以前どこかで、お会いしましたか?
----------------「Hello Hello Hello」という言葉から始まるこの曲は、まるでドロスのボーカル川上洋平から直接話しかけられているような感覚に陥る。
Hello Hello Hello
つかぬ事を
Hello Hello Hello
御伺いしますが
Hello Hello Hello
以前どこかで
Hello Hello Hello
お会いしましたか?
≪Adventure 歌詞より抜粋≫
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思い返してみれば、この曲をリリースしたのは[ALEXANDROS]が[Champagne]から改名した直後だ。
そんな、バンドの大きな転機となる時期だったからこそ、挨拶の意味も込めて出した1曲と考えることもできる。
それまでの彼らを応援してきたファンも、新たについたファンも、この「Adventure」という曲で改めて[ALEXANDROS]と出会うことができるということだ。
意味のないものが生み出す意味
----------------ロックバンドは本来自由に表現して良いものだ。
意味のない単語を綴って
言葉を並べた
あるがままに
あるがままに
誰にも言われずに
意味のない音符を伝って
旋律奏でた
ありのままに
ありのままに
風に鳴り響け
≪Adventure 歌詞より抜粋≫
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この曲には、そんなバンドだからこそ作り出すことが出来る無限の可能性がたくさん詰まっている。
「意味のない」といった言葉が歌詞に多く見られるが、「意味のない単語」も綴れば「言葉」となり、「意味のない音符」も伝えば「旋律」となって鳴り響かすことが出来るように、「あるがまま」「ありのまま」表し続ければ一つの形となって刻まれるのだ。
----------------改名に追い込まれてしまったことは、いわばバンドとしての「最大の難題」であり、一つの大きな「災難」であったことは間違いない。
アリトアラユル問題も
タビカサナルそんな困難も
いつだって僕達は
言葉の中身を歌ってきた
最大の難題も
しめつけられるような災難も
いつだって僕達は
君の涙を歌ってきた
≪Adventure 歌詞より抜粋≫
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しかし、ドロスは困難を悲観的に捉えることなく、この大きなピンチを最大のチャンスへと変えてしまう。
「いつだって僕達は」という言葉からは、これまでの[Champagne]の活動を振り返るとともに、改名した後も自分たちの目標や歌いたいこと自体は変わらないというメッセージを、リスナーに伝えているようにも感じられる。
実際に、[ALEXANDROS]となった彼らの人気はますます上昇し、数多くのタイアップを獲得、日本だけではなく世界へはばたくトップバンドの道へと進んでいったのだから、その実力は確実に形となって証明されたと言えるだろう。
そして、その人気を持ってもバンドの軸はぶれることなく中心にあり続けている。
人生もバンドも、どこまでも続く「Adventure」
----------------人生は様々な苦悩や大きな挫折がつきまとい、なかなか一筋縄にはいかないものだ。
晴れ渡る8月の
亜麻色に染まった山脈は
いつだって僕達の
言葉の中身を映してんだ
大胆な作戦で
言葉にならないマスタープランで
いつだって僕達は
君を連れて行く
≪Adventure 歌詞より抜粋≫
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それはバンドも同じで、何年もやっていれば多くの壁がつきまとう。
[ALEXANDROS]はそんな長く果てしない道のりですら「Adventure」、つまり冒険だと表現してしまうのだから、今後待ち受けるどんな試練も楽しんで乗り越えてしまうのだろう。
そう、アドベンチャーゲームで敵を倒して強くなっていくように、バンドも壁を越える度に確実に力をつけていき、さらに先へ進んでいくのだ。
そして、その過程において、ドロスは絶対にファンを置いていかない。
「晴れ渡る8月の亜麻色に染まった山脈」という歌詞からは、どこか自然の多い夏フェスのような景色が思い浮かび、この歌そのものが大きな会場でファンと共に鳴り響いている風景を想像させる。
さらに、「いつだって僕達は君を連れて行く」というという言葉こそ、この先のあらゆる景色もファンである「あなた」と共に見ていきたいという、メンバーからのメッセージであり、約束の言葉ではないだろうか。
まさに、「Adventure」という楽曲は数々の難題を乗り越えてきたバンド[ALEXANDROS]そのものを表しており、これからも「あなた」とバンドを繋ぐ1曲として、もっともっと上の景色で歌われ続けるのである。
TEXT もりしま
[Alexandros]ー東日本ではアレキ、西日本ではドロス。 まるでマクドとマック論争のようにファンの間で愛称が二分される。 2010年インディーズレーベルRX-RECORDSから1stアルバム「Where‘s My Potato?」でデビュー。 リリース後はロックシーンやメディアに大きな衝撃を与え、瞬く間にその名···