ヴァイオレット・エヴァーガーデンとは?
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はKA文庫(京都アニメーション)で2015年12月から刊行されていた、暁佳奈のライトノベル作品。本編が全2巻、外伝が1巻発売されています。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は第5回京都アニメーション大賞の大賞を受賞。現在までで唯一の大賞受賞作品です。
戦時中、軍の「道具」として戦っていた少女ヴァイオレット。戦場で負傷したヴァイオレットは、上官でもあり、大切な人でもあるギルベルトから、別れ際に「愛してる」という言葉を残されます。
しかし、幼い頃から戦場で戦っていたヴァイオレットは、その言葉の意味を知ることができません。
戦争から生き残ったヴァイオレットは、ある街で「自動手記人形」と呼ばれる手紙の代筆業の存在を知ります。代筆業は依頼人の想いを汲み取って言葉にする仕事。自分も代筆業をすれば、ギルベルトが残した「愛してる」の意味がわかるかもしれない…。
そう思ったヴァイオレットは、愛を知るために自動手記人形として生きていくことに決めました。
登場人物
ヴァイオレット・エヴァーガーデン:CV石川由依幼い頃から軍人として戦ってきた少女。戦うことしか知らず、相手の気持ちを理解したり、自身の感情を表現する術を知らないまま育ってきた。
そのため、上官であるギルベルトから告げられた別れの言葉「愛してる」の意味がわからずにいた。偶然出会った、代筆業を通して愛の意味を探していくことになる。
クラウディア・ホッジンズ:CV子安武人
ギルベルトの士官学校時代の親友。戦後は軍を離れてC.H郵便社を立ち上げた。ギルベルトからの頼みでヴァイオレットを引き取り面倒を見ている。
ギルベルト・ブーケンビリア:CV浪川大輔
貴族の名家に生まれ、陸軍少佐となった。
兄から「道具として扱え」と押し付けられたヴァイオレットに、名前をつけて面倒を見る。一緒に過ごすうちに、ヴァイオレットを愛するようになる。共に戦場で戦っていたが負傷。ヴァイオレットに「愛してる」と言葉を残して、行方不明になる。
カトレア・ボードレール:CV遠藤綾
C.H郵便社で働く自動手記人形の1人。依頼人の想いを汲み取り、文章にするのが好評。指名で仕事を受けることが多い。
ベネティクト・ブルー:CV内山昇輝
C.H郵便社で配達員(ポストマン)として働く。ホッジンズとは旧知の仲。服装にこだわりがあり、個性的な私服を着て仕事をしている。
エリカ・ブラウン:CV茅原実里
カトレアと同じくC.H郵便社で働く自動手記人形の1人。依頼人のやりとりがうまくいかず、仕事に自信をなくしている。
アイリス・カナリー:CV戸松遥
C.H郵便社で働く自動手記人形の新人。自動手記人形になるために、田舎から出てきた。
キーワード「自動手記人形」
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」での重要キーワード、それは「自動手記人形」です。自動手記人形とは依頼人の想いを汲み取り、言葉で表現する仕事。通称「ドール」とも呼ばれています。感情を持たないヴァイオレットは、相手の話している言葉から本当に伝えたい想いを汲み取る姿を見て、ギルベルトが残した「愛してる」の意味を知れるのではないかと考えます。
OP『Sincerely』TRUE
画像引用元 (Amazon)
OPを歌っているTRUEは、2014年にアニメ「バディ・コンプレックス」のOP『UNISONIA』でアニソンシンガーとしてデビュー。
その後は数々のアニメ作品の主題歌を担当。さらに作詞家としても活動していて、歌詞の提供相手は著名なアーティストやアイドル等、多岐にわたっています。
OPは当初、TRUEの3rdアルバム『Lonely Queen’s Liberation Party』に収録されていた同タイトルの曲を予定していました。
しかし監督から、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は人間同士の関わりを大切にしている作品であることを聞いて、優しさや慎ましさを重視したミディアムバラードに変更しました。
ギルベルトが残した「愛してる」の意味を知るため、始めた代筆業。ヴァイオレットは今まで感じたことのない、不思議な感情に戸惑います。「この言葉ではうまく表現できないこの感情はいったい何なのか。なぜこんなにもギルベルトに会いたくなるのか。」ヴァイオレットの心情が伝わってきます。
----------------
さよならは 苦くて
アイシテルは 遠いにおいがした
例えようのない この想いは
とても怖くて だけど とても愛おしくて
わたし なんで 泣いているんだろう
心になんて 答えたらいい?
言葉はいつでも 語るでもなくて
そこにあるばかり つのるばかり
わたしは あなたに 会いたくなる
≪Sincerely 歌詞より抜粋≫
----------------
ED『みちしるべ』 茅原実里
画像引用元 (Amazon)
ED『みちしるべ』を担当したのは声優、そして歌手として活動している茅原実里。今作品ではエリカ・ブラウンの声を務めています。
茅原は2004年、アニメ「天上天下」で声優デビュー。2006年に放送されたアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」で、長門有希役で一躍有名になりました。歌手活動も声優デビューと同じ年に、ゲーム「天空断罪スケルターヘブン」のED『マリオネット』で活動を始めています。
『みちしるべ』では作詞も担当しており、歌詞のなかに「親が子どもを思う愛、そして子どもが親を思う愛」を盛り込んだとのこと。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は代筆業を通して出逢い成長していくヴァイオレットの姿が描かれています。
茅原は「その出逢い」が「みちしるべ」になっていくと感じて、タイトルを『みちしるべ』と付けました。
----------------
遠く幼い記憶は
陽だまりのようなぬくもり
泡沫の夢から覚め
孤独が"ひとり"と知った
授けられた翼を 羽ばたかせて
飛ぶことをやめないと約束しよう
ひとりじゃない
≪みちしるべ 歌詞より抜粋≫
----------------
OPとEDのCDジャケットとMVは、2つで1つの作品になるように作られています。ぜひ、そちらにも注目してください。
京都アニメーションによる美しい世界観
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を紹介する上で、外せないのが美しい世界観です。アニメ製作を手掛けたのは、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『Free!』で有名な京都アニメーション。キャラクターたちの繊細な表情や動き、そして風景。温かくて切ないストーリーに寄り添う映像に、誰もが惹き込まれる作品です。
2020年1月に完全新作が劇場版で公開決定!
2018年3月にアニメ放送が終了した「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。最終回では完全新作製作が発表されました。そして2019年4月19日には、「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の公式サイトがオープン!ぜひチェックしてくださいね。
「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」公式サイト
人として自動手記人形として成長していくヴァイオレット
小説から始まった「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。感情を持たない少女、ヴァイオレットが、大切な人が残した「愛してる」の意味を知るために代筆業を始めます。代筆業を通して人に出逢い成長していくヴァイオレットの姿は、視聴者に感動を与えました。
劇場版ではギルベルトへの想いを抱えながら、彼のいない世界で生きていこうと前を向いたヴァイオレットの、その後が描かれています。公開は2020年1月10日!また、劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 -永遠と自動手記人形-』が9月6日から26日まで3週間限定で上映されます。皆さんの大切な人と一緒に、ご覧になってはいかがでしょうか?
▶アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」公式サイト
▶「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 公式Twitter
TEXT あるこ