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岡村靖幸「愛はおしゃれじゃない」に見る、本当の愛。

「愛はおしゃれじゃない」は、2014年にリリースされたシングル曲。 BaseBallBear・小出祐介とのコラボレーション名義となっており、作詞も小出祐介が担当している。 そしてジャケットのイラストを描いたのは「モテキ」などで知られる漫画家の久保ミツロウ。 彼女は岡村靖幸の大ファンであることを公言しており、「愛はおしゃれじゃない」はレギュラー出演していた「久保みねヒャダこじらせナイト」の主題歌としても起用されている。 「愛はおしゃれじゃない」で描かれる本当の愛とは一体どんなものなのか?読み解いていこうと思う。
TOP画像引用元 (Amazon)


■岡村靖幸 w 小出祐介「愛はおしゃれじゃない」


妄想が止まらない

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モテたいぜ君にだけに いつもそればかり考えて
モテたいぜ君にだけに
くちびるをつけてみたい 君のそのくちびる 今夜
くちびるをつけてみたい
≪愛はおしゃれじゃない 歌詞より抜粋≫
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「愛はおしゃれじゃない」は一途でまっすぐな想いを描いたラブソングだ。

いきなり、「モテたいぜ君にだけに」というキラーワードが出てくる。

そう、この主人公は、モテたいのだ。
しかし誰でもいいわけじゃない。

興味があるの「君」だけ、「君」にさえモテればそれだけでいいんだ!という一途な気持ち。

その切実さが見えてくる歌詞ではないだろうか?

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カーテン開くようにスカートを脱がしたい
好きな食べ物と特技は「君」と書きたい
見たことない絵を描いてもらいたい
季節とは君のために用意された絵の具なのさ
春色 夏色 秋冬 君色々
でも本当は電話も出来ない 一人による夜、夜
≪愛はおしゃれじゃない 歌詞より抜粋≫
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異常なまでに妄想が止まらない主人公。

しかし、思春期の恋愛などそんなものだろう。

行動に出す勇気がないので頭の中だけでどんどん妄想が膨らんでしまう。

この主人公もそう。
いろいろ考えても電話ひとつできないのだ。

岡村靖幸の歌の中にはこういう男の子が多く出てくる。

ファッションなんかじゃない

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マスカラつけたなら僕も 君のように泣けるのだろうか
君と同じ口紅つけたなら そのくちびるが何味かわかるのかな
そんな風にさ 愛ってやつは コレクションじゃない
ましてや ファッションじゃないでしょ?
愛ってやつは 切実でさ 伝えたいのは
「あのさ…あのそのつまり…」
≪愛はおしゃれじゃない 歌詞より抜粋≫
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二番では主人公の暴走がさらに加速していく。

君と同じマスカラや口紅をつけたら、君の気持ちがわかるんじゃないか…。

バカなのか?と一瞬思ってしまうけれど、彼の気持ちを笑ってはいけない。
彼は真剣なのだ。

切実に、一途に「君」を想うからこそ、ヤバいところまで行ってしまうのだ。

そう、「君」への想いは流行やファッションとは違う。

時間とともに移り変わるものじゃない。
この愛は真剣なんだ。
この思いは切実なんだ。

しかしそれを口にしようとしても口ごもってしまう。

なんて切実で、キュートなラブソングなんだろう。

岡村靖幸への愛でもある

先にも書いたように、この曲の作詞を担当したのはBaseBallBearの小出祐介だ。

1984年生まれの小出祐介は、1990年前後の岡村靖幸初期のピークをリアルタイムでは知らないかもしれない。

しかし、この曲の歌詞を見てほしい。
奥手な主人公、胸キュンな青春、一途で切実な想い。

どれも、岡村靖幸が描いてきたものだ。
この曲は見事に岡村靖幸の世界を表している。

ここまでその世界観をコピーできるのは、小出祐介自身が岡村靖幸の大ファンであり、その歌詞の世界をよく理解しているからだろう。

これは久保ミツロウのジャケットイラストにも同じことが言える。

それもまた、「一途で切実な愛」であるのだと思う。

一途な愛が生んだ青春ラブソングの名曲、ぜひご堪能いただきたい。


TEXT まぐろ

1965 年生まれ、兵庫県出身のシンガーソングライターダンサー。 数多くのアーティストの作品に作曲家として関わった後、1986 年、「Out of Blue」でデビュー。 ブラックミュージック、ロック、ポップス、歌謡曲等、様々な音楽のエッセンスを吸収、発展させたメロディ、アレンジは、グルーヴィ···

この特集へのレビュー

男性

Say When

2019/06/09 21:46

既に他の方が仰っていると思いますが、
名作は普遍性を伴い
世代を超えるものだと思います。

小出氏は岡村靖幸の音楽を浴び、共鳴し、
こんな素敵な歌が生まれたのではないでしょうか。

女性

洋洋

2019/06/09 18:09

ベイベ歴長い私にとっては
今にはじまったことではなく

おかむらやすゆきは天才なんです。

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