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【歌詞コラム】この感情の名前を教えてくれ、米津玄師「馬と鹿」の意味とは?

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米津玄師の10thシングル『馬と鹿』は、TBSドラマ『ノーサイド・ゲーム』の主題歌として制作された。この曲は、傷つきながらも逆境に挑む、不器用で愚直な想いを歌っている。今回はその歌詞を読み解く。

公開日:2019年10月17日 更新日:2019年10月17日


この記事の目次
  1. ・痛みでわかる心
  2. ・揺るがない信念
  3. ・愚直ゆえの純粋
  4. ・米津玄師 最新情報
  5. ・リリース情報
  6. ・ライブ情報
  7. ・米津玄師 Profile
大泉洋主演、TBS日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』。

このドラマは大泉洋演じる、大手自動車メーカー経営戦略室次長の君嶋隼人が、上司の意向に歯向かい左遷され、横浜工場の総務部長と低迷するラグビー部のゼネラルマネージャーの兼務の命によって、自身と共にラグビー部を再起していく物語である。

この物語の根底にある、理不尽に襲い掛かる逆境に対して、傷だらけでも、不器用でも、諦めずに立ち向かっていく、というテーマを、米津玄師は、この『馬と鹿』にて詩的に描いている。

その意味を独自に解説していく。

痛みでわかる心


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歪んで傷だらけの春
麻酔も打たずに歩いた
体の奥底で響く
生き足りないと強く
≪馬と鹿 歌詞より抜粋≫
----------------
春は、希望の季節だ。

別れもあれど、出会いの多い季節であり、恋心の芽生えや、恋愛事が始まることを、「春が来た」と形容したりする。

何か新しいことが始まって出会える、その希望と期待感に満ちているのが春だ。

しかし、ここでは、およそ希望を感じさせない言葉が、春に付随している。

“歪んで”、”傷だらけ”というネガティブな言葉が春に飾られており、そこからは、決して希望も期待もない出会いがこの人物にあったことがわかる。

だが、彼はその、望まない春に与えられた痛みを、誤魔化さずに受け入れて進もうとしているのだ。

その現実から逃避するという”麻酔”を打ってしまえば楽になるはずが、彼は痛みと共に歩いている。

それは、“体の奥底”で響いている、まだ生きようとする強い意志から来る行為なのだ。

痛みを感じるということは、まだ自分の身体と心が生きている証であり、その傷を治して、未来へ向かって更に強く生き続けたいという証でもある。

望まない現在を覆したい、壁を乗り越え未来へ生きたい。と、まだ“生き足りない”という強い声が、前に足を踏み出させてくれるのだ。


----------------
まだ味わうさ 噛み終えたガムの味
冷めきれないままの心で
ひとつひとつなくした果てに
ようやく残ったもの
≪馬と鹿 歌詞より抜粋≫
----------------
何度も噛み続け、ようやく吐き出しガム。

しかし、まだ口に残った味の欠片を更に味わう。

その行為から、求める事象に対して、簡単に答えを出さず、何度も何度も試行錯誤して模索する執念深さが感じられる。

そして彼の、執念深さを持つ心の内の余計なものを捨て、底に残った唯一のものこそ、本当に大切にするべきものであることを、ここで教えてくれている。


----------------
これが愛じゃなければなんと呼ぶのか
僕は知らなかった
呼べよ 花の名前をただ一つだけ
張り裂けるくらいに
鼻先が触れる 呼吸が止まる
痛みは消えないままでいい
≪馬と鹿 歌詞より抜粋≫
----------------
目の前に現れた望まないモノ。

自分の前に立ちはだかるそれに立ち向かう為に、心が見せた自分が守りたい大切なモノ。

それを強く想う感情の名前が、“愛”というものでなければ、馬鹿な自分にはわからなかった。

そう唄う彼の言葉には、それがどんな感情であろうと、強く大事にして守りたいという願いが込められているのがわかる。

そしてその願いが成就して開く花こそ、夢であり、その名前こそ、明確に忘れてはならない名前なのであることを唄っているのだ。

またそれまでに負った傷の痛みを全て覚えていることこそ、ここまで生きてきた全ての時間に意味を与え、その願いの価値を失わせない大切なことなのであることがわかる。

揺るがない信念


----------------
疲れたその目で何を言う
傷跡隠して歩いた
そのくせ影をばら撒いた
気づいて欲しかった
≪馬と鹿 歌詞より抜粋≫
----------------
何かに逆らって生きることは容易ではない。

