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【歌詞コラム】年齢を重ねるごとに増す魅力。安全地帯「悲しみにさよなら」が胸に響く理由

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1985年に大ヒットを記録した、安全地帯の9th『悲しみにさよなら』。リリースから30年以上経った今も愛され続ける名曲だ。歌声も、サウンドも、時を重ねるごとにさらに深みが増す。名曲を完成させる最後のピースは「人間味」なのだと思う。

公開日:2019年11月17日 更新日:2019年11月17日


この記事の目次
  1. ・大人の色気が魅力「安全地帯」
  2. ・ミュージシャン 玉置浩二
  3. ・時代が玉置浩二に追いついた
  4. ・身体にも心にも響く歌声
  5. ・シンプルな歌詞だからこそ胸に響く
  6. ・年齢を重ねるごとに増す魅力
  7. ・安全地帯 最新情報
  8. ・リリース情報
  9. ・安全地帯 Profile

大人の色気が魅力「安全地帯」

クールな大人の色気をまとう実力派バンド。それが、当時の「安全地帯」のパブリックイメージだった。

そんな彼らの「幅」をさらに広げてゆくきっかけとなった楽曲こそ『悲しみにさよなら』である。

今回は、筆者が実際に体感した「玉置浩二の歌声の魅力」についても触れながら、楽曲のもつ魅力を伝えたい。

ミュージシャン 玉置浩二


かつて玉置浩二を「日本一過小評価されているミュージシャン」だと評した音楽家がいた。

玉置にはいわゆる“お騒がせ者”のイメージがついていたし、全盛期には全盛期で、女性ファンからはまるでアイドルのような声援を浴びていた。

たしかに「ミュージシャン」としての実力が置いてけぼりになっていた感は否めない。

時代が玉置浩二に追いついた

それが今では「日本一歌が上手いアーティスト」であるとの声も聞かれるようになった。

しかし、玉置浩二はなにひとつ変わっていない。

今も昔も、身体すべてが音楽で出来ているような、ギターと音楽と仲間が大好きな少年のままだ。

時代がようやく、玉置浩二に追いついたとしか言いようがない。

身体にも心にも響く歌声


玉置浩二の歌を初めてホールで聴いたとき、身体が震えたのを覚えている。

ささやくような優しい声も、どこまでも突き抜けるロングトーンも、玉置から放たれる歌声のすべてに表情がある。

彼の歌声は、心の琴線に触れる。

3階席のすみっこで見ている私にも、目を合わせ呼吸を合わせ、音楽を届けてくれているような気がした。そんな、ひとときの夢をみられた。

どれだけ広い会場においても“たったひとり”に届く歌を歌う。

玉置浩二はそういうシンガーだ。

純粋で、愛が深くて、まっすぐな人間であるからこそ、傷ついたこともあったことだろう。歩いてきた人生のすべてが玉置の歌声を優しく、強くしている。

玉置浩二という人間が、少年のようなほほえみを浮かべ、ギターを抱えて楽しそうに歌っている。ただそれだけで、涙があふれてくるのだ。

シンプルな歌詞だからこそ胸に響く


井上陽水のバックバンドとして鍛え上げられた本格派サウンドと、バンドが放つ大人の魅力。

色気のある恋や燃え上がる愛を歌うボーカル。それが世間が思う「安全地帯」だった。

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もう 泣かないで
ひとりで
ほゝえんで みつめて
あなたの
そばにいるから
悲しみに さよなら
ほゝえんで さよなら
愛を ふたりのために
≪悲しみにさよなら 歌詞より抜粋≫
----------------
『悲しみにさよなら』は、それまでの安全地帯のシングルレコードとは一線を画す存在であったといえる。

今だからこそ、優しいメロディラインや、散りばめられたスパイス的なコード、ラストに繰り返す壮大な転調は「玉置らしい」といえるが、当時のリリース路線で考えるとやはり異端な存在だ。

『ワインレッドの心』『マスカレード』『恋の予感』といった名曲が作り上げた「安全地帯」というパブリックイメージからの脱皮を図ったチャレンジ曲であったのかもしれない。

それでも、安全地帯が初期から持っていた神秘的な音の響きは一貫している。決して、サウンド面の方向転換ではないことが分かる。

そして『悲しみにさよなら』が持つ普遍的なメロディこそ、安全地帯が目指していたものだとかつて玉置自身が語っていた。


----------------
夢にまで涙が
あふれるくらい
恋は こわれやすくて
抱きしめる 腕の
つよさでさえ なぜか
ゆれる心を
とめられない
≪悲しみにさよなら 歌詞より抜粋≫
----------------
『悲しみにさよなら』は、たしかに恋の歌だ。

恋や愛がかなわない切なさは、作詞家・松井五郎も、玉置浩二も、いくつもの楽曲にしたためてきたはずだ。

しかし『悲しみにさよなら』には、明確なストーリーは描かれていない。あくまでキーワードが与えられているだけで、解釈は聴き手に委ねられている。

だからこそ何年経っても、どんな恋にも愛にも重ねることができる。共感力のある言葉のセレクトは、さすが名作詞家のテクニックだ。


----------------
悲しみに さよなら
ほゝえんで さよなら
ひとりじゃないさ
泣かないで ひとりで
その胸にときめく
愛をかなえられたら
≪悲しみにさよなら 歌詞より抜粋≫
----------------
『悲しみにさよなら』で描かれる愛、そして「悲しみ」は、恋愛にとどまらない。

生きていれば、悲しみは幾度も訪れる。『悲しみにさよなら』は、どんな悲しみのなかにいても、いつも寄り添ってくれる楽曲だ。

“ひとりじゃないさ”
玉置浩二が歌うこの言葉に、いったいどれほどの人が励まされたのだろう。

年齢を重ねるごとに増す魅力


リリース当時の『悲しみにさよなら』といえば、玉置がスーツのポケットの片手をつっこみながら、クールに淡々と「上手い歌」を歌っていたようにも思う。
しかし、あれから30年以上の時が流れた。いま玉置が歌うのは、ただ上手い歌ではない。魂に響く歌だ。

メンバー全員が60代を迎えたとはとても思えないほど、安全地帯の超実力派サウンドは健在である。

個人活動も精力的に行い、今年は『安全地帯 IN 甲子園球場「さよならゲーム」』の開催も決定した。

安全地帯のサウンドは、これからさらに深みが増していくことだろう。なんたって、彼らそれぞれが持ち寄った人生のスパイスが加わるのだから。

バンドは、続けること自体が難しいと聞く。

安全地帯にも、我々が知る以上の紆余曲折があったかもしれない。

それでも、5人で「安全地帯」。5人が、5人で音を楽しんでいる。

年齢の分だけシワを重ねた彼らの笑顔は、最高にかっこいい。

“生粋のミュージシャン”である安全地帯。70、80歳になってもずっと、5人の音を聴かせてほしい。

TEXT シンアキコ

玉置浩二(Vo/Gt)、矢萩渉(Gt/Ba)、武沢豊(Gt)、田中裕二(Ds)、六土開正(Ba/ Key)の五人組ロックバンド。六土開正以外は皆、北海道旭川市出身であり、六土開正も北海道の稚内市出身である。1982年に歌手井上陽水のバックバンドとしてツアーを一緒に回っていた。そして安全地帯のデビュー曲···

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安全地帯 最新情報

リリース情報

●2019.11.13発売
ALL TIME BEST「35」〜35th Anniversary Tour 2017〜
LIVE IN 日本武道館

日本コロムビア/BETTER DAYS

★Blu-ray
価格:8000円(税抜)
品番:COXA-1185

★DVD
価格:7000円(税抜)
品番:COBA-7138-9
内容:2枚組

2017年にデビュー35周年を迎えた安全地帯のアニバーサリーツアー「ALL TIME BEST『35』〜35th Anniversary Tour 2017〜」から伝説と言われている日本武道館での公演を完全収録、ドキュメンタリー映像を収めたBlu-ray&DVD同時発売が決定。円熟味と瑞々しさが混ざり合った珠玉のステージを余すことなく堪能出来る内容となっている。

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