2人が思い描く「未来」。
──新曲「イトシキミライへ」にちなんで、バンドとしての「未来」を教えてください。海:バンドとして…、売れたい!
風人:切実に!(笑)
海:世間一般に届けたい。ライブハウスに来てくれる人に届けるのはもちろん大前提で。ライブハウスに来てくれる人は音楽が好きで音楽に興味がある人だと思うんですけど、大半の音楽に興味がない人、ライブハウスに来ない人にも、届けたいんですよね。
例えば、普段会社に勤めてて家で晩酌してるような人がふとテレビを付けたら僕たちの音楽が流れてたり、ラジオから流れてたり。お店でも流れてるようなバンドになりたい。ライブハウスでやっていくのはもちろんですがやっぱりどこかで、一般の方々に向けていかに届けやすい音楽を作っていくか、っていう方向にだいぶ動いてる気がします。
風人:それに伴って曲調が変わってきてるもんね、だからこそ今回ピアノを入れたし。
海:うん。やっぱりピアノって偉大やなと。ピアノだけでオーケストラって言われる楽器でもありますし。そういう楽器を取り入れることでちょっとは届けられる範囲が広がったような感覚はあります。ライブが好き、ライブが大切というのに加えて、ライブハウスにいない人たちにも届けることを考えながら活動していきたい。
風人:こういう会話は、2 人でもかなり長いことしてきたんです。
海:うん。ずっと正解は見えへんくて。今、かなり近づいてきた感じですね。
──ありがとうございます!続いて、風人さんの「未来」についてもお願いします!
風人:んー、マッチョになりたいですね。
海:全然関係ないやん!
──(笑) 鍛えているんですか?
風人:はい。だいぶ上半身がごつくなりましたね。これバンドとは全然関係ないっすね。
海:何を目指してるねん(笑)
風人:音楽的なことでいうと、さっき話したことと被るんですが、ピアノがあまりにも完成されすぎてて、ベースの居場所にもピアノがおるやんみたいな状況があるんです。それをいかにベースとピアノの低いところを分離させて表現するか。もっと個人的にプレイヤーとしてのレベルを上げたいですね。
海:ボーカルとかギターって0点からスタートで「いいやん」ってなったら加点される。逆に、ベースとかドラムって、減点方式だと思うんです、「違和感なくて正解」、それが0点。で、「違和感あるな」ってなったらどんどん減点されていく。だから、ベーシストとしての正解は0点でいいんです。
風人:そう。違和感でマイナスを作らへんようにする。それで0点。
海:風人が0点を叩き出してくれたら、そこから僕が0点以上を付ける。ほんまにベースは可哀想。違和感なく弾いても「ベース鳴ってる?」とか言われるし。でもベースの音抜いたらスッカスカになるんで。見えないけどめっちゃ必要なんですよね。ベーシストは凄い。…僕、ベースじゃなくてほんまよかった(笑)
風人:でも、ピアノを入れたことで、逆に0点キープじゃなくて俺もプラスに引き延ばせられるくらいの表現が増えました。そこは有難いですね。「ベース、ここはもっとこういうかんじで」とか、求められることが多い。
海:うん、めっちゃ求めてる。
風人:(笑)
──最近は特に3ピースバンドが目立ってきた気がしますね。
海:確かに多いっすね。
風人:4人で熱量!みたいなバンドも多いけど。
海:3人って一般的なバンドの最小人数じゃないですか。the Howl はサポートドラムですが。3人やと、表現しきれなくなって同期とか入れがち。3ピースの表現はやっぱり難しい。だからこそもっと突き詰めていける。
──では、海さんの「未来」もお願いします。
海:僕は「クレヨンしんちゃん」の主題歌をしたい。
風人:これはもう一生言ってる(笑)
海:夢というか最大の目標というか。主題歌を担当して僕がキャラクターになって映画に登場したい。で、Mステでしんちゃんと一緒に歌いたい。…これ全部あいみょんがやっちゃってん(笑) でも僕の一番の夢。
──既存曲で「クレヨンしんちゃん」の主題歌になりそうな曲はありますか?
海:実は、今まで作ったことなかったんですよ(笑) これは、さっき話したバンドの夢にも繋がるんですけど。アニメだけじゃなく CM とかドラマとか「タイアップ曲」っていうのをいろいろ聴いてみたんです。
そういうところを目標にして、何かを題材にした楽曲も今後たくさん生み出していければいいなと思っています。早急に増やしていきたい。それこそ、「クレヨンしんちゃん」を題材にした曲でアルバムが出来ちゃうくらい(笑) 「勝手に主題歌作ってみたアルバム」!