そこに正当な理由があり正しい目標があったとしても、世間や社会、その場のコミュニティにある強い流れには、流されてしまった方が幾分楽だ。

しかし彼は、流されたくない明確な強い願いがあり、信念がある。

それゆえに立ち向かうのだ。

その強さに共鳴し、同じ願いを持ってくれる仲間もいるだろう。

だが、心に強さがあっても、その中に弱さが無いわけではない。

その自分の弱さを仲間に気づいて欲しいと、つい吐露してしまう時がある。

ここでは、そのどうしようもない人間らしさが表現されている。

その人間らしさがあるからこそ、願いへの素直さが更に強まるのだ。


----------------
まだ歩けるか 噛み締めた砂の味
夜露で濡れた芝生の上
はやる胸に 尋ねる言葉
終わるにはまだ早いだろう
≪馬と鹿 歌詞より抜粋≫
----------------
逆境に立ち向かう度に挫かれ、転ばされて砂を噛む心。

それでも自問自答を繰り返し、何度でも立ち向かおうとする心が描かれている。

夜露で濡れた芝生も、やがて来る朝日が乾かしてくれる。

その時を今は待つのだ。


----------------
誰も悲しまぬように微笑むことが
上手くできなかった
一つ ただ一つでいい 守れるだけで
それでよかったのに
あまりにくだらない 願いが消えない
誰にも奪えない魂
≪馬と鹿 歌詞より抜粋≫
----------------
何度失敗を経験しても、負けない心はある。

だが、その失敗を笑って誤魔化せるほどの器用さは持ち合わせてはいない。

彼の人間らしい不器用さが、ここでは強く表れている。

その不器用で愚直な人間が持つ魂だからこそ、それは、何にも変えられない揺ぎなく強い信念であり、誰も奪えない崇高なモノなのである。

愚直ゆえの純粋


----------------
何に例えよう 君と僕を 踵に残る似た傷を
晴れ間を結えばまだ続く 行こう花も咲かないうちに
≪馬と鹿 歌詞より抜粋≫
----------------
願いを叶えるために進む仲間の足にある似た傷は、同じ困難に立ち向かってきた証だ。

その証が持つ意味と関係を何かに例えようとすれば、様々な言い方ができる。

しかし、それをすることもなく、彼らは進める場所をただガムシャラに進もうとする。

願いの成就の為に揺れる花、それに付随して生まれる多くの花、その全てが咲こうが咲くまいか、見届けることなく、彼らは必死に走るのだ。


----------------
これが愛じゃなければなんと呼ぶのか
僕は知らなかった
呼べよ 恐れるままに花の名前を
君じゃなきゃ駄目だと
≪馬と鹿 歌詞より抜粋≫
----------------
ずっと手放せずに縋りつく感情の意味が、本当は何なのか。

馬と鹿な自分には分かりそうにもない。

しかし、そこに縋りつきたい願いを守りたい心は本物であり、純粋なモノである。

そして願いの為に生まれた夢という花は、不器用で馬鹿な自分には、何にも変えることができない。

もはやそれは自分を支える全てであり、それ以外に代わりになるものなどない。

だから彼は、その花の名前を呼ぶしかない。

たとえ反発されようとも、たとえ罵られようとも、彼にはその花しかないのだから。

不器用で愚直に叫ぶその名前には、不器用で愚直だからこそ、何も飾ることのない純粋な願いと想いが込められているのだ。

馬と鹿な人間は、決して綺麗とは言い難い、人間らしい純粋さだけを持っている。


----------------
あまりにくだらない 願いが消えない
止まない
≪馬と鹿 歌詞より抜粋≫
----------------
あまりにも強い願いは、他人から見ればくだらないモノに見えるかもしれない。

