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『CUSTOM』に込められたアーティスト・奥田民生の本音に迫る

『CUSTOM』は2001年にリリースされた、奥田民生12枚目のソロシングル。 奥田民生は言わずと知れた邦楽ロックシーンの重鎮である。 ソロアーティストとして、そしてユニコーンのメンバーとして、日本のロックシーンを切り拓いてきた奥田民生。 その常に飄々としたスタンスは多くのアーティストやファンからもリスペクトされている。 今回は、そんな奥田民生の『COSTOM』を紐解き、彼の本音に迫ろうと思う。

アーティストとしての熱い想い

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伝えたい事が そりゃ僕にだって あるんだ
ただ笑ってるけれど
伝えたい事は 言葉にしたくは ないんだ
そしたらどうしたらいいのさ
そこで目を閉じて 黙って 閃いて 気持ち込めて
適当な タイトルで ギターを弾いてみました
≪CUSTOM 歌詞より抜粋≫
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奥田民生はインタビューでもなかなか本心を語らない人だ。



のらりくらりと質問をかわし、冗談とも本気ともつかない言葉でけむに巻いたりする。

曲の歌詞を見ても言葉遊びやユニークな言い回しが多く、そこから彼の本音をつかむのは難しい。

しかし、この『CUSTOM』ではいきなり正面から直球を投げ込んでくる。自分には伝えたいことがあるんだと。言葉にするのは野暮だからギターを弾いて歌うのだと。

これこそ、アーティスト奥田民生の根幹を成す彼の本音なのだ。

そんな中でも「適当なタイトルで」と少し照れ隠しのような逃げを見せるのが民生のチャーミングなところだと思う。

「なぜ曲を書くのか」への答え

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頭の中が 見せられるなら 見せるんだ
ただ笑ってるだけで 済むのさ
だから目を閉じて 気取って 間違えて 汗をかいて
あやふやな ハミングで 歌を歌ってみました 叫びました
≪CUSTOM 歌詞より抜粋≫
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自分が何を考えているのか、何に悩んでいるのか、何をどうメッセージとして伝えたいのか。

多くのアーティストは常に考え、それを曲として生み出していく。

しかし頭の中を見せられるのであればわざわざそんな面倒なことはしなくていいのだ。

でも、そういうわけにはいかない。

だから曲を書いて歌う。ギターを弾き、シャウトする。



奥田民生という人がなぜ曲を書くのか。なぜ歌うのか。なぜライブで「イェーイ」と叫ぶのか。

その全ての答えがこの『CUSTOM』の中にある。

逃げも隠れもしていない。ジョークでけむに巻くこともしていない。

普段の民生が飄々としていいかげんであればあるほど、『CUSTOM』の歌詞はストレートにファンの心に刺さるのだ。

どんどん熱を帯びるラスト

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誰か 誰か 見てて くれないか
誰か 誰か 聞いて くれないか
声が 音が 空に 浮かんで
届け 届け 響け そう響け
雨と 風と 君の 歌だぜ
愛と 恋と 僕の 歌だぜ
アメリカ ジャマイカ インドネシア エチオピア
山と 海と 飛び超え 鳴らせ
彼方へ 飛ばせ
≪CUSTOM 歌詞より抜粋≫
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『CUSTOM』には民生の本音が書かれている。

なぜ自分が曲を書いて歌うのか、その理由が書かれている。

そうして出来た曲を聴いてくれ、届いてくれと切実に歌うのがこのラストだ。

感動的なまでに、歌声も演奏もどんどん熱を帯びていく。

「アメリカ ジャマイカ~」の部分は言葉遊び的なのか?と思うかもしれないが、そうではない。

日本を飛び越え、自分の音楽が世界に広がってほしいという想い。



覚悟と決意と言った方がいいかもしれない。そんな熱さが歌声にもみなぎっているのだ。

ライブのMCで冗談ばかり言っている民生だが、その中にはアーティストとしての熱い想いが確かに燃えている。

それを教えてくれる『CUSTOM』は、ファンの中でも人気の高い曲なのだ。ぜひ聴いてみてほしい。

TEXT by まぐろ

奥田民生(おくだ たみお) 1965年広島生まれ。’87年に、ユニコーンでメジャーデビュー。’94年からソロ活動を本格的にスタート。 バンド編成の「MTR&Y」、 弾き語りスタイルの「ひとり股旅」、 ひとりレコーディングライヴ「ひとりカンタビレ」 など活動形態は様々。 数多くのセッションや、楽···

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