風人:これ「オトナ帝国」、これ「ロボとうちゃん」みたいな。
海:(笑)
the Howl が注目しているバンド!
──the Howl のお 2 人が特に注目しているバンドを教えてください!風人:my beautiful slumber ですね。若手で勢いがあって、ライブもかなり熱量があるイメージ。
海:僕も、最近何回かライブを見る機会があったんですが、みるみる良くなってる。もう普通にかっこいい。メキメキって言葉が当てはまるバンドですね。
風人:スマートやのにパワーがあるし。
海:元々、キムと真晴とホシエは前身バンドから知り合いで…6年か7年前くらいに出会って、お互い形がいろいろと変わって、1回真晴がバンドを辞めたんです。僕、真晴の歌がすっごい好きやったから、マイスラになって戻ってきてくれて「昔の仲間と一緒にやります、マイスラです!」って。そんなんもう、すげー!かっこいいー!って(笑) まずイケメンやからな、腹立つけど。その顔くれ!ってなる(笑)
風人:いやー…でもな、ちょっと俺とキムがキャラ被ってるねんな。お互い金髪やったし、急にあいつが黒にしたら俺も黒なるし。
──真似してる?(笑)
風人:そんなつもりないねん。だって金髪はあいつが真似したし(笑)
──(笑) 仲良しなんですね。
海:全く同い年のバンドが少ないんで。こんなふうに新たに産声を上げたバンドがマイスラで、嬉しいですね。僕たちの企画にも呼んだし。確か、vijon で半分酔っててマイスラのライブを観た後に「めっちゃいいやん!今度企画出てや!」って(笑) ほんだら真晴が「まじで!ありがとう!」って言って。次の日、ホシエから「あれ酔ってたけどほんまにいいん?」って連絡が来た(笑) いいライブしてましたね。イベントもめっちゃ楽しかったなー。
風人:最後ベロベロやったけどな(笑)
──去年の the Howl 主催の「ばっちばちフェス」ですね!
海:はい。活動開始から毎年夏秋くらいにやってるイベントです。
──! ということは…?
海:…今年もします!まだ言えないですけど(笑)
my beautiful slumber 「あなたに」
海:もう1組は CRAWLICK というバンドなんですけど、こちらもめちゃくちゃ歴史が長くて。
風人:せやな、めっちゃ長いし濃いよな。
海:僕が高校生の時から知ってるバンドで、ドラムのキミカが僕の同級生で同じクラス。
風人:同じクラスやったん?!(笑)
海:中3のときに塾で出会って高1、高2は同じクラスやったしバンドも一緒にやってた。なのでキミカは僕の元メンバーです。そのバンドが終わって、僕は the Howl になってキミカはCRAWLICK になってスタートしていってそれからもずっと仲良くさせてもらっています。CRAWLICKは兄貴みたいな存在。けーちゃんの歌がすげーいい。で、またイケメンや!
──(笑) 今の体勢になって更にかっこよくなりましたよね。
海:うん。だから、キミカと僕は あの頃に離れて正解やったな。って今は思いますね。CRAWLICK にとっても、the Howl にとっても今の形がベストやと思います。
CRAWLICK 「ダイヤモンド」 MUSIC VIDEO
海:CRAWLICK はいいよね。曲もキャッチーで…メンバーが愉快(笑) 1 人 1 人の個性がちゃんとある。司会進行しっかりしたけーちゃん、ひたすらボケ続けるけんちゃん、クールでさらっとしてるけどたまにキチガイなさとみくん。低音すぎて何言ってるかわからん智。アホのキミカ。今後も一緒にやっていきたい仲間たちです。
活動再開に向けて。
──この記事を読んでいる皆様にメッセージをお願いします!海:今は活動休止してるんですけど、6/15 をもって、the Howl 活動再開いたします!!
全員:(拍手)
海:それに伴って、リリースをします。「イトシキミライヘ/ライカムーン」という両 A 面シングルを会場限定で販売しようかなと思っております。その 6/15 の企画を皮切りに「愛しき未来へ」と題打って、名古屋、東京でも自主企画を行います。6/15 に福島 2nd LINE、6/25 に新栄 RAD SE7EN、6/27 に下北沢 MOSAiC、と東名阪で!復活だー!
風人:お祝いじゃー!
──最後に、一言ずつ意気込みを!
風人:少し緊張してます。普段から緊張しいなんで…。でも、それを感じひんくらい楽しいライブが出来るんじゃないかなと!全力で来てくれたみんなを楽しませたいです。
海:本当にお待たせしました!今年一年頑張りますし、the Howl、今後も音楽を続けていきますので、よろしくお願いします!
ARTIST PHOTO キクタニ、おーらい、そら
TEXT すずさや(Twitter@su__saya)