B’zのロックに言霊が宿る!
B'zの数ある楽曲の中でも、大人気曲『ultra soul』。この曲のサウンドを聞くだけでも、テンションが底上げされてしまう人がいるだろう…。
音のかっこよさに注目されがちな『ultra soul』。しかし、今回は是が非でも歌詞がロックなところにも着目をしてほしい。
彼らが生み出す極上の音。その音の上で遊ぶように歌詞に敷き詰められたロック魂。これを受け取れることは、本当に幸せだと思う。あぁ、日本人で良かったとさえ思う。
ぜひ、この幸せを読んでくれているあなたにもおすそ分けをしたい。そんな思いを馳せながら、『ultra soul』で表現されたロックな歌詞の世界を紹介してゆく。
人生の真理をハードに歌う
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夢じゃないあれもこれも 今こそ胸をはりましょう
祝福が欲しいのなら 底無しのペイン 迎えてあげましょう
そして戦うウルトラソウル
≪ultra soul 歌詞より抜粋≫
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「夢」に向かって、いつも全力投球できるとは限らない。大きすぎる「夢」を前に腰が引けてしまうこともあるはず。
「夢」を実現する・叶えるということは「夢じゃない」状況を創り出すことだ。
つまり「夢」へのトビラを自分の手で開けなければならない。思い切って、その「夢」が広がる世界に飛び込まないといけない。
短いフレーズなのだが、B’zが語るからこその言葉の重みがある。彼らは自分たちの力で次々と夢のトビラを開けてきた。
たくさんの夢を叶え、険しい道を乗り越えてきたB'zが発するからこそ、このフレーズが胸に響くのだろう。
そして、フレーズの意味をギュッとまとめると「祝福が欲しいのなら、泣くような悲しみや底なしの痛みを受け入れなくてはならない」というメッセージが浮かび上がってくる。
このメッセージこそが、B'zがこの曲で示したい人生の真理だと思うのだ。
私たちは、どうしても「泣くような悲しみや底なしの痛み」を受け入れなくてはならない。
それをしてこそ魂は輝くのだと『ultra soul』は強く訴えかけている。
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夢じゃないあれもこれも 今こそ胸をはりましょう
祝福が欲しいのなら 底無しのペイン 迎えてあげましょう
そして戦うウルトラソウル
≪ultra soul 歌詞より抜粋≫
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底なしのペイン(痛み)を迎え入れ、次々と夢へのドアを開き、誇りを持って戦っていく。
一つのところに留まらない、まさにロックな生き方が描かれている。
そもそも、どんなに成功しても、そこに留まることなく新しい夢に向かって走っている、B'zの生き方そのものがハードロックなのだ。
「ultra soul」はかっこいいだけじゃない!
もう一つ、ぜひ分かち合いたい幸せがある。それは、B'zのロックはかっこいいだけじゃないということ。
確かにB'zは「日本人初」、「アジア人初」と言われるような偉業を次々と成し遂げてきた。
これらが達成できたのは、めまぐるしく入れ替わる音の世界で、常にトップで走り続けてきたからだ。
では、『ultra soul』は、そんな特別なアーティストが作った「特別な世界」を表現しているのだろうか。
先ほどの歌詞をもう一度みて欲しい。
もしかしたら、まだ誰も見たことのない世界の舞台で、日本人アーティストの先頭を切って走るB'zには、先駆者であるがゆえの様々な悲しみがあるのではないだろうか。
そう思わせる歌詞である。
しかし、私たちも同じではないか。私たちだって、まだ誰も見たことのない自分の人生を歩む、先駆者なのだ。だから、様々な悲しみがある。その点においてはB'zと同じなのだ。
この共感ポイントがあるところが素晴らしい。
より一層の世界での活躍を期待されているアーティストと自分との間に共感ポイントがある。
だからこそ、より身近に感じられる。「輝くウルトラソウル」は私たちだって持っているのだ。
B'zのロックはかっこいいだけじゃない。共感できるロックでもあるのだ。
まだまだB'zは止まらない
かつてコラボレーションしたことのある、天才ギタリスト、スティーブ・ヴァイの推薦を受けて受賞した、ハリウッド・ロック・ウオーク。
米ギタリスト、ラリー・カールトンと松本孝弘の共作で受賞したグラミー賞。いまや、B'zは誰もが認める世界規模で活躍する日本を代表するアーティストだ。
B'zは、これからも、まだ誰も見ていない世界へチャレンジし続けるはず。
彼らが示してくれたウルトラソウルを大事に胸にしまい、今後も彼らが羽ばたく姿をずっと追いかけていきたいものだ。
TEXT 三田綾子