JUJUの隠れた名曲ラブソング
2013年に発売されたJUJUの25枚目のシングル『守ってあげたい』は、「ゆず」の北川悠仁が作詞・作曲で参加しており、編曲は亀田誠二が担当しています。翌年に発売されたオリジナルアルバム『DOOR』では最後を飾る楽曲として収録されています。
包み込まれるようなストリングスが特徴的な美しい音楽に「守ってあげたい」という女性の愛情が描かれた歌詞が感動的な心の温まるラブソングです。
映画『すべてはあなたに逢えたから』の劇中歌としても使われた楽曲です。
特別なことはしなくていい。日常の中に溢れる愛の歌
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何にも言わずに 手を繋ごう
風に流れる雲 眺めながら
いつもよりも 少しゆっくり歩こうよ
≪守ってあげたい 歌詞より抜粋≫
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愛する人と過ごす時間というのは特別なものです。
だからこそ何気ない日常の一瞬一瞬を、二人のかけがえのない時間として刻んでいこうという歌詞には優しい愛情を感じます。
恋愛において「守る」というと、男性が女性を、という絵を想像してしまいます。
それは男性の方が力が強いなど、性別的役割に縛られた考え方のせいかもしれません。
確かに物理的に守るのは男性の方であることが多いかもしれませんが、考えてみると男性も女性に守られていることに気付きます。
安心して仕事ができたり、毎日を過ごせたり、精神的な面や生活的な面では女性に守られていると実感する場面が多いのではないのでしょうか。
自分が自分らしくいれる、自分らしくいさせてくれているのは、実は愛する人が守ってくれているからなのかもしれません。
愛とは色々あるけれど
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巡り合えた時から 二人の運命は 一つになった
≪守ってあげたい 歌詞より抜粋≫
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愛する人に出会うということは簡単なことではありません。
違う人生を歩んでいた男女がある日、出会って恋に落ちるというのは奇跡的なことではないでしょうか。
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大切なものは ひとつでいい
≪守ってあげたい 歌詞より抜粋≫
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だからこそ、本来重なり合うはずのなかった別々の人生が重なりあうということは、お互いの人生にとってかけがえのない出来事であり、大切なものだといえるでしょう。
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通り過ぎる季節を 並んで歩くように 重ねていこう
≪守ってあげたい 歌詞より抜粋≫
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愛し合う二人とはいえ、すべてを理解し合うことはできず、時にはすれ違うこともあります。
多くの時間を共に過ごしているうちに、許せない部分を見つけたり、お互いに素直になれなかったり、誤解し合ったりしてしまうこともあるでしょう。
「それでも同じ歩幅で並んで歩いていこう」という女性の優しさには、深い愛情を感じます。
人は誰かに愛に支えられて生きている
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どんな道を選んでも 振り向けばいつも わたしがいるから
≪守ってあげたい 歌詞より抜粋≫
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人は産まれてからずっと誰かの愛に支えられて生きています。
愛するということは人間にとって普遍的なテーマでありながらも、答えのない難しいテーマでもあります。
愛情の表現として、高価なものをプレゼントしたり、特別なサプライズをすることはとてもステキなことです。
しかし、本当の愛とは相手の決断を尊重し、そっと支えていけるようなものなのかもしれません。
JUJUの『守ってあげたい』はそんな愛を感じさせてくれる一曲です。
TEXT 桶木英明