そんな彼らが、結成15周年を迎える今年、『プログラムcontinued』を通して改めて伝えたいこととは、一体何なのか。
UNISON SUQUARE GARDENが、変わらずに貫き続ける姿勢とは、一体何なのか。
UNISON SUQUARE GARDENとは?
UNISON SUQUARE GARDEN、通称ユニゾンは、斎藤宏介(Vo.&Gt.)、田淵智也(Ba.&Cho.)、鈴木貴雄(Dr.&Cho.)が 2004年に結成したスリーピースロックバンドだ。
テレビアニメ『血界戦線』のエンディングテーマである「シュガーソングとビターステップ」は、誰もが一度は聞いたことのある名曲だろう。
UNISON SUQUARE GARDENの楽曲は、ロックでありながらポップでもあり、その個性が織りなすグルーヴは、強烈なキラーチューンを多く生み出している。
ユニゾンの歌詞には特徴があった!!
ユニゾンの楽曲には、歌詞にも大きな特徴がある。楽曲の制作を担っている田淵智也(Ba.&Cho.)は、時折「伝わる人にだけ伝わればいい」と口にする。
他の二人もしばしば同様の内容を発言している。
確かに、UNISON SUQUARE GARDENの歌詞は、「誰が聴いても感動・共感できる」ものではない。
それは、シングル曲やアルバムのリード曲、カップリング曲かに関わらず一貫している。
UNISON SUQUARE GARDENが結成10周年の際にリリースしたアルバム『DUGOUT ACCIDENT』に収録されている『プログラムcontinued』という曲がある。
今年、結成15周年を迎えたUNISON SUQUARE GARDENは、この曲を『プログラムcontinued(15th Style)』という形で再発表した。
伝わる人にだけ伝わればいい。
常々、「伝わる人にだけ伝わればいい」と口にする彼らが、結成15周年を迎える今年、この曲をもう一度歌う意味を、歌詞を中心に考察していく。「伝わるあなたに届けたい」歌詞
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さも当然のように悲しみは今日もやって来て
ひょっとしたら日増しに ほら 大きくなって 重たくなってしまう?
ああ 焦りそうな東京ジャングル 足をとられてしまいそうだよ
でも当然のようにって心の奥が疼いてる
あの日に見た虹みたいな音楽だって変わらず鳴ってるよ
≪プログラムcontinued 歌詞より抜粋≫
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一見に関係ないことを大声で歌ってきたんだ
沢山の人が首をかしげてきたけれど
≪プログラムcontinued 歌詞より抜粋≫
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ああ それでもまだちっぽけな夢を見てる
目立たない路地裏で超新星アクシデントみたいな事
何気ない歌で何気ない記念日をお祝いしたら
ああ 気ままに行こうじゃない きっと何も変わらないけれど
多分 continued
≪プログラムcontinued 歌詞より抜粋≫
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一曲と出会える奇跡
世の中には多くのアーティスト、多くの音楽が、星の数ほど存在する。
その中で『一曲』に出会うこと、それ自体を運命と呼んでも差し支えないほどだ。
大切な音楽に、偶然出会ってしまった。
その事実は、時にその人の心の支えになったり、あるいは人生を変えてしまったり、そんなドラマチックな突然変異は、きっと街中の至る所で起こっているだろう。
これは一つの例え話だが、「誕生日」という日、これは本人にとっては年に一度の特別な記念日であるけれど、他の人にとっては、単なる平日だろう。
特別な関係でない限り、「祝って!」というスタンスには、一種の烏滸がましさを覚えることもある。
このように、「私にとっての記念日」が「あなたにとっての記念日」でないことは、事実として往々にある。
UNISON SUQUARE GARDENが常々口にする「伝わる人にだけ伝わればいい」という言葉は、裏返して言えば「伝わるあなたに届けたい」とも取れる。
様々な感情が渦巻く日常の中で、沢山の人にとってはただの平日である『今日』を「あなただけに伝わる言葉」で一緒に祝えたら、僕らもあなたも、明日からまた変わらず歩んでいける。
『誰にでも伝わる言葉ではないからこそ、「あなた」に届く意味がある』
そんなメッセージを感じることができる。
今、ユニゾンがこの曲を歌うのは…
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乱暴な真相めいたこと 頑固意固地ってきたんだ
あんなやつらには気づけそうもないだろう
それでもまだ消えそうな声を聞いてる
泣きたくて泣けなくて無理やり笑っちゃう君の声を
だけどストレンジャー 味方なんかにはなれないけれど
ねえ 挫けていいんだよ 秘密基地で会う約束をしよう
未来保証のサイコロを投げたけど きっと何もわからないまま
一瞬も飽きちゃいないからさ 人生を譲る気がないんだ
行けるところまで行こう 小さく明日のベルが鳴る
ああ それでもまだちっぽけな夢を見てる
くだらなくて 蹴っ飛ばしていいけど、君に言ってるんだ。
それでもまだちっぽけな夢を見てる
目立たない路地裏で超新星アクシデントみたいな事
何気ない歌で何気ない記念日をお祝いしたら
ああ 星も降るから 派手なやつを歌っていこう
ふざけろ!続けフルカラー きっと大して変わらないけれど
依然 continued
≪プログラムcontinued 歌詞より抜粋≫
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「あなただけに届く声」と「あなた自身か送る声」、そのコミュニケーションがあるからこそ、UNISON SUQUARE GARDENの楽曲は、出会ってしまった「あなた」にとって意味を持つ。
どんなにアーティストが言葉を紡いでも、その言葉は直接話しかけられて得られる言葉とは根本的に異なる。
どんなに好きなアーティストでも、あなたの人生から片時も離れず、死ぬまで添い遂げることは不可能だろう。
『味方なんかにはなれないけれど』
一見冷たく感じるこのフレーズも、『くだらなくて 蹴っ飛ばしていいけど、君に言ってるんだ。』と、「偶然出会ってしまったあなた」と共に歩んでいくのではなく、それぞれ別の場所にいるけれど、「あなたに伝えたい音楽がある」という、ユニゾンのユニゾンらしい距離感だからこそ、心に染み入るものがある。
目標は「現状維持」
UNISON SUQUARE GARDENの楽曲制作の多くを担当する田淵智也(Ba.&Cho.)は、「UNISON SUQUARE GARDENの今後の目標は?」と聞かれた際に、「現状維持」と答えることが多い。ロックバンドのスタンスとして、現状維持という言葉を挙げるのは、他に類を見ないだろう。
結成10周年で発表したこの曲を、結成15周年となる今年『プログラムcontinued(15th Style)』として再発表したことも、「現状維持」という言葉に近しいものを感じる。
共に手を取って歩んでいくわけではないし、時には少し距離を置くこともあるかもしれないけれど、「あなた」が『消えそうな声』で呼ぶなら、僕らは「あなた」に伝えたいメッセージがある。これからもずっと、そうやって音楽を続けていく。
『プログラムcontinued(15th Style)』を発表したことには、そんな意思が感じられる。
「伝わるあなたに届けたい」
その姿勢を貫き続けるUNISON SUQUARE GARDENの未来は、依然続いていく。
TEXT DĀ
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