多くの快挙を成し遂げた彼女
子役から芸能界で生き残っていけるのは、ほんの一握り。更にそこからアーティストとして成功する人は、どれくらい稀な存在なのでしょうか。
子役時代から人気を獲得しながらも癌を発症してしまい、家族やファンのサポートを受けながらオーストラリアのアーティストのトップに君臨した女性がいます。
彼女の名前はデルタ・グッドレム。
医師の許可を得て出席しながらも史上初の7部門9つの賞のARIA Awardを獲得し、イギリスのシングル売り上げトップ10に複数の曲がランクインする偉業を成し遂げ、2003年に発売したファーストアルバム『Innocent Eyes』は29週間売り上げ1位を記録しました。
それはオーストラリア人の女性アーティストの中でも最長記録だそうです!
ちなみにARIA Award(ARIA Music Awards)とは、オーストラリアの音楽業界の優れた作品を称える目的で作られた音楽賞のことで、オーストラリア版グラミー賞のようなものです。
それがすべて命に関わる病気の治療中の出来事だというのだから、本当に驚いてしまいますよね。病状が落ち着いて来てからの彼女はセラピー代わりに次々とヒット曲のレコーディングを行い、遂には癌を完治させるに至ったそうです。
そんな不屈の歌姫・Delta Goodremの『Innocent Eyes』の歌詞を見てみましょう。
Innocent Eyes
--------------------------------
* I miss those days and I miss those ways
When I got lost in fantasies in a cartoon land of mysteries
In a place you won't grow old in a place you won't feel cold and I'll sing
** Da da da da da da da da da da da da
Seems I'm lost in my reflection
Da da da da da da da da da da da da
Find a star for my direction
Da da da da da da da da da da da da
For the little girl inside who won't just hide
Don't let me see mistakes and lies
Let me keep my faith and innocent eyes
≪Innocent Eyes 歌詞より抜粋≫
----------------
[日本語訳]
あの日々とあの頃の自分が懐かしい
夢中だったわ ファンタジーや
神秘に満ちた空想の世界
子供のままでいられる場所
寒さも感じずに私は歌うの
長考し過ぎてたみたい
道標を見付けなきゃ
私の内側から飛び出そうとしている女の子の為に
間違いや嘘なんて見たくない
無垢な瞳で自分の信念を保つの
----------------
この詞を書いた当時、恐らく彼女は病床で色んなことに考えを巡らせていたのでしょうね。家族との思い出や、幼少時代のこと、あるいは、元気になった後のこれからのこと…。
自分の培ってきた経験を、正直に歌手活動に活かして行きたいといたう信念が、ひしひしと伝わってきます。そしてその信念が、彼女の病気を打ち砕くひとつの薬となったのではないでしょうか。
無垢な瞳で立ち向かう強さ
かつては病床に伏していた彼女も、病気を克服してから来日したことがありました。「笑っていいとも」に出演し、タモリにカウボーイハットをプレゼントしたり、JUJUとのコラボ曲を製作したり。
2006年には、松下奈緒主演映画「アジアンタムブルー」の主題歌をデルタが担当した縁で、松下奈緒のピアノ伴奏で歌ったことがあるというのですから、日本とは結構縁があるようです。
放射線治療により髪が抜け落ちた時は、「ショートヘアーは初めてだから楽しいかも」とポジティブ思考でネガティブな面を乗り切ったというデルタ。
病というのはどんな病気でもとても辛いものです。ですが、辛いときほど幸せになるための道標を見付け、無垢な瞳で立ち向かって行くことが重要なのかも知れません。
TEXT rie-tong