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【歌詞コラム】年を重ねるごとに深まる、福原美穂の「優しい赤」色

年を重ねるごとに深まる、福原美穂の「優しい赤」色

公開日:2015年11月24日 更新日:2017年7月11日




「優しさ」とはなんだろう?
怒らないことだと思っている人が大半なのではないだろうか。

しかし、福原美穂は違った。

『優しい赤』は、福原美穂の3枚目のシングルでauのCMソングに起用された楽曲である。
CDの形になってリリースされる頃には、バンド・サウンドでアレンジがされていたが、それまではライブなどでもピアノの弾き語りで披露されていた。
旅立つ決意を描いた楽曲であり、福原が故郷である北海道を旅立つ事を決めた時の気持ちが込められている。

日本人離れした歌唱力に、思わず涙腺が緩んでしまうような歌詞が合わさったこの楽曲。
そこにある優しさは、1日の最後を染める夕日のように心にしみる。

福原美穂「優しい赤」


――――
愛しているよ だから捨てる
優しい場所も君の声も

(中略)

変わらない空 変わり行く雲
私はここで動けずにいた
だからさよなら だから捨てる
優しい場所も君の声も
――――


彼女にとって、故郷がどれだけ大切な場所なのか。
故郷を愛していること、離れがたいと思っていることが、聴いているとよくわかる。
それなのに、優しい場所も自分を呼んでくれる声も捨てる。
初めて聴いた時、大事な物をあっさりと手放しているような感覚が理解できなかった。

しかし、この楽曲は決意表明の楽曲である。
故郷を出て、『私はここで精一杯生きていく』と決めた気持ちは、決心するのに時間がかかったはずだ。

――――
“だからさよなら だから捨てる”
“優しい場所も君の声も”
“行かなきゃ 行かなきゃ 離れたくないよ”
“振り払う心 君が見えなくなる”
――――


居心地の良い場所にずっといれば苦労はないだろうが、成長はできない。
動けないままである事を理解していたからこそ、彼女は全て置いていったのだ。
そうでなければ、ここまで故郷を優しく歌うことはできない。
この楽曲にある優しさは、自身に厳しいのだ。

たとえ、自分の心が泣いていたとしても。
思い描く未来へいく為に。

タイトルの『優しい赤』は「水平線にのびる夕日」から来ている。
夕日は赤を基調とした、激しく燃える炎のような色だ。
触れることを許さない火の色に厳しさを感じるが、温かい生命の色でもある。

見たままで受け取ってしまえばわかりにくいけれど。

年を重ねるごとに深まっていく、伝わっていく優しさだ。

Text:空屋まひろ

福原 美穂は1986年生まれの北海道札幌市出身の女性シンガーソングライター。またアメリカ人のクォーターである。福原が歌手を目指したきっかけは、小学校3年生の時に母からマライア・キャリーの「MY ALL」歌ってほしいと言われ歌ったところ、とても喜んでくれたのがきっかけで歌手になりたいと思っ···

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