今注目のシンガーソングライター、ななみをご存知だろうか。
ヤマハ主催の「Music Revolution」で2013年にグランプリを獲得し、翌年10月にシングル「愛が叫んでる」でメジャーデビューを果たした。インディーズ時代に発売したシングルも、地元大分でのライブイベントなどで販売し約2000枚が完売。地道に、精力的に活動を続けてきた末に掴んだメジャーデビューだった。
公開日:2015年11月14日
今注目のシンガーソングライター、ななみをご存知だろうか。
ヤマハ主催の「Music Revolution」で2013年にグランプリを獲得し、翌年10月にシングル「愛が叫んでる」でメジャーデビューを果たした。インディーズ時代に発売したシングルも、地元大分でのライブイベントなどで販売し約2000枚が完売。地道に、精力的に活動を続けてきた末に掴んだメジャーデビューだった。
そして2015年初夏にリリースされたのが、メジャー1stアルバムである「ななみ」だ。
シングル表題曲の「I’ll wake up」や「愛が叫んでる」、地元でCMソングとしても起用された「ポケットの恋花火」といった曲が収録されている。1stにしてこれまでの音楽活動のまとめとしても聴くことができるアルバムだ。
自分の名前をタイトルに冠したこのアルバムには、ななみが音楽活動をする上でのあるテーマが溢れんばかりにこめられている。
"賞味期限近づくlove真っ赤な嘘裏切りと欲望
薬指隠しfeelinglove重い罪を犯した2人"
この曲に限らず、アルバムに収録されたいくつもの曲に共通したテーマとなっているのが「愛」だ。
ななみは学生時代、両親の離婚をきっかけに学校から足が遠のいた。家に引きこもっているときにYouTubeで音楽を聴くようになったことが、自分でも音楽活動をするようになったきっかけだと言う。いじめや引きこもりの時代に出会った人々、自分の心、それらを通して感じたことが「愛」の必要性だったのだ。
"あの子より好きなんてやめて嘘つき憎らしいbadboy
そう言って別れ際振り返るのはいつも私だけ"
自分の置かれた家庭環境が変わったとき、それまで当たり前に思っていた足場や地面が無くなったような、ひどく怖く、不安な気持ちになったはずだ。その不安定さは、この曲で描かれているような社会的には許されない恋愛の危うさと共通する部分がある。
まだ20歳を過ぎたばかりのななみが描いた大人の恋愛曲。しかし、それは他ならないななみ自身が叫ぶ自分の想いだ。10代の頃から周りにいるたくさんの人々を自分自身の目線で捉える状況があったからこそ、この楽曲が生まれたに違いない。
ななみの歌には確かに愛があふれている。女性としては低めのハスキーな歌声は、華やかさにかける部分もあるが温かく落ち着きがあってじんわりと心の温度を上げる。かと思えば鋭く切々と訴えかけてくるように歌う曲もある。世の中に存在しているのは、決して幸せな恋愛だけではない。それでも人は愛を求めて、時に翻弄されながら生きている。そんな全ての人に寄り添うことができるのがななみの歌なのだ。
TEXT:asta