部屋の片付け中に昔の写真見つけたら終わりな件
──逆に『大切な色彩(いろ)』はたくさんの方が制作に携わっているようですが、これはどのように制作をすすめられたんですか?chay:電話で(笑)。
もちろんお会いしたりもしたんですけど、レコーディングの日にちが迫っていたりとかもしていたので、夜な夜な電話で「もっと、ここはこうしたいんです」とか、「いや、でもこうしたほうがいいんじゃない?」「私はここをこう言い換えたい」とか、ディスカッションしながらやりました。
──やっぱり、富士フィルムのキャンペーンソングということで、それを意識した作詞をされたような?
chay:そうですね。「『一瞬』止めて。」も「『青春』止めて。」も、ちょっと写真を意識して。
──ちなみにchayさんご自身、学生の頃の写真とかって見返したりされます?
chay:します。部屋の片付けをしていて、見つけたらもう一生片付けが進まないパターン。
──女子あるあるじゃないですか、これ(笑)!
chay:やばーい!とか言って、めっちゃ見ちゃいます(笑)。
そういう写真を見て「ああ、昔に戻りたいな」とかっていうよりは、このときの自分が今の自分の背中を押してくれているって、よく思うので。すごくいいもんだなぁと思います、写真って。一瞬一瞬を切り取るって大事なことだなって。
──楽しいときこそ、けっこう写真撮るの忘れがちだけど、やっぱり残しておきたいですよね。
chay:やっぱり人の記憶は限界があるので、形に残すっていうのは大事かなと思って。
写真で1枚手に取るだけで、そのときに話していた内容とか笑い声とか匂いとか、寒かったとか暑かったとか、色々思い出すじゃないですか、鮮明に。
そういうものを『大切な色彩(いろ)』では書けたらいいなと思って。
──『大切な色彩(いろ)』の歌詞を書くにあたって、chayさんご自身の昔の写真でイメージしたものってありました?
chay:やっぱり親友とひたすら変顔してる写真とか。見返したら信じられないぐらい変顔ばっかりで普通の顔がなくて(笑)。くだらないことで爆笑してたな、とか。でもそれって大人になってからじゃ、なかなかできないことじゃないですか。なんであんな些細なことで笑い転げられたんだろうと思いましたね。
──この曲を聴いて、そういう忘れかけていた昔の自分を思い出してみたいですね。
chay:そうなると嬉しいです。
今の年齢だからこそ歌える『砂漠の花』
──続いて触れさせていただきたいのが、『私が私になるために』。chay:これはソフトボール世界選手権2018のテーマソングでの書き下ろしなんですけど。
──2018年ということは、昨年からできていたんですね。ライブとかでは披露されているような?
chay:ううん、したことないんですよ!だからこれは楽しみ。実はライブで1番楽しみにしている曲で。
「♪Wow~」って掛け声ので、そこを、みなさんと一緒に歌えたらいいなって思っています。
──それ大事ですね!インタビュー見てくださった方はよろしくお願いします!続いて『砂漠の花』について。『砂漠の花』はタイトルからは想像できなかったようなメロディだったんですけど、chayさんが曲を受け取った時の印象はいかがでした?
chay:けっこう私もイントロからびっくりしました。いい意味で裏切っていただいて。
もともと松尾潔さんと川口大輔さんのタッグの楽曲のファンだったので、念願叶ってお二方に制作していただけた曲なんです。なのでせっかく作っていただけるなら、今までのchayにない新しい世界を見せていただける曲を作ってください、っていうオーダーをさせていただいて。
こう来たか!っていう感じはあったんですけど、すごく嬉しくて、流石だな、と思いました。
──”今までのchayにない新しい世界”というものを表現するにあたって、レコーディングで苦戦したこととか、印象に残っていることってありますか?
chay:この曲は松尾さんと川口さんもディレクションしてくださったんです。今まで無意識にやっていた言葉の最後を吐息交じりで抜いちゃう癖だったりを細かく見てくださったり、曲の最後に、止まってから転調する部分を「そこはもっとエモーショナルに」とか色々アドバイスをいただけて。
特に今まで自分が書いてきた曲って、割とサビで張り上げて歌うような曲が多かったんですけど、今回AメロもBメロもサビもそんなに高低差がないので、どこで感情をピークに持っていくかとか、強弱のつけ方みたいなことが、すごく難しかったです。
──歌詞についてですが、結局「砂漠の花」ってなんなのか、chayさんはどう捉えてらっしゃいます?
chay:男女がすれ違っていく切ない気持ちっていうのを、本来咲かない砂漠に咲く花に例えているっていうのが、流石松尾さんだなと思う。
しかもキャッチ―だし、1回聴いたら忘れられないので、私には到底書けない内容ですね。今の年齢だからこそ歌える楽曲だなと思いました。
──『砂漠の花』からも歌詞が1番好きな箇所を伺っていいですか?
chay:「ときめくだけならば それは恋」「愛とは許すこと」っていうのが1番、自分もハッとさせられましたね。
オトナ女子の本音!『ブーケの行方』
──私が今日触れさせていただきたかったのが…『ブーケの行方』。めちゃめちゃ可愛いなと思ったんですよね!chay:ありがとうございます。これに触れてくださる方は初めてです!
──だって友達の結婚を祝う曲って世の中にたくさんありますけど、実際思ってるのこういうことじゃないですか!?私だけ(笑)!?
chay:これは、すごくセンシティブな問題なんじゃないかと思って、書いたあとに、リリースするべきものなのかは割と悩みました。
きっと、みんな1度は思ったことのある…まぁみんなじゃないな。20代後半で、特に結婚されていない方とかは思うことなのかな、と思って書いたんですけど。
──これは絶対思う!
chay:ああ、よかった...。
──親友でも「おめでとう」ってもちろん本気で思うけど、どこかしらでやっぱり羨ましさから思うことはありますもん。それが私だけじゃなくてこうやって曲になると、自分だけじゃなかったって思える。勇気のいる告白ですよね。
chay:良かった。
──リアルで素直なところがすごく好きなんですが、こういう曲を書こうと思ったきっかけは何か?
chay:まさに同級生の友達が集まると、よくこういう話をしているのを見て面白いなと思って書きました。
──やっぱり大人女子あるあるといった感じなんですね!
chay:そうですね!
──chayさんの理想の結婚聞いてもいいですか?
chay:結婚には味覚と体感温度が一緒な人がいいって聞いたことがあって。好きな食べ物とかもそうなんですけど、体感温度ってなるほどなって思って。私すごく寒がりで末端冷え性なんですけど、暑がりと寒がりが共同生活って、けっこうキツいと思っていて。なので、体感温度が一緒な人がいいです(笑)。
──条件はそれだけですか!?
chay:あとは、たわいのないことで笑い合える、ふざけ合える人がいいです。運命的な出会いの曲をよく書くんですけど、運命的な出会いというよりは、本当によく知ってからのほうが、私は安心できるタイプです。意外と。
──それは面白いですね。自分の理想と書く曲が違ってくるのはどうしてですかね!?
chay:なんでですかね。運命にときめくってすごく乙女心特有の気持ちじゃないですか、そういう気持ちはすごく可愛くて好きなので、書きたくなるんですけど、実際は…(笑)
──確かに私もその感じわかります(笑)。ありがとうございました。