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「近道したい」、こんな生き方ってあり?

「突然の旅に出る」 1997年、そんな発表をし引退した女性歌手:須賀響子。 彼女が活動していた時期は1994年からの3年と短く、ちょうど小室ファミリーの全盛期だった事もあり、あまり有名とはいえなかった。


「突然の旅に出る」

1997年、そんな発表をし引退した女性歌手:須賀響子
彼女が活動していた時期は1994年からの3年と短く、ちょうど小室ファミリーの全盛期だった事もあり、あまり有名とはいえなかった。
しかし、2ndアルバム「新しいような古いような」のタイトルにあるように流行に取らわれない楽曲に特徴がある。
1995年4枚目のシングルとして発売された『近道したい』も、アニメのEDテーマながら耳に残る不思議なナンバーだ。

この楽曲が使用されたアニメ「ぼのぼの」は、4コマ漫画を原作とする動物アニメーション。
ラッコのぼのぼのを主人公に、登場人物は全て動物。
ぼのぼの他、アライグマくんやシマリスくんを含めた3匹の森での生活を中心に、子供でも楽しめるコメディな要素と大人の心を打つ哲学的な両面を持つ内容となっている。
アニメ終了後も根強い人気があり、【ぼのぼので感動してもらう】をコンセプトに2002年にはCG映画にもなった。

『近道したい』で流れるアニメ―ションは全部で3種類。
同じ映像に見えるが、よく見てみると制作のクレジット部分で転ぶキャラクターが異なる。
見る機会があったら是非、チェックしてみよう。

須賀響子「近道したい」

――――
毎日がとてもつまらなくって
いつだって負けそうになるの
恋をしていても遊んでても
なんだか 先が見えないよ

(中略)

たまには近道をしたいだめかしら
苦労はしないでのんびり過ごしたい
どこかで近道をしたいだめかしら
常識なんて誰かが決めた事

――――

リアルタイムで見ていた子供の時は何とも思わなかった曲が、大人になって聴いてみると深い。
毎日が発見の連続な子供に比べると、大人に効くアニメの楽曲って以外と多い。
『近道したい』もその中の1つに入るだろう。

“毎日がとてもつまらなくって”

“いつだって負けそうになるの”


たぶん、この歌詞を聴いた大人は首を縦に振ること確実。
変わり映えのない毎日、会社への通勤、家事・育児…大人はつまらない事の連続である。
しかし投げ出すわけにはいかないから、負けそうになっても踏ん張る。
それが大人の現状である。

“たまには近道をしたいだめかしら”

楽な道を選んではいけない、そう思うのはいつからだろう。
子供の時は近道を開拓するのが楽しくて、大人に注意されても懲りずにしていた気がする
どうしたら早めに目的地に着けるか、知らない道を歩いてみるのも冒険みたいで楽しかったものだ。
急にやらなくなるのは、常識的にいけない事だと教えられるからだろうか。
いまいちピンと来なくても親に言われると、そうかと納得してしまうしかない。

“常識なんて誰かが決めた事”

そんな常識を振りかざす大人へ反旗を翻すのがこの楽曲である。
ある意味、大人を困らせてしまうかもしれないが別に上げ足を取りたいわけではない。
どちらかと言えば、たまにはこんな生き方をしてみてもいいんじゃない?というスタンスだ。
常識に縛られないで、肩の力を抜いて自由にしてみる事。
ぼのぼの達とまではいかないが自分の為にのんびり過ごす日を作っても良いのだと、この楽曲は教えてくれる

『近道したい』は、1900年代発表という事もあり少し古く感じる人もいるかもしれない。
しかし、この楽曲はアニソンとしてカバーされる程の名曲である。
2009年に「THE IDOLM@STAR」の登場人物:三浦あずさによりカバーされ、アルバムでも発売。
須賀響子で手に入りにくい場合は、そちらでも聴いてみて欲しい。

この楽曲を歌う須賀響子も、事務所から散歩に出かけると長時間戻ってこない事が多かったそう
歌手なのだからインスピレーションを求め彷徨い歩いていたのだろうが、事務所スタッフはずいぶん心配をしていたようだ。

“いろんな歩き方探して歩きましょう”

散歩と称して、彼女も人生の歩き方を探していたのかもしれない。

TEXT:空屋まひろ

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