andropとは
2008年に結成されたバンド、androp。2011年にはメジャーデビューを果たし、2014年には国立代々木競技場第一体育館でのライブを開催し、1万人を動員しました。
2016年には初のベストアルバムとなる『best [and/drop]』をリリース。
andropの楽曲はとにかく優しくて柔らかくて美しく、洗練された音楽という印象を与えます。
「androp」というバンド名は、「聴く人にとって生活の中で寄り添うような音楽であってほしい」という思いが込められた「and」と、「喜怒哀楽を意味するもので、涙は形の無いものだけど、どの感情でも出てくるもの」である涙の「drop」を組み合わせた造語となっている、と過去のインタビューで語られています。
その名の通り、彼らの音楽は心の深い部分に寄り添ってくれます。
andropのおすすめソングをご紹介
Koi
2019年2月27日にリリースされた『Koi』は、高橋一生と川口春奈がW主演を務めた映画『九月の恋と出会うまで』の主題歌に起用されました。
映画は松尾由美の同名小説を原作とした、時空を超えたラブストーリー。
過去と未来に、そして運命に翻弄されながらも、愛する人を一途に想う純愛が描かれた作品となっています。
----------------
物語が僕を拒んだって
誰かが運命を定めたって
会いに行くよ
どこにだって
探し続けるよ
出会えた頃とまた同じように
恋するよ
≪Koi 歌詞より抜粋≫
----------------
『Koi』はこの映画のために書き下ろされた楽曲で、主人公の一途な恋心を歌い上げた歌詞は大きな反響を得ることとなりました。
運命に抗ってでも手に入れたい恋。決められた物語に逆らってでも守りたい大切な人。
純愛を描いた映画にもぴったりの、力強く美しいラブソングです。
Bright Siren
ストロボを使ったPVが印象的な『Bright Siren』。
なんとこのPVはCGを一切使わずに、250台ものカメラを並べて、光をプログラミングで制御することによって作られました。
重く歪んだサウンドから始まり、Bメロから一気に視界が光に包まれるような、幻想的な雰囲気が広がります。
ラスサビの転調の美しさは鳥肌もの。
1stフルアルバム『relight』に収録されている楽曲で、他の曲とはまた少し違った雰囲気のandropを味わうことができます。
Voice
日本テレビ系のドラマ『Woman』の主題歌に起用された『Voice』。
リリースされたのは2013年8月21日で、前作から約1年ぶりのシングルとなりました。
----------------
今 誰の代わりもいない君の 生まれた声を聞かせてよ
どこにも代わりのいない君の 生まれた声で歌ってよ
≪Voice 歌詞より抜粋≫
----------------
----------------
君がいる世界なら
もうずっと離れないから
夢も嘘も愛も闇もずっとずっと忘れないでよ
≪Voice 歌詞より抜粋≫
----------------
たくさんの声が集まる光景を想像させるようなサビ。
ドラマ『Woman』はシングルマザーの主人公が数々の苦難を乗り越える物語となっており、andropがドラマの主題歌を手がけたのはこれが初。
Aメロからベースのテクニックが光り、聞き手をグッと引き込みます。
愛する子どものために、どんな状況でも立ち上がり、命をかけて愛する存在を守る。
そんな女性の姿を描いた物語であるドラマ『Woman』。
愛するものの存在、そしてそれを何があっても守っていくと誓う心を歌詞に描きながら、ライブでは観客と一体になって歌えるような、andropとして表現する音楽の要素も盛り込まれた1曲となっています。
Ghost
フジテレビ系のドラマ『ゴーストライター』の主題歌に起用された『Ghost』。
この楽曲のテーマは『本当の自分』となっており、”ゴーストライター”を題材としたドラマの世界観が見事に歌詞に描かれています。
----------------
ふっと流れた涙に滲むアイライン
そっと流れた涙に嘘はない
ずっと演じ続けている私
笑って影を消したんだ
≪Ghost 歌詞より抜粋≫
----------------
隠す本音、嘘の笑顔、堪えた涙。
自分の本当の思いとは、本当の”自分自身”とは何なのか。
それを見失ってしまっているかもしれないこと自体を突きつけてくれるような楽曲です。
イントロの美しいメロディーが印象的で、静かな中にも燻るような感情が感じられ、力強くもどこか切なくて儚い歌声に魅了されます。
End roll
2012年12月5日にリリースされた2ndフルアルバム『one and zero』に収録されている『End roll』。
テレビ朝日系の『musicるTV』の11月度のエンディングテーマに起用された楽曲で、PVに長澤まさみが出演していることでも話題になりました。
映画の終わりなどに流れる”エンドロール”。
終わりをイメージさせる言葉ではありますが、ボーカルの内澤崇仁はこの『End roll』という楽曲について「ひとつの”終わり”から、その先に繋がる”始まり”を歌った曲」であると語っています。
暗闇の中だからこそ見出だすことのできる光もある。
終わりは何かの始まりに繋がっているというメッセージの込められたこの楽曲に、多くの人が力をもらっているのです。
まとめ
andropの音楽は感傷に浸らせてくれるというか、いい意味で心を悲しませてくれる音楽だと思います。目まぐるしく過ぎていく毎日の中では、たとえどんなに辛いことがあってもすぐに朝が来てしまって、悲しみきる暇もなく笑顔を張り付けてやり過ごさなければならないことも多いのではないでしょうか。
そんなときに、andropの音楽は悲しみ損ねた心をちゃんと悲しませてくれて、放置されて化膿してしまった傷を癒してくれるのです。
明るく元気づけてくれる曲の魅力もあれば、andropの曲のように自分の心の素直な部分に触れてくれることで力をもらえる。
そんな音楽もあるのだな、と教えてくれる存在です。
TEXT ぽんつ