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こっそり聴きたくなる恋の唄、Salyu「HALFWAY」

オレンジ・デイズ、空から降る一億の星などドラマの脚本家で有名な北川悦吏子。 恋愛ドラマのヒット作を連発した“恋愛の神様”である彼女の初監督作品となったのが「ハルフウェイ」である。


オレンジ・デイズ、空から降る一億の星などドラマの脚本家で有名な北川悦吏子。
恋愛ドラマのヒット作を連発した“恋愛の神様”である彼女の初監督作品となったのが「ハルフウェイ」である。
キャストに北乃きい、岡田将生、成宮寛貴と豪華キャストで制作された今作に描かれるのは10代の恋愛模様。
リアルを追求した結果、ほとんどのシーンがアドリブによって構成されている珍しい作品でもある。

この映画の主題歌を担当したのが、各方面で評価が高い女性ボーカリスト:Salyu(サリュ)
歌声の評価は実に様々で、今作でプロデューサーを務めた岩井俊二は「素晴らしい音色の楽器に思えた」と語っている。
その空にも届きそうな歌声は、1度聴いてしまえば忘れられない。


映画の主題歌となった『HALFWAY』は、Salyuの11枚目のシングル。
リリースの際には、「コルテオ~行列/HALFWAY」と表記されている。
10代という不安定な心情に寄り添うような内容で、映画を観た人はシーンを思い返す楽曲と言える。
その歌声に、優しく語りかけられているように感じるかもしれない。

Salyu「HALFWAY」

――――
どこで めぐり逢えるかな
あの日 夢見た季節を
冬の光に泳いでいたふたり
(中略)
あなたの夢もあなたの声も
あなたのしぐさも覚えてる
ずっとずっと…。でもね
あなたの心のドアの鍵を持てたら
もし持ってたなら今でもふたりは…。なんてね、ごめんね。

――――

この楽曲の面白いところは、彼女とも彼氏ともどちらの心情でも共感できるところにある。
恋愛をテーマにしてしまうと、普通なら片方の気持ちに行きがちになってしまうからだ。
ほんの1部の歌詞だけだと彼女よりな気がしてしまうが、最後まで聴くと彼氏の気持ちも詰まっている事がわかる。
お互いを想っていながらも、すでに過去の話になってしまっているのが歌詞に切なさを帯びている。

“でもね あなたの心のドアの鍵を持てたら”

“もし持ってたなら今でもふたりは…。なんてね、ごめんね。”


仮定の話でしかないながら、変わっていたかもしれない未来。
けれど、終ってしまった恋の話をしても相手を困らせてしまうだけ。
それが、“なんてね、ごめんね”に込められている。

“ホントはあの時泣いてる君の今 その君の未来ごと”

“抱きしめてれば…。できずに、ごめんね”


彼女がそう想っている一方、彼も思い返している事を彼女がわかっていれば…と、ここまで聴くと思ってしまう。
まるで、恋愛ドラマを見ているようで楽曲ながら2人の今後を考えずにはいられない。

過去の恋愛を思い返すのは、なんだか答え合わせに似ている。
お互いの答案用紙を確認し合いながら、問題を思い返すみたいに。
映画と楽曲のタイトルともなっている『HALFWAY(ハルフウェイ)』
本来は「ハーフウェイ」と読み、映画にてヒロ(北乃きい)とシュウ(岡田将生)が英語単語の勉強をしている際に、ヒロが読み間違えたことから来ている。

英語で「途中」という意味になるこの楽曲。
相手の心はまだ答え合わせの途中かもしれない。

こっそりと覗き見る気持ちで大切にひも解いて聴きたいものだ。


TEXT:空屋まひろ

Salyu 1980年10月13日横浜市生まれ。 2000年、音楽家・小林武史のプロデュースによりデビュー。 映画「リリイ・シュシュのすべて」(岩井俊二監督)の音楽プロジェクトにLily Chou-Chouとして参加。 2003年、Yuka Honda、Sean Lennonと共に「SHADY」ほかを制作。2004年、Ilmari×Salyuとし···

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