声優界の特撮好きとして知られる伊藤美来
声優としてアニメ「五等分の花嫁」の中野三玖役や、「BanG Dream!」の弦巻こころ役などに出演するほか、豊田萌絵とのユニット「Pyxis」などでも活動する伊藤美来。そんな伊藤は特撮好きとしても有名だ。
その特撮好き度は、超!アニメディアで「伊藤美来の『ひとりでヒーローごっこ。』」というブロマガ連載をしていたり、20歳の誕生日に行われたソロデビューイベントには「特捜戦隊デカレンジャー」のデカレッドが駆けつけるほど。
そんな伊藤美来のニューアルバムでは、あこがれの戦隊ヒーロー経験者とタッグを組んで楽曲制作を行った。
楽曲を紡ぐのは戦隊も経験したシンガーソングライター・岸洋佑
アルバムの9曲目に収録される『君に話したいこと』の作詞・作曲を担当したのは、伊藤と同じく日本コロムビアに所属するレーベルメイトである岸洋佑。シンガーソングライターとして活動する岸は、2017年に『宇宙戦隊キュウレンジャー』にスティンガー/サソリオレンジ役として出演していた。特撮好きの伊藤と、特撮経験者がタッグを組んだ楽曲はどんな仕上がりになったのか。ここからは楽曲の内容に迫っていこう。
離れても心はつながっている、そんな親友とのストーリー
本楽曲で描かれるのは、自分のすべてをさらけ出せるほどに心が繋がっている親友とのストーリーだ。2人だけの秘密を共有するほどに互いを許しあっている関係。そんな2人が会えば「私が私で居られる魔法みたいな時間」が始まる。
だが、今すぐには会えない距離にいる。その2人を繋いでいるものは何なのか。それを表しているのが次の歌詞だ。
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大切な君との
何気ない言葉が色褪せないから
離れ離れでも
心は傍に Best friend
≪君に話したいこと 歌詞より抜粋≫
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離れ離れになってしまった2人だが、その心は想い出でつながっている。その距離が新しい「君に話したいこと」を積み上げていく。
しかし現代は、電話やLINEでいつでも話し合える世の中だ。ならば、この「Best friend」とは誰のことなのか。そこに本楽曲が作られた背景があるのではないだろうか。
確かにこの曲は離れ離れになってしまった親友との関係を描いている。だが、もう一つの側面があるように思えて仕方がない。
そのもう一つの側面が、自分を育ててくれた作品のキャラクターとの関係性だ。「私が私で居られる 魔法みたいな時間」は、好きなコンテンツと自分自身の間にもある。
この曲には、伊藤が憧れるヒーローへの気持ちも混ぜられてるいのではないだろうか。そう考えながら、戦隊ヒーローが伊藤のために書き下ろした楽曲を聴くと、ちょっと違った楽しみ方ができるかもしれない。
憧れのヒーローが伊藤美来のために書いた楽曲。そこには強い心の結びつきが描かれた。日々の生活に疲れたとき、この曲を聴いて、話したい“君”を探そう。
TEXT 松本 翼