危険な香りの中毒曲!
2017年3月22日に公開された『フィクサー』は、ぬゆりによって作られたボカロ曲で、歌唱ボーカロイドはflowerです。
なんと『フィクサー』は、公開後1か月を待たずに10万超えで殿堂入りした大ヒット曲で、2017年開催の「ニコニコ超パーティ2017」のトレイラーでも使用されました。
2018年7月30日に、ニコニコ動画の再生数が100万を超え、伝説入りを果たしています。
ちなみに「VOCALOID伝説入り」とは、ニコニコ動画で100万再生を達成したVOCALOID曲に贈られるタグのことです。
『フィクサー』(英:fixer)の意味は、「正規の手続きを経ずに事件などを陰で調停・処理して報酬を得る人」のこと。
そのまま「フィクサー」として使われることも多いですね。
たしかに、時に黒幕とも訳され、表に出ずに暗躍する『フィクサー』のイメージのように、歌詞からもメロディからも危険なにおいがします。
『フィクサー』はイントロの格好良さから心が奪われますよね。
色気と危険な香りが漂い、引き込まれる魅力があります。
「パッパッパッパリラ」が頭から離れなくなる、中毒性の高い楽曲です。
ぬゆりはインタビューで「『フィクサー』は、スネアを使わずにキックとハイハットのループばかりで作ろうと思ってできた曲でした。」とコメント。
『フィクサー』は、ぬゆりの楽曲の中でもジャズ感が色濃く出ていて、コード感もかなりおしゃれな仕上がりの楽曲になっています。
カラオケランキングでも、ぬゆりのボカロ曲の中で最も順位が高く、その人気がわかります。
『フィクサー』は、2017年12月29日発売の、ぬゆりの4thアルバム『plotoplan』に収録されています。
歌・曲・アレンジ…ぬゆりの才能!
『フィクサー』の作詞作曲者であるぬゆりは、2012年から活動するボカロP兼シンガーソングライターです。
現存する楽曲の中で一番古いのは2012年7月27日に投稿された「アンキャッチ」ですね。
もともとは「ヌルット」でデビューし、その後「ぬるり」に変更してから、現在の「ぬゆり」名義になりました。
2016年、鏡音リンオリジナル曲『DE-Pression』で投稿から2年越しで、初のVOCALOID殿堂入りを達成。
2017年の『フィクサー』で、完全に人気に火がつきました。
シンガーソングライターでもあるぬゆりは、『フィクサー』も自分で歌って動画にあげています。
自分で作った曲を自身の解釈で歌