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疲れた大人こそ聞いてくれ!THE HIGH-LOWSの「胸がドキドキ」

放映開始から23年が経った今も高い人気を誇るアニメ「名探偵コナン」。記念すべき初代オープニングテーマを飾ったのがTHE HIGH-LOWSの『胸がドキドキ』だ。色褪せない名曲は、子どものころに置いてきてしまったドキドキやワクワクを思い出させてくれる。
ウソみたいだと思うだろうが『胸がドキドキ』を聴くと、本当に胸がドキドキと高鳴る。楽しかったあのころ…子どものころに観ていたアニメの主題歌だからだろうか。いいや、それだけではない。大人になるにつれいつのまにか見失った、素直な心が描かれているからだ。

THE HIGH-LOWSらしいワードセンスが光る


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百年ぶりの世紀末
泣けといわれて
僕は笑った
≪胸がドキドキ 歌詞より抜粋≫
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子どものころにはきっと誰もが持っていた、些細な反抗心。あのころは、人と同じでない自分を貫くことが出来た。いつまでも少年の心を忘れない、THE HIGH-LOWSらしい歌詞だ。

いつから、まわりと同じであることに安心を覚えたのだろう。
いつから、些細な反抗やいたずらさえできなくなったのだろう。

そういえば、当時は世紀末が近づいていた。

リアルタイムで聴いていた我々はもう、次の世紀末を迎えることはないのだろう。人生でたった一度の、百年ぶりの世紀末…もっとわくわくすればよかったとも思う。



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宇宙の果てに
旗を立てたとしても
宇宙の謎は
わからないまま
≪胸がドキドキ 歌詞より抜粋≫
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宇宙は広い。そのすべてを知るには、人の一生はあまりに短い。けれどそれで良い。

すべてが分かってしまえば面白くないというものだ。
知らないことを知りたいと思う、その心があるうちは、生きることはおもしろい。

一方で、どこか皮肉にも思える歌詞だ。なんだか壮大なことを成し遂げているようで、そこに中身はない。

どこへ向かっているのかも分からないまま、敷かれたレールに乗ってせかせかと働く日々、歯車のように回る社会に「意味はあるのか?」と問われているような気がしてギクリとする。

ときには胸のドキドキに従ってみよう



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子どものころに
わかりかけてたことが
大人になって
わからないまま
えらくもないし
りっぱでもない
わかってるのは
胸のドキドキ
≪胸がドキドキ 歌詞より抜粋≫
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子どものころは、なんだってもっとシンプルに考えることができた。

人に優しくするのは良いことで、好きなものは好きで、嫌いなものは嫌い。それで良かった。胸のドキドキに従って、思うままに生きていられた。

大人になるにつれ、ドキドキやときめきを見失う。どうしてか、胸のドキドキに素直に従えなくなる。

あのころ信じた正義や、なりたかった大人の姿…いつのまに見失ってしまってしまったのだろう。

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答えでもない
本当でもない
信じてるのは
胸のドキドキ
胸のドキドキだけ
≪胸がドキドキ 歌詞より抜粋≫
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いつからか、ドキドキする道よりも正しそうな道を選ぶようになった。それが大人になったということならば、なんだかとても虚しくもある。

けれど、ときには胸のドキドキに従ってみたい。正しくなんかなくても良い、答えが分からなくったって良い。
心の思うままに、思うほうに向かってみたい。

『胸がドキドキ』を聴くと、子どものころに置いてきたまっさらな気持ちを想い出す。心の奥底から、なんだかアツい気持ちが湧いてくる。



繰り返す毎日に疲れ、頑張る気力がどうしても湧いてこない日はある。そんな日は『胸がドキドキ』を聴こう。そしてひとたび、無邪気だったあのころに戻ろう。

胸のドキドキに耳を傾け、思うままに歩いてみよう。そんな日も、たまには良いもんだ。
頑張れ、いつか子どもだった大人たち。

TEXT シンアキコ

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