「NARUTO -ナルト- 疾風伝」主題歌「ブルーバード」
『ブルーバード』は、いきものがかりのLIVEでも何度も歌われており定番曲になっている。いきものがかりを知ったきっかけが『ブルーバード』というファンもいるほどだ。
この表題曲は『NARUTO -ナルト- 疾風伝』(54話から77話まで)のオープニング主題歌になっている。
一度聴くと、何度も聴きたくなる疾走感あふれるメロディーが特徴的だ。
『NARUTO -ナルト- 』の物語は「木の葉の里」(通称:火の国)で生まれた主人公・うずまきナルトと、もう1人の主人公・うちはサスケが親友でありながら、互いにライバル視をしている。
うずまきナルトは、自身が生まれた時に、父と母を亡くしており、九尾の人柱力だ。
ナルトは、木の葉の里に住む人々に“自分を認めてもらいたい”と思い、忍として仲間たちと共に成長していく。
一方のうちはサスケは、小さい頃から家族の愛情を受けて育っていたが、兄・うちはイタチは、サスケ以外の人物を殺し家族を失った。
これは、木の葉の里を守るためのことであったが、幼きサスケは知らなかった。
サスケは、兄を恨み続け“復讐すること”を目標に生きている。
ボーカルのアカペラに乗って共鳴するメロディー
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飛翔いたら 戻らないと言って
目指したのは 蒼い 蒼い あの空
≪ブルーバード 歌詞より抜粋≫
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『ブルーバード』は、サビにある詞から始まる曲だ。
何度も出てくる歌詞「蒼い 蒼い あの空」というのは、果てしなく続く切れ間のない広い大空を意味している。
「青い」ではなく「蒼い」という漢字をあえて使っているのには理由があるはずだ。
これから突き進んでいくサスケの道は、兄・イタチへの復讐なので綺麗な「青い」色というよりも、灰色に近い「蒼い」色をしている“心情”を表していると感じる。
ナルトとサスケの心情を表す
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“悲しみ”はまだ覚えられず “切なさ”は今つかみはじめた
あなたへと抱く この感情も 今“言葉”に変わっていく
未知なる世界の 遊迷から目覚めて
この羽根を広げ 飛び立つ
≪ブルーバード 歌詞より抜粋≫
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「“悲しみ”はまだ覚えられず “切なさ”は今つかみはじめた」は、ナルトの心情であり、木の葉の里を抜けようとする親友(サスケ)に対して、悲しい気持ちかどうかが分からないということが分かる。
親友が里を捨てたことについて「切ない」ことだと感じることができるようになってきているようだ。
遊迷(ゆめ)という造語になっているのは、迷っていた気持ちがあったが、木の葉の里を飛び立つと決心したサスケの心情だと考える。
迷いがあったが決心がついた
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飛翔いたら 戻らないと言って
目指したのは 白い 白い あの雲
突き抜けたら みつかると知って
振り切るほど 蒼い 蒼い あの空
蒼い 蒼い あの空
蒼い 蒼い あの空
≪ブルーバード 歌詞より抜粋≫
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ここのサビは、(里に)戻らないと決めたサスケの心情が現れており、突き進むしかなく、振り返ることはないと自分の意志で決めた強い思いだと分かる。
疾走感あふれるメロディーと、前向きな感情などをここで表現しているのだろう。
振り切るのは、どこまでも追いかけてくるナルト達がいる里の仲間なのではないだろうか?
「蒼い 蒼い あの空」が何度も、繰り返されているのは、自分に言い聞かせているような雰囲気を持っている。
里を捨てると決めたサスケの想い
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愛想尽きたような音で 錆びれた古い窓は壊れた
見飽きたカゴは ほら捨てていく 振り返ることはもうない
高鳴る鼓動に 呼吸を共鳴けて
この窓を蹴って 飛び立つ
≪ブルーバード 歌詞より抜粋≫
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「見飽きたカゴ」という歌詞は、木の葉の里を指している。
里に未練はなく、里を捨てると決めた思いが強く表現されているようだ。
里を抜けたサスケを追いかけるナルトの心情が「高鳴る鼓動」であり「呼吸を共鳴(あず)けて」は、仲間(サクラ)たちに対しての感情だと考えられる。
呼吸を共鳴(あずける)ことができるのは、信頼している“仲間”のことであり、“言葉”を交わさずとも“サスケを救いたい”という気持ちを、互いに仲間同士で感じることができるのだろう。
里の仲間を思い出すサスケの心情
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飛翔いたら 戻らないと言って
目指したのは 白い 白い あの雲
突き抜けたら みつかると知って
振り切るほど 蒼い 蒼い あの空
蒼い 蒼い あの空
蒼い 蒼い あの空
≪ブルーバード 歌詞より抜粋≫
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これまでに登場していた歌詞は「飛翔(はばた)いたら 戻らないと言って」だったが、ラストのサビでは「戻れない」になっている。
サスケを追いかける木の葉の里のナルト達がいるのを分かっているが「もう後戻りすることはできない。
後ろを振り向かない」というような意味が込められている。
里を捨てて、復讐心から兄を追いかけるサスケは、孤独だったが、後ろには仲間がいることを知って自分の中に芽生える「帰る場所」を振り切ろうとしているように感じる。
振り切れば、自身の中にあるくすんだ色をしている「蒼い」空が広がっているのだろう。
どこまでも広がる「蒼い」空は、サスケ自身が納得するまで晴れることがないくすんだ空だったのかもしれない。
これは、ナルトにとっても同じで「サスケを里に戻すまで」は自分の心は晴れ渡ることはなく、限りなくどこまでも「蒼い」空が広がっているのだろう。
『ブルーバード』の歌詞は、「NARUTO -ナルト- 」のストーリーに沿った歌詞になっている。
ナルトの気持ちやサスケの心情が伝わってくる感じだ。
「NARUTO -ナルト- 」を見ながら『ブルーバード』という曲を聴いてみると新たな曲の世界が広がっていくはずだ。
是非、照らし合わせて聴いてみてほしい。
TEXT pooh_nm77