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「ぼくのうた」の歌詞に見える、渋谷すばるのこれから

2002年に8人の関西ジャニーズJr.で結成された関ジャニ∞。時は流れ2018年、彼はグループを去る決意を固めた。歌手・渋谷すばるの独り立ちを象徴する楽曲「ぼくのうた」の歌詞からその心境を探る。
渋谷すばるが関ジャニ∞を脱退、ジャニーズ事務所を退所して一年が経とうとしている。

そんな彼がこの度発表したアルバム『二歳』。その一曲目を飾るのが、今回取り上げる『ぼくのうた』だ。

彼は今何を想い、歌い続けているのか。おそらくその答えはこの曲に込められていると思い、歌詞を読み解いていくことにした。

孤独の再スタート

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もしこの声が聞こえてましたら
ほんの少しだけお時間頂けませんか
もしこの歌が気になりましたら
他の曲もお好きな様に聴いて頂けますか
≪ぼくのうた 歌詞より抜粋≫
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いつもおどけて人を楽しませてきた彼をイメージしながら読むと、ついこの謙虚な新入社員のような歌詞とのギャップに笑いそうになってしまう。

しかし、MVを観ていただければ、どれだけ熱い想いでこれを歌っているのか分かるはずだ。

▲渋谷すばる「ぼくのうた」

未だに関ジャニ∞のイメージが強い渋谷すばる。

ソロ曲等でその歌声を惜しみ無く聴ける機会はこれまでもたくさんあった。

しかし彼が一人で活動していくと決意を固め歩き出そうとしている今、この歌詞は何処となく寂しく、切ない。


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もしこの声に聞き覚えがありましたら
今日までの色んな出来事を聞いてくれませんか
もしこの僕に見覚えがあって興味がありましたら
これからも頭の端っこにそっと居させてくれませんか
≪ぼくのうた 歌詞より抜粋≫
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脱退してからメディアへの露出が少なくなった渋谷。

当然、彼の傍に長年苦楽を共にしたしてきたメンバー達の姿はない。

その孤独感は覚悟の上での脱退だっただろう。

しかし、そこに全く葛藤が無かった訳ではないはず。

それでも、一人でも多くの人に歌を聴いて欲しい、自分の存在を認識して欲しいと切望する彼の心の声が聞こえるような気がする歌詞である。

心機一転、駆け出しのシンガー


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もしこの僕がお役に立てる事があるならば
自分に出来る事は何だってやります
もしこの声を必要として頂けるならば
どんな場所にだって歌を届けに参ります
≪ぼくのうた 歌詞より抜粋≫
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関ジャニ∞時代から、歌唱力に定評のあった渋谷。

いつも中心でグループを引っ張ってきた彼だが、今はさながら駆け出しの新人シンガーである。


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上手い歌は歌えません
上手い歌は歌えません が
良い歌は 良い歌ならば
歌えると思っておりました 以前からずっと
≪ぼくのうた 歌詞より抜粋≫
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批判を覚悟で言わせて頂くと、私は今まで渋谷の歌声が苦手だった。

言葉で説明するのは難しいが、何となく聴き辛い気がしていたのだ。

しかし、彼が一人きりで歌い続ける今、分かったことがある。

彼の歌声には、類い希なパワーがあった。周りを凌駕する力強さがあった。

私は、彼の歌声が嫌いだったのではない。

渋谷すばるの歌声が持つエネルギーに圧倒されていたのだ。

そしてそのエネルギーは、今も健在である。

単純な歌の上手下手の話ではない。人の心を揺さぶる歌を、人の心に届くように想いを込めて歌う。

おそらくそれが彼の言う「良い歌」なのだろう。

歌を、歌わせてあげてください


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歌を歌わせて頂けませんか
歌を歌わせて頂けませんか
色んな事やって来たけど
これで生きていきたいと思いました
音楽に救われて
音楽に絡まって

歌を歌わせて頂けませんか
≪ぼくのうた 歌詞より抜粋≫
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今までの人生のほとんどを「ジャニーズ」として過ごしてきた渋谷。

常に自分を必要とされたその場所に留まっても歌い続けることはできたはずだが、彼は一人離れて歩むことを選んだ。

そこまでして挑みたかった、「歌」の道。

自身の人生を左右し、心の支えとなり、時には苦しめたであろう「音楽」の道。

ここまで「歌」「音楽」に対する想いだけで作られた歌が、今まであっただろうか。

一人、自信を持って道を歩む姿をアルバムにしてファンに届けてくれた渋谷。

どうぞ、自由に歌い続けてほしい。歌わせてあげてほしい。

彼が一人の歌手としてどのように成長していくのか、非常に楽しみである。

頑張れ、すばるくん。

TEXT 島田たま子

1981年、大阪府出身。 2019年よりソロアーティストとしての活動をスタートさせる。同年、ファーストアルバム「二歳」、 2020年、セカンドアルバム「NEED」 2021年にはサードアルバム「2021」をリリース。 2022年には「SUMMER SONIC 2022」に出演。 2023年の第1弾配信シングルとしてリリースし···

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