本人インタビューに加え、ゲストにはヒャダイン、岩崎太整を迎えて徹底的に分析していきます。
関ジャニ∞が、音楽のプロを迎えトークを繰り広げる番組「関ジャム 完全燃SHOW」。今回は11月17日の内容をお届けします!
作曲はどのように行う?
一つ目の質問は作曲方法について。椎名林檎は作曲している時にはギリギリまで楽器に触らないと語ります。
「本物の楽器に触れてしまうと、手癖と同じように楽器にイメージが引っ張られる」と答え、作り始めたらイントロを意識することが多いそうです。
「その曲たらしめる印象的なリフが一番重要、お客さんの日々のツイートを調べたりして発想を得ることがメイン」とも語ります。
匿名の掲示板で育った世代なためか、ネットで書かれたお客さんの本音を見たいと語りました。
横山はこのインタビューを聞いて「SNSとかそういうのに左右されないイメージだった」と言い、他のメンバーも同様の感想を持っていました。
他とは違う独特の世界観を持った楽曲なのでかなり意外な作曲方法でした。
獣ゆく細道の難解なBメロ
ヒャダインをもってしても「Bメロは何が起こっているのかわからない」と言わしめる「獣ゆく細道」という楽曲、これについてスタッフは椎名林檎に直接インタビューしました。
椎名林檎は「冒頭で出てくるこの世は無常という言葉が、生きている上で我々に巣くってくる不安感や心もとなさ、そういう象徴として不安を煽るコードを使っています。己の中のもう一人の自分、相手役に歌わせるというのを音楽的にやってみたかった」と語ります。
「Bメロは相槌をいれるための構成にしています。この世は無常という言葉はあたまとからだに繋がる常に付きまとう不安役としてフレーズとコードが役割を果たしている」と続けました。
椎名林檎の回答にヒャダインは「予想の斜め上」村上も「相槌のためにBメロつくるのは意味わかんない」とコメントを残します。
丸山は椎名林檎の大ファン過ぎて「俺のコメントは無駄。次聞きたいから」と色々と言葉にならない様子で横山から「なんでおんねん」と突っ込みがはいりました。
丸ノ内サディスティックの劇薬コード進行
岩崎は「このコード進行は危険。劇薬なので正しい用法用量を知ったうえでの使用がマスト。どんな曲でも聴き心地が良くなるのでかなりの覚悟と理知的なものが必要」とコメントを残します。
さらに岩崎は「このコード進行は勝手にジゴロ進行と呼んで取り締まってる。4つのコードをループするとすべからく良い曲になってしまいます。どんなかっこよく見えても確固たるものがないと借り物になってしまう」とも続けました。
実際にジゴロ進行を使っていると思われる名曲は数多く存在し、ヒャダインと岩崎はジゴロ進行に合わせて、コードは引き続けたまま次々に曲を変えていきました。
あまりにも滑らかにつながるコード進行に会場は驚きを隠せませんでした。
村上も「これのコンピレーションアルバム出せるってことですね!?」とコメントしました。
このコード自体がいいからこそ、岩崎はこのコードを使って良い曲にするのは本当に難しいと訴えました。
インタビューの中でも椎名林檎は「ありきたりなコードでも工夫して使っている」と言っており、ジゴロ進行を使う難しさを認識しているからこそ成り立っていることが分ります。
人生は夢だらけの転調について
人生は夢だらけでは転調の距離と共通音の使い方が非常に上手く、滑らかに転調が為されています。
転調する時に被った音を使う事によって違和感が無いように工夫がなされています。
ヒャダインも「転調は戻るのが難しい。メロディが進んだ時に行く事は簡単、しかしこの曲は一回寄り道の転調をすることで戻りやすくしている」とコメント。
椎名林檎は「あんまり考えないようにしている。人の曲は分析的に聞いちゃうけど、意識しない方が上手くいくような気がしている。でもたまにはここで何度転調する作りのヤツやってみたいなとか考える事もある」
「気にし過ぎると一番重要なことが書けてない気がする。楽理を気にして聴いてらっしゃらない女の子たちが自然に寄り添って、人生のサントラになってて欲しい」とコメントを残しました。
ロバート秋山は「昔対談した時に椎名さんは自分の楽曲をスーパーのBGMみたいにしたいと言っていました。聴こうとして聴くんじゃなくどこも目立つわけでもなく普通に音楽として入って来る感じがと行っていました」とコメント。
ヒャダインは「作曲家ならこの転調は気持ち悪いからやらない。でも椎名さんはそれをやっても楽理としてもなりたっているのがエグい。普通はムリ」とコメントを残します。
椎名林檎が影響を受けた音楽
「子どもの頃両親や兄がかけていたものが一番大きい。ふとした時に出てくる、バレエ音楽ですね。どれが好きというよりかは踊り側の肉体の躍動に必要な訛りが私にとって重要なんじゃないかなと」「ワルツを書くんですけど、時計で管理してない訛りを残したモノをポップスとしてラジオから流れるように持っていきたい。そういうところがあります」とコメントしました。
支配人の古田は「バレエ音楽はストーリー性が高いことが椎名林檎の音楽性あっているのではないか」
アルバムを通して曲間がないことについて
音楽家としては本来なら、余韻を持たせたいと考える曲間を入れない点を岩崎は指摘しました。
インタビューでは椎名林檎は「女の子たちの人生のサントラだから。女の子たちのツイート見てると、上司に嫌な事言われて一気に落ち込んだり、生理とかで自分の内なる勝手なバイオリズムと合致して帰ってこられないとかよくある」と答えた。
男性とは違う、女性は余韻なく急に明るい気持ちから、暗い気持ちへと動くということを訴える椎名林檎。
「そういう所をリアリティーをもって書きたい。彼女たちのせわしない日々に寄り添う。機微や趣のない殿方のことは知った事じゃない」と語りました。
椎名林檎の大好きな曲トップ10
20代~50代に聞いた、椎名林檎の大好きな曲1位 本能
椎名林檎最大のヒット曲。リリースから20年が経った今でも、新鮮さがあるメロディーと構成。
2位 丸ノ内サディスティック
多くのアーティストにカバーされる人気の楽曲
3位 歌舞伎町の女王
4位 ここでキスして。
5位 ギブス
6位 罪と罰
7位 獣ゆく細道
8位 NIPPON
9位 人生は夢だらけ
10位 目抜き通り
今回の放送のまとめ
また、椎名林檎のスゴさは女の子たちの意見を盛り込み、自分にとっても人にとっても良くなるように努力し続けていることでした。岩崎は楽曲の独特さから派手さを感じるが、計算された構成や、歌詞で作られている椎名林檎は音楽よりも「建築家」と表現しました。
不思議な曲になっているのも、まさに本能でメロディを作っている面と技術的な実力があるからこそ出来る芸当だと思います。
難しさと聴きやすさ、そして心に響く音楽を作れる椎名林檎の特集でした。
番組概要
関ジャム完全燃SHOW放送:11月17日(日)23:10~0:05(一部除く)
朝日放送:2019年11月18日(月) 1:55 ~ 2:55
■出演者
出演者:関ジャニ∞
支配人:古田新太
アーティストゲスト:ヒャダイン、岩崎太整
トークゲスト:秋山竜次(ロバート)、emma
進行:弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)
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TEXT こがさいし