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フラワーカンパニーズの「深夜高速」が胸を打つ理由

「フラワーカンパニーズ」は、愛知県名古屋市出身の4人組ロックバンド。ライブを精力的に行い『感情七号線』や『元少年の歌』といった名曲を数々生み出したことで知られる。

人々に愛される「深夜高速」


フラワーカンパニーズは、2019年で結成30周年を迎える。

いわゆる「大御所バンド」や「ベテランバンド」と呼ばれてもおかしくないキャリアを積んでいるが、飾ることのない歌詞やライブが魅力だ。

中でも2004年に発売された16枚目のシングル『深夜高速』は、代表曲といっていいほどの人気を誇る。

フラワーカンパニーズを知らないという人でも『深夜高速』は聴いたことがあるかもしれない。

2009年にコンピレーションアルバムとして『深夜高速 -生きててよかったの集い-』が発売され、泉谷しげるや斉藤和義といったアーティストらがカバーしたことでも知られている。

そんな人々を引き付けてやまない『深夜高速』の歌詞を、一つ一つ見ていきたい。

若いからこその不安と高揚感


『深夜高速』というタイトルからも見られるように、全体を通して「暗闇」を感じる曲だ。

といっても、どんよりとした、鬱々とした曲というわけではない。

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青春ごっこを今も 続けながら旅の途中
ヘッドライトの光は 手前しか照らさない
真暗な道を走る 胸を高ぶらせ走る
≪深夜高速(Live Version) 歌詞より抜粋≫
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「手前しか照らさないヘッドライト」は、明日や明後日というほんの少し先の未来でさえも見えない、不安定な現状を暗示しているように感じる。

さらに「真暗な道」という、先が見えない未来や孤独さを感じさせるワードが登場する。

それなのに、どこかそんな状況を楽しむような高揚感が伝わってくるのだ。

若さゆえの無謀さや愚かさが、不思議ときらめいて見えるフレーズだ。

年を取るということ


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年をとったらとるだけ 増えていくものは何?
年をとったらとるだけ 透き通る場所はどこ?
≪深夜高速(Live Version) 歌詞より抜粋≫
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曲を聴く者をどきっとさせてしまうようなこの問いかけも、また胸に刺さる。

年齢を重ねて得られるものは何なのだろうか。生きていくためのスキルか、人生経験か、社会的地位か。

それと反比例するように、失うものもあるのではないか。

そんな命題を突き付けられるような気持ちになる。


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十代はいつか終わる 生きていればすぐ終わる
若さはいつも素裸 見苦しい程ひとりぼっち
≪深夜高速(Live Version) 歌詞より抜粋≫
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さらに印象的なこちらの歌詞。「十代はいつか終わる」というフレーズからは「早く十代を脱したい」という想いと「いつまでも十代のままでいたい」という想い、どちらとでも取れるように感じる。

「早く大人になりたい」と焦る気持ちと「いつまでも子どものままでいたい」という気持ちは、矛盾しているが誰しも同時に抱いたことはあるだろう。

「生きててよかった」というフレーズ


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生きててよかった 生きててよかった 生きててよかった そんな夜を探してる
生きててよかった 生きててよかった 生きててよかった そんな夜はどこだ
≪深夜高速(Live Version) 歌詞より抜粋≫
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『深夜高速』の中でも最も耳に残るこのフレーズ。

「生きててよかった」という言葉だけ切り取ればなんともポジティブなのに、実際は違う。

「そんな夜を探してる」や「そんな夜はどこだ」と続くことで、やはり暗闇の中から抜け出せないでいる姿が浮かび上がる。

いつまでも若者でいたいけど、大人になりたい。暗闇の中を走りながら、そんな状況を挑むような気持ちで楽しんでいる。

そんな矛盾した気持ちを抱えている様子そのものが「若さ」を象徴しているのではないだろうか。

歌詞は「生きててよかった」のリピートで締められる。

「生きててよかった」と昔を振り返って笑っているのか、それとも「そんな夜を探している」のか。

それは曲を聴いた人それぞれの人生に委ねられているのだろう。

TEXT つちだ四郎

名古屋が生んだ“日本一のライブバンド”フラワーカンパニーズ。通称フラカン。 Vocal:鈴木圭介、Bass:グレートマエカワ、Guitar:竹安堅一、Drums:ミスター小西の4人組。1989年、地元の同級生によって結成され、95年メジャーデビュー。6枚のアルバム&12枚のシングルをリリース後、2001年メジ···

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