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【歌詞コラム】ヒカルと佐為の絆を描いた「Days」。悲しみの先にあるものは

囲碁を題材にした少年マンガ「ヒカルの碁」。今回は、ヒカルと佐為の絆を見事に描いた、shelaの歌うエンディングテーマ『Days』を解説します。ストーリーと見事にリンクした歌詞も見どころです。

公開日:2019年11月12日 更新日:2019年11月12日


この記事の目次
  1. ・「ヒカルの碁」陰の主役・佐為
  2. ・永遠だと思っていたあの頃
  3. ・出会うはずのなかった2人
  4. ・もう戻れないから、愛しい日々
  5. ・佐為≑ヒカル
TOP画像引用元 (Amazon)


「ヒカルの碁」陰の主役・佐為

「ヒカルの碁」を語る上で外せないのが、主人公の進藤ヒカルと平安時代の天才棋士・藤原佐為の絆です。

囲碁の勝負に負け、悔しさを抱いたまま命を絶った佐為と、囲碁に全く興味のないごく普通の小学生・ヒカルとの出会いが、物語を動かしていきます。

幽霊に取り憑かれる少年という設定なら他の作品にもありそうですが、囲碁を絡めたストーリーが斬新でした。

囲碁を扱いながらも、きっちりとヒカルの成長物語になっていて、少年マンガという本筋から外れないところも見事です。

画像引用元 (Amazon)

物語の主軸は、ヒカルが囲碁に目覚め、その才能を開花していく点にありますが、実質的に物語のメインに据えられるのは佐為だともいえます。

美しい見た目と、棋士としての威厳、かっこよさ、そして子供のような可愛らしさで、女性読者を魅了した、最も人気の高いキャラクターともいえる佐為。

そんな佐為は、ヒカルを囲碁の世界に導き、「神の一手」へと導いていく存在でありながら、友達のような関係でもあり、一言では言い表せない特別な絆で結ばれています。

永遠に思われた佐為に突然時間の波が押し寄せ、やがてヒカルの前から姿を消してしまう過程で、ヒカルと佐為は様々な感情に翻弄されます。shelaの歌う『Days』はまさに、別れの時を前に葛藤するヒカルと佐為を描いた曲だといえます。

言葉で説明するよりも確実に、見る人・聴く人の心に突き刺さる歌詞を読み解いていきましょう。

永遠だと思っていたあの頃

----------------
つらい想い出とか
いくつあったのかな?
どんな楽しい日を
これからは
大切にしていくのかな?
≪Days 歌詞より抜粋≫
----------------

人生を生きていく中で、楽しい事ばかりでなく、時には投げ出したくなるような辛い事もあるものです。けれど、辛い事があるからこそ、楽しい事を何倍にも幸せに感じられるもの。

辛い過去ではなく、楽しい事をどんどん増やしていきたいという思いが込められた歌詞はまさに、ヒカルと佐為の関係を彷彿させます。

囲碁に興味がなく、幽霊である佐為にも警戒していたヒカル。そんなヒカルが囲碁のプロになるまでに成長していく裏には、間違いなく佐為との信頼関係がありました。

ヒカルだけでも佐為だけでもなく、2人がそろって初めて、目を見張るような成長を遂げる事ができたのです。

出会うはずのなかった2人

----------------
同じ時代を今
生きてる奇跡が
すごくうれしいからね
次あう日もきっと ねぇ
一緒に笑っていようよ
≪Days 歌詞より抜粋≫
----------------

アニメでこの楽曲が起用された頃には、佐為にはすでに時間がなく、やがて消えゆく運命である事が分かり始めた時期でした。

永遠だと思っていた時間が、有限であるという事実。そして、プロになったヒカルと違い、佐為自身が囲碁を打てる機会が損なわれつつある事。

この事が、佐為から笑顔を奪い、余裕を奪い、冷静さを奪っていく様は、見ていて辛いところです。


苦しい思いを強いられ、ヒカルや現世との別れを突きつけられる佐為ですが、そもそもこの2人は、出会うはずのない人間でした。

平安時代から平成までの時代を飛び越えられたのは、皮肉にも、佐為が自ら命を絶ち、碁盤に宿る幽霊になったからです。

ヒカルと佐為が一緒にいる事がまさに「同じ時代を今生きてる奇跡」なのです。

もう戻れないから、愛しい日々

----------------
久しぶりに古い
アルバムひらいたよ
少しやせたのかな?
ちょっとずつ 大人にねぇ
なってきたかな?
やけた肌を見せて
歩いてた あの頃
スニーカーふみながら
走ってたね 君と
いつも いつも
≪Days 歌詞より抜粋≫
----------------

2番は「ヒカルの碁」の世界観とはリンクしませんが、過ぎ去った日々を懐かしく思い返し、愛しく思う気持ちには通じるものがあります。学生時代でしょうか。今よりも日焼けしていて、毎日が駆け抜けるように忙しく過ぎていったあの頃。

アルバムを眺めながら「そうそう」と思い出す時間は温かく、同時に少し切ないものです。ヒカルも、佐為を失った時にはひどく取り乱し、泣きじゃくり、佐為の痛みに気付かなかった自分を激しく責めてしまいました。

しかし、時が過ぎれば、佐為がいなくなった事も、自分の囲碁の中に佐為が生きている事も分かってきます。冷静になれば、佐為に会う方法が囲碁を続ける以外にない事を理解するのです。


その頃には、ヒカルはもう泣いていません。ただし、佐為を忘れる事はないのです。アルバムをめくった途端に懐かしい想い出が蘇るのは、その人の中に、その出来事や人が生きているからです。

ヒカルの中にも、確かに佐為は生きていて、それはアルバムではなく、囲碁を打ち続ける事で永遠に生き続けるのです。

当たり前に続くと思っていた日々が終わってしまう儚さと、心の中には生きているという温かさを見事に歌い上げているといえます。

佐為≑ヒカル

----------------
明日を夢見て
輝いてた日々
忘れてないよ 今も
出会えた事 全てが
偶然じゃない気がするよ
これから先も ねぇ
新しい想い出
沢山つくりたいね
今度はどんな夢を
一緒に語りあうのかな?
≪Days 歌詞より抜粋≫
----------------

若手棋士の中でも天才的な才能を発揮し、ヒカルをライバル視している東家アキラは、出会った頃のヒカルに佐為を見ています。鋭い観察眼や勘には脱帽しますが、実際ヒカルは徐々に佐為に近づいていきます。

佐為が消えたあとのヒカルと手あわせをしたアキラは、最終的な答えとしてヒカル=佐為ではなく、ヒカルの中に佐為がいるという結論に辿り着きました。

佐為は消えてしまいましたが、ヒカルと過ごした2年の間に、ヒカルの碁の中にしっかりと息づいていました。

この出来事のあと、ヒカルは夢の中で佐為と再会し、佐為が囲碁を打つ時に使っていた扇子を譲り受けます。これが、本当の意味での佐為との別れになりました。

しかし同時に、佐為がヒカルに宿った瞬間でもあるのです。


「明日を夢見て輝いてた日々」は佐為と共に、囲碁の高みを目指していた時期。素人だったヒカルが、囲碁部で、院生で、メキメキと腕を上げ、あっという間にプロへの道を駆け上った日々です。

ヒカルは、もう2度と佐為と会う事はできないのでしょう。もう未来や夢について語る事も、現代での新しい想い出を作る事もできません。けれど、佐為がヒカルの中に生きている事は確かなのです。

いずれヒカルはもっと強くなり、塔矢アキラと並んで、囲碁界を引っ張っていく若手棋士になるでしょう。そういう意味では、ヒカルが佐為と並び、アキラが出会った佐為と重なる日は、そう遠くないのかもしれません。

このように見ていくと、『Days』は初代オープニングテーマの『Get Over』にも並んで、「ヒカルの碁」の世界を見事に描き出しているのです。ぜひとも「ヒカルの碁」のエンディング映像と合わせて聴いて欲しい、名曲中の名曲といえます。

TEXT 岡野ケイ

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