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King Gnuが描いた、未来を担う人々の勇姿「飛行艇」

新しい時代の先頭に立ち前進していくような音楽性と、人々をそのグルーヴの渦へと飲み込み鼓舞する歌詞。大躍進の止まらないKing Gnuが『飛行艇』に乗せ、共に飛び立つものとは一体何だろうか。

社会へ投げかけるメッセージ


2019年の夏にKing Gnuが発表した『飛行艇』は、彼らの楽曲の中でも特にキャッチーで躍動感のある楽曲として知られている。

先日開催されたラグビーW杯会場のBGMとして使用された際、楽曲を手掛けた常田大輝(vo,gt.)が喜びのツイートを上げていたことが記憶に新しい。

大勢の観客達が彼らの音楽に合わせ、心を一つとしている。おそらくこの光景は、彼らの理想とする『飛行艇』の使われ方に限りなく近かったのだろう。

その歌詞へ込められた意味と、人々を巻き込む渦の中心となるものを探っていきたい。
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どんな夢を見に行こうか
正しさばかりに恐れ戦かないで

自由自在に飛び回って
ステップ・バイ・ステップ
ビートを刻んで
果ての無いパーティーを
続けようか
≪飛行艇 歌詞より抜粋≫
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重低音が印象的なイントロから紡がれるメッセージ。これから始まる未来への期待に溢れる様子だろうか。

窮屈で堅苦しく感じてしまう現代社会の空気の中、正しい行いをしなければ叩かれるのではないか、という恐れもある。

しかし、それを必要以上に恐れる必要は無いのだという。皆で自由に飛び回り、盛り上がっていく世界。それこそが、彼らの理想なのだろう。


「生」を鼓舞する歌詞

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代わり映えしない日常の片隅で
無邪気に笑っていられたらいいよな

無意味な旅を続けようか
ワン・バイ・ワン
一歩ずつでいいさ
歓声も罵声も
呑み込んで
≪飛行艇 歌詞より抜粋≫
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何の意味も持たないまま、ただ流れていってしまうようにも思える平凡な日常。しかし、全く歩みを進められていないはずはない。

少しずつではあるが、日々の経験は全てより良い未来へと進むための糧になっている。そのためならば、自分へ向けられる称賛も罵倒も、すべて受け入れられるのだろう。

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大雨降らせ
大地震わせ
過去を祝え
明日を担え
命揺らせ
命揺らせ
≪飛行艇 歌詞より抜粋≫
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自分に言い聞かせるように、周囲の人々を次々に巻き込んでいくように、楽曲が盛り上がる中静かに繰り返されるフレーズ。

想像してみてほしい。大勢の人々が未来への期待を募らせ、大地を躍動させる。今まで世界を紡いできたすべて人々の過去が称賛され、新たな世界への展望に胸を震わせる。

一人一人が担う未来。それが集まったとき、我々はまた新たな世界へと躍進していけるのだ。

とんでもなく大きなエネルギーと、それにより突き動かされていく社会。大変スケールの大きな表現だが、巧みな言葉で歌詞に表されていることが分かる。

爆発するエネルギー


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この時代に飛び乗って
今夜この街を飛び立って
大空を飛び回って
命揺らせ 命揺らせ

この風に飛び乗って
今夜台風の目となって
大空を飛び回って
命揺らせ 命揺らせ

貴女の期待に飛び乗って
今夜この羽根で飛びたくて
この大空を飛びたくて
命生まれ 命生まれ

この風に飛び乗って
今夜名も無き風となって
清濁を併せ呑んで
命揺らせ 命揺らせ
≪飛行艇 歌詞より抜粋≫
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何度も繰り返されるサビは、この渦へ巻き込んだ人々の多さと、それにより生じた大きなエネルギーの権化のようだ。

社会で解き放たれ爆発したエネルギーは、きっとこれからの未来へ繋がる大きな希望となり得る。皆で新たな世界へ飛び込もうと邁進する様が感じられるフレーズだ。

一人でじっくりと聴くのも良いだろうが、仲間と共に叫びながら拳を振り上げたくなる一曲である。今後のKing Gnuのライブステージでも、大いに盛り上がることだろう。

きっとこの楽曲は、未来へ向かって突き進む人々へのエールと、それを目指し走る「今」を共に生き抜こうというKing Gnuの意志を示しているのだ。

TEXT 島田たま子

東京藝術大学出身で独自の活動を展開するクリエイター常田大希が2015年にSrv.Vinciという名前で活動を開始。 その後、メンバーチェンジを経て、常田大希(Guitar/Vocal)、勢喜遊(Drums/Sampler)、新井和輝(Bass.)、井口理(Vocal/Keyboard)の4名体制へ。 SXSW2017、Japan Nite US Tour ···

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