伊藤千晃の2019秋ファッションは?
──今回のビジュアルまわりのこだわりというか、ファッションであったりメイクもそうですけど、そこについても伺っていいですか?
伊藤千晃:ナチュラルな自分を見せていきたいっていう変わらない部分もありつつ、本当に今着たいものを着て、やりたいメイクをやってという素の部分が出てると思います。
私は洋服とかの素材とかも気にしてしまうタイプなので、今回もこだわっています。なので、このディテールとかシルエットとか素材とか質感だったり、色の対比も見てほしいなって、ジャケ写、アー写、そして『brand new』のミュージックビデオとかにも全部共通して言えるところですね。
──今年の秋はこのビジュアルを参考にしたいですね。
伊藤千晃:本当に、私のファンの子、若い方も多いので、細かいところに気づいてほしいんです。
さっきの自分探しの話じゃないけど、自分には何もないって思うんじゃなくて、何か見つけてみようかって思ってもらいたい。その何かって本当に細かい小さなことでもいいからっていう意味でも、私の作品の中の細かいこだわりを発見してくれた時に「もうちょっと物事をよく見てみよう」って思ってもらえるように、そういうメッセージもちょっと入れてはいるんですよね。
──「なんかいいなあ」「なんか好きだな」っていう感覚の「なんか」が何なのかみたいな。
伊藤千晃:そう、何なのかっていうのを、もう1つ踏み込んで考えてみる。それがきっと本当に楽しくなってくるから。
もう本当に可愛いなんていっぱい世の中に溢れているので、どこが可愛いの、何が可愛いの?って1つ見つけてみるのってそんなに難しくないけど楽しいことだと思うので。前向きにみんなにも考えてみてほしいですね。
──そういうところをご自身で発信していける伊藤さん、やっぱりすごいですね。
伊藤千晃:いやいや、もう本当に悩みました(笑)。アルバムを作るのって、こんなに難しかったっけ、って思うくらい。
──一応ファーストアルバムってことになりますもんね、今回。
伊藤千晃:そうですね、本当に。ファーストアルバムはたった1回しかないので。1回立ち止まって作ってよかったなって思います、今は。
──収録曲は新曲含め、これまで配信でリリースされてた曲もたくさん入っていますけど、曲順はリリース順ではないですね。何かこだわりがあって、この曲順にされたんですか?
伊藤千晃:これはスタッフさんと相談して決めさせていただいたんですけど、やっぱりリードとなる『brand new』を最初に持ってきて、「伊藤千晃は今これがやりたいよ」っていう意思表示から、聴きやすい順番に一応落とし込んで行きました。
──耳馴染み、みたいなところを第一に。
伊藤千晃:ちょっと聴いてて気持ちいい感じで。最後はやっぱり明るく終わりたいなっていうので、トラック09なんですけど『Wa・Ta・Shi』っていうものを持ってきて、最後にちょっとボーナストラックとして、『New Beginning』のNew Versionを持ってきてみました。
──『New Beginning』のNew Versionっていうのは?
伊藤千晃:Rearrange Versionという感じで、ちょっとバンドっぽい感じの、力強い曲に生まれ変わっていますね。ほんとに今年はバンドさんと一緒に音楽やらせていただいて、自分の中でもものすごく成長と発見があったので、それを本当に今だからこそ入れられる曲として『New Beginning』をバンドVersionで届けられたらなと思って作ってみました。
いらないものは捨てて心にスペースを。『brand new』
──『brand new』では「思い出が 微笑ましくなるよ」って歌詞にある通り、少し前の自分に贈るメッセージという印象を受けました。伊藤千晃:そうですね、ちょっと恋愛的な感じにも落とし込んでいるんですけど、恋愛だけじゃなく自分の状況に当てはめて聴いてほしいメッセージです。
自分の気持ちの余裕がなくなれば、そこに新しいものを入れることって不可能なので、自分のこの気持ちをいっぱいいっぱいにしちゃっている余計なものを捨てようよ。っていうところを感じ取っていただけたら嬉しいです。
──伊藤さんが不要なものを断捨離する時って何をきっかけに踏み切れますか?
伊藤千晃:いやあ、私もなかなか捨てられないです(笑)。すぐ捨てられないし、すぐ乗り越えられないし、めちゃくちゃむしろ引きずるし。
でも、やっぱり時間が解決するものって大きくて、何か刺激を受けていくうちに少しずつ消化できることとか、本当にあると思うので、この曲もそういう刺激にというか、”5分前より気持ちが晴れた気がする”って歌になってほしいですね。
──めちゃめちゃわかります。『brand new』で「捨てちゃえば」って言われることによって、捨てるための心の準備を始められるってあるのかもしれない。
伊藤千晃:私も客観的に見てくれる友達とかに「でもあなたに必要ないじゃん?」って言われたときに「待って、私は必要あると思ってたんだけど。」って返したけど、「じゃあ、何が必要あるの?言ってごらんよ。」って言われたときに「えっと・・・」ってなるくらいのものって結局やっぱり必要なかったりしたんです。
例えばそれって自分のこと傷つける”人”だったり”仕事”だったり、人によって様々だと思うけど、「わかるけど 必要ないかもね。」っていうサビの歌詞とか、”でも捨てた分、新しい何かが絶対待ってるからさ。”っていう曲を通してのメッセージで提案をしてあげるような寄り添い方ができたらなって。
──メロディーも生活の邪魔をしない曲調ですね。
伊藤千晃:そうなんです、本当に寄り添う曲にしたくて。本当に何かやりながらでも聴ける曲だからこそ、なんか気づいたときには自分の隣にいてくれていた、みたいな。そういう存在感でいたかったんですよね。
──歌詞に鈴木まなかさんだったり、作詞家の方が入ってらっしゃいますけど、どういうふうにやりとりされたというか、どういう作り方をされたんですか?
伊藤千晃:今回はけっこう新しいかたちで、実際にもうスタジオに入って話し合いながら作詞していきました。「こうじゃない、ああじゃない。」っていうことを、本当に女子会みたいに話し合いながら、いろいろ気持ちを落とし込んでいった感じです。本当にそれこそ、私だけの気持ちじゃなく、まなかさんだったり、かな多さんだったりの気持ちとかも落とし込んだ歌詞になっています。
──『brand new』は伊藤さんプロデュースの新しいブランドのイメージソングってことですね。
伊藤千晃:そうなんですよ。今回、ライフスタイルブランド、『KIKI AND DAYS』というものをプロデュースさせていただいたんですけど。本当にみんなの生活によりそえるアイテムを今いっぱい作っています。
やっぱりファンの子たち、すごく私のファッションとか、ライフスタイルとかにも興味を持ってくれてる方が多いので、そういった方たちとかにまず向けながら、「こういうのあると便利だよね」っていうものを『KIKI AND DAYS』で提案していきたいなっていう。
──伊藤さんの、こうだったらいいな、こういうのがあったらいいな、が詰まってるようなアイテムっていうことで!
伊藤千晃:はい、「私これ好き♡」っていうのが、わかりやすく。(笑)
──この曲のコンセプトというか、音の感じとブランドのコンセプトがめちゃめちゃドンピシャで合っているんですね。「いつもあなたのそばにある、その人の生活によりそうもの」
伊藤千晃:もうこのブランドを立ち上げると同時に、この曲とかも作り始めていたので。そこをちょっと寄り添わせていただきました。