサ過ぎwwww

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