また自分でも、心のどこかで、どうしてこれほどまで守りたいモノなのか分からなくなるほど、くだらないモノとして映るかもしれない。

だがその願いが、どうしようもなく身体を離れてくれないモノであれば、本当に叶えたいモノであるといえる。

頭で理性的に選ぶ願いには、損得のリスクに応じて簡単に諦めが付くモノが多い。

しかしそのリスクを度外視して、どうしても手放せない願いは、人間というひとつの生き物が本能で選んだ願いなのだ。

その願いには、理性で選んだ願いには無い不思議な力があり、失敗に怯まない強い力に繋がっていく。

不器用で愚直で本能のままに進む馬鹿であることこそ、困難に立ち向える人間らしい純粋な力を手に入れるヒントなのだ。

米津玄師の『馬と鹿』に込められた願いは、ここにあるといえよう。

TEXT 京極亮友

米津玄師よねづけんし(本名)、1991年3月10日、徳島県徳島市生まれ。 2009年5月より、ハチという名前でボーカロイドで制作したオリジナル楽曲をニコニコ動画に投稿しはじめる。中毒性の高い圧倒的音楽センスにより、人気が出はじめる。ハチ時代のブログ「電子帖八番街」で、「enjoy. Award 2009 ···

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米津玄師 最新情報

リリース情報


●2019年9月11日(水) 発売
米津玄師 New SINGLE『馬と鹿』
▷米津玄師『馬と鹿』特設ページ

★ノーサイド盤(初回限定)
価格:1,900円(税抜)
品番:SECL-2493~94
内容:CD+ホイッスル型ペンダント(レザージャケ)

★映像盤(初回限定)
価格:1,500円(税抜)
品番:SECL-2495~96
内容:CD+DVD(紙ジャケ)

★通常盤
価格:1,000円(税抜)
品番:SECL-2497
内容:CD only 

《全形態共通・初回封入》
※初回生産分のみ封入、なくなり次第終了となります。

・米津玄師 2020 TOUR / HYPE チケット最速先行「抽選応募券」

[応募期間]
2019年9月10日(火)10:00〜
2019年9月15日(日)23:59

【収録内容】
[CD]※全形態共通
01. 馬と鹿
02. 海の幽霊
03. でしょましょ

[DVD]※「映像盤(初回限定)」のみに収録
01. 「米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃」LIVE Teaser
・Flamingo
・LOSER
・砂の惑星
・飛燕
・かいじゅうのマーチ
・春雷

・TEENAGE RIOT
・amen
・Undercover
・Lemon
・ごめんね (total 18min)

02. 「海の幽霊」MV

《購入者店舗特典》
・ラバーバンド
※特典は「先着」となり、数に限りがあります。一部の店舗/ECサイトでは特典が付かない場合がございます。ご予約ご購入の際は、特典の有無を必ず店頭/ECサイトでご確認下さい。




●2019年8月12日(月) 配信
米津玄師『馬と鹿』 
▷配信先はこちら

ライブ情報

●米津玄師 2020 TOUR / HYPE

2月1日(土), 2日(日)
和歌山県:和歌山ビッグホエール

2月8日(土), 9日(日)
福井県:サンドーム福井

2月15日(土), 16日(日)
神奈川県:横浜アリーナ

2月22日(土), 23日(日)
広島県:広島グリーンアリーナ

2月27日(木), 28日(金)
宮城県:宮城セキスイハイムスーパーアリーナ

3月7日(土), 8日(日)
三重県:三重県営サンアリーナ

3月11日(水), 12日(木)
大阪府:大阪城ホール

3月17日(火), 18日(水)
埼玉県:さいたまスーパーアリーナ

3月25日(水), 26日(木)
福岡県:マリンメッセ福岡

4月4日(土), 5日(日)
北海道:北海きたえーる

米津玄師 Profile

ハチ名義でボカロシーンを席巻し、2012年本名の米津玄師としての活動を開始。その独特なサウンドメイクをした楽曲の強さと、リアルな言葉の数々は圧倒的で、今の音楽シーンにはない新鮮さを鮮烈に刻み話題に。

2015年リリースの3rdアルバム『Bremen』ではオリコン週間アルバムランキング1位、iTunes週間チャート1位、Billboard Japan週間チャート1位という三冠を達成、2015年度レコード大賞優秀アルバム賞受賞した。

2016年はユニバーサル・スタジオ・ジャパン15周年企画 “やり過ぎ” コラボ、ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」公式イメージソング、佐藤健・有村架純らが主演の映画「何者」の主題歌を中田ヤスタカ×米津玄師として初のコラボレーション作品として発表したりと、多岐にわたる才能を披露した。

同年9月に発売したシングル『LOSER / ナンバーナイン』はオリコン週間シングルランキング自身最高の2位を記録。2017年2月には羽海野チカ原作のTVアニメ「3月のライオン」エンディングテーマを務め、自身初のアニメタイアップとなったシングル『orion』は、iTunesチャートを始め、各配信ダウンロードサイトで軒並み1位を獲得し、配信11冠という快挙を達成した。

6月に発売したTV アニメ「僕のヒーローアカデミア」のオープニングテーマとして書き下ろした『ピースサイン』がオリコン週間シングルランキング2位を獲得。iTunesチャートでもシングル・バンドルと1位を獲得。8月には、初音ミク10周年「マジカルミライ2017」テーマソングとして、ハチ名義の『砂の惑星』を発表し、ニコニコ動画でボカロ最速ミリオンの記録を樹立。

また、映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」主題歌をプロデュースし、『打上花火』DAOKO×米津玄師として発表した。11月には4枚目のアルバム『BOOTLEG』を発表し、オリコン週間アルバムランキング1位、iTunes週間チャート1位、Billboard Japan週間チャート1位を始めウィークリー1位の23冠という快挙を達成。

2018年1月からはTBS金曜ドラマ「アンナチュラル」の主題歌として『Lemon』を書き下ろし“ミリオン”セールスを記録。「第96回ドラマアカデミー賞」にて【最優秀ドラマソング賞】を受賞。日本レコード協会にて「史上最速」の200万DL認定など音楽史に残る記録を残している。

8月には2020年とその先に向けて、頑張っているすべての人たちを応援するプロジェクトの楽曲として小学生ユニットFoorinがうたう「パプリカ」を発表。10/31には両A面シングル「Flamingo / TEENAGE RIOT」をリリース。

表題曲の1つ『Flamingo』Music VideoはYouTube公開から3時間で100万再生突破と自己最速を記録、オリコン週間シングルランキングで1位を獲得。

『Lemon』は発表後、1年を通してその支持が拡大し続け、2018年・年間ランキング各主要チャートを総なめにし、昨年末には紅白歌合戦に初出場、初のテレビ歌唱が話題を呼び、MV4億再生を突破、デジタル・フィジカル合算300万セールス突破と、年度を象徴する楽曲となり、2019年上半期チャートにおいても尚、軒並み首位を獲得している。
 
2019年5月、菅田将暉『まちがいさがし』をプロデュース。6月にはアニメ映画「海獣の子供」主題歌として『海の幽霊』をリリース。首位18冠を獲得し、2019年最大のヒットとなった。

8月には、子供たちの間で最も人気のあるキッズソングとして定着したFoorinがうたう『パプリカ』のセルフカバーバージョンを発表、米津玄師 MV『パプリカ』は、公開より4日と9時間で1,000万再生突破という、今年発表した『海の幽霊』MVの公開から4日と12時間という「自身最速」記録を塗り替えることとなった。

また、MVに関しては、『Lemon』が4億再生と日本人アーティスト初の記録を更新し続けているだけでなく、1億再生が9作品という圧倒的な記録を達成し(『Lemon』『アイネクライネ』『LOSER』『ピースサイン』『灰色と青(+菅田将暉)』『orion』『Flamingo』『打上花火』「パプリカ」)、公式YouTubeチャンネル登録者数は418万人を突破している。

▷米津玄師 オフィシャルサイト
▷米津玄師 公式twitter URL

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