不満と向き合ってからバカになって騒ごうよ
──インパクトがあるといえば衣装も。
──はい、それです。とても新鮮でした。
大場美奈:シングル曲では、私服っぽいものはあっても、こういうティストは無かったですからね。本当に1人ひとりの個性に合っていて、カッコいい。私たちって制服チックな衣装が主流じゃないですか。そういう衣装だと、表現出来る髪型も決まって来るんですね。私たちは、メイクや髪型でいろんな衣装を表現していくんですけど、今回は、MV撮影がL.A.だったこともあって、メイクも衣装も髪型も全部L.A.の感じに寄せていったんです。
そしたら、いろんな子の新しい顔が見えて来たんですね。「この子は、こういうメイクしたらすごく大人っぽく見えるんだ」とか「あの子はお人形さんみたいな可愛さが出るんだ」とか、本当にいろいろ発見があったんです。新しい試みをすることで、新しいSKE48の表情が出て来たのが、本当に嬉しいし、良かったと思うし、これからのSKE48がますます楽しみになりましたね。
──タイトルにちなんだ質問を。今「48グループには、制服のイメージがある」という意味のお話しが出ましたが、その「イメージ」について「フラストレーション」を感じたことはありました?
大場美奈:それは……欲求不満、ですか?
全員:ははははははは(大爆笑)。
──端的に言えば「不満」になりますね、確かに(笑)。
大場美奈:あぁ、それは(自分たちの)観せ方に対してってことですよね?
──そうです。具体的に言うと「もっとこう出来るのに」みたいなフラストレーション。

でも、そこをフラストレーションにしちゃったら、表現出来ることも出来なくなっちゃうと思う。アイドルである以上は、衣装に自分を合わせていかないと、ちゃんと表現出来ないと思うんですよね。観ている人が「衣装が合ってないな」って感じたとしたら、それは「自分の表現力が足りなかったんだな」って思うから。
──それは、表情とか仕草で自分を合わせていくってこと?
大場美奈:そこもそうだし、もっとわかりやすいところだと、髪色、髪型ひとつでもそうですね。『FRUSTRATION』のセンターの奈和ちゃんは、今、金髪なんですけど、この金髪のまま制服っぽい衣装を着たら、結構ギャップが出てくると思うんですね。でも今回のような衣装だから、すごく映えるし合っている。だからこそ、出来る表現もたくさんあると思うし、すごくいい方向に出て来たなと感じてます。
──歌詞の中で、1番好きな部分は?

ただ単に「騒げ騒げ」って言ってる曲じゃなくて、人生誰しも1つくらい嫌なことがあって、それを踏まえた上で、しようがないかって思える人にならないと、やっていけないこともたくさんあるから。そこがちゃんと最初に書かれているから、後半の楽しさも生きてくるんだなって思いますよね。
実年齢よりも若く見られる幸せ(笑)
──歌詞の中に「熱くなれ」という言葉がありますが、今、1番熱くなれるものは?大場美奈:うっわぁ~(笑)。いっぱいあるなぁ……(考え込む)。
──少し具体的にしましょうか。これから、自分の時間とマインドを最も注ぎたいと思っていることは?
大場美奈:アイドルとしては、ライブ、写真集、バラエティーって、本当にたくさんあるんですけど。1人の人間としてって考えると……女性としての自分を極めたい。
──というと?

──自分の現状については、どういう分析をしてるんですか?
大場美奈:身長が低いせいもあって、27歳に見えないって言われることが多いんです。大人っぽい服を着てみても、似合わないことが多いんですよね。もしかしたら、似合う大人っぽい服もあるのかもしれないけど、まだ自分の中ではしっくりこないというか。でも、だからこそアイドルを続けられてるっていうのもあるんですよね。これで「27歳に見える」とか言われたら、ショックで続けてられないとも思うし。
──1人の女性として、今、足りてないことがあると気が付いたってことですね。
大場美奈:このままじゃ……って思うんですよね、正直。だから少しずつでも、精神年齢をあげていきたいというか。今のままだと絶対に無理が出てくると思うから、そこを考えると、見た目も含めて少しずつ変えていった方がいいなと思うんです。そういう中でも、美は追及し続けていきたいし、実年齢よりはやっぱり若く見られていたい……そういう女性でいたいなって、30歳が近くなってきて、具体的に思うようになりましたね。
──ただやみくもに年齢より若く見られたい!……って思っていないところが素敵ですね。アイドルとしての自分と、女性としての自分をしっかり俯瞰で見て冷静に受け止めている印象。
大場美奈:はい。今は今で、実年齢よりも若く見られるって幸せを実感しているので。それを30歳を越えても、40歳を越えても思うことができたら、すごく素敵だなと思うんです。だから、そこを続けられる、追求できる女性でいたいなと思ってます。

Text 伊藤亜希
Photo 岸豊