瀬戸内海を渡るアイドル!STU48とは?
STU48は2017年3月に誕生した、国内グループ6番目のAKB48の姉妹グループです。
他の48グループとは違い、瀬戸内エリア7県を拠点としていて、劇場公演も船上劇場「STU48号」というSTU48専用の船舶にて行われています。
現在STU48は、キャプテンの岡田奈々(AKB48兼任)や、シングル3作連続センターの瀧野由美子を中心とする第1期生、ドラフト3期生、そして今年行われた第2期生オーデション合格者により構成されています。
第2期生オーデションでは、公式特設ツイッターの最終候補者に関するツイートに、ファンが「いいね+リツーイト」することによって決めるという方法を採用。25名が第2期生としての加入が決定しました。
2017年5月に広島市にてお披露目が行われ、同月に発売されたAKB48の48thシングル『願い事の持ち腐れ』のカップリングに、初のオリジナル楽曲『瀬戸内の声』が収録されました。
STU48の波乱と栄光の航路
2018年1月にキングレコードより、『暗闇』でメジャーデビュー。
7月には2ndシングルの発売、また夏には船上劇場のオープンを予定していましたが、西日本の豪雨により延期になりました。
同年行われた「AKB48 53rdシングル 第10回世界選抜総選挙 ~世界のセンターは誰だ?~」では、第4位に岡田奈々、第74位に瀧野由美子、第99位に石田千穂がランクイン。
2019年2月、念願の2ndシングル『風を待つ』を発売。4月には船上劇場「STU48号」がオープンし、「Go! Go! little SEABIRDS!!」公演がスタートしました。
シングルは3作連続でオリコン週間ランキング1位を獲得し、2018年に行われた「第60回日本レコード大賞」では、「最優秀新人賞」にノミネートされました。
STU48と成長を共にした楽曲3選
「瀬戸内の声」
作詞は秋元康、作曲は井上トモノリによるSTU48のデビュー楽曲です。
AKB48の48枚目のシングルのカップリング曲として収録され、選抜メンバーは16名、センターには瀧野由美子が抜擢されました。
美しいピアノイントロが始まるこの曲は、1番のBメロからストリングスが入り、2番からはドラムやギターなど楽器が増えていきます。
その演奏は、夜明けの瀬戸内海に朝陽が昇っていくような壮大さを想像させます。
MVは岡山県瀬戸内市の黒島ビーナスロードを中心に、選抜メンバーが瀬戸内7県の様々な場所にて撮影を行われました。初めてのMV撮影に望む、初々しい彼女たちの表情にも注目です。
瀬戸内の美しさを存分に表現した『瀬戸内の声』とそのMVは、壮大な未来に向けて出航するSTU48のではビュー楽曲としてふさわしいのではないでしょうか。
「暗闇」
作詞は秋元康、作曲は坂道グループや他の48グループの楽曲制作に関わっているaokadoが担当しています。STU48のメジャーデビューシングルの表題曲です。
ミドルテンポの心に染みるバラード曲であり、『瀬戸内の声』のような壮大さも備えつつ、暗闇というタイトルからも連想させる不安の要素も感じられます。
イントロとアウトロの主旋律はピアノが奏でていますが、イントロでは不安を、アウトロでは希望を奏でているような印象を受けるメロディです。
MV撮影は愛媛県の大三島と伯方島で2日間かけて行われ、学生服を着た彼女たちの今や将来に対する不安や希望への葛藤を描いた作品になっています。
闇夜の瀬戸内海を眺めるセンターの瀧野から始まり、最後には朝焼けが照らす瀬戸内海へ走っていく『暗闇』は、楽曲もMVも美しい作品となっています。
「大好きな人」
作詞は秋元康、作曲は斉門が担当している3rdシングル『大好きな人』は、歌謡曲のような懐かしいメロディーとキャッチーなサビが印象的な楽曲です。
撮影は「STU48号」で行われ、ファンクラブで募集して集まった約500名のエキストラが参加しました。
選抜メンバーには卒業を予定していたメンバーを含めた全28名が選ばれ、STU48としては始めての全員選抜の楽曲となっています。
1番はSTU48号の車両甲板、2番は船内の劇場内で撮影され、この日集まったファンと共に1つのMVを作り上げる様子は、全員選抜にふさわしい一体感を思わせます。
特に2番の劇場内での撮影では、メンバーが行うサビのウェーブに合わせてファンが青色のサイリウムを振っており、その様子はまるで「瀬戸内海の波」のようです。
可愛らしさだけではなく、メンバーの切なげな表情にも注目MVになっています。
STU48は広大な海へ舵を切る!
STU48の進んできた航路は決して穏やかなものではなかったでしょう。
デビューから約2年の間に8人が卒業し、CD発売や船上劇場完成の延期など、まさに荒波を乗り越えてここまで来ました。
しかしそんな荒波を乗り越えてきたSTU48だからこそ、日本レコード大賞「新人賞」受賞や、CDオリコン週間ランキングで3作連続1位獲得、そして全国ツアーを行えるほどに成長してきたのだと思います。
キャプテンの岡田奈々は3rdシングル『大好きな人』のMVに対して「今までのSTU48のMVの中でもすごく洗練されている」とコメント。
この楽曲とMVはSTU48の1つのターニングポイントであり、これまでの集大成となった楽曲なのではないでしょうか。
これからも成長し続けるSTU48から目が離せませんね!
TEXT 桶木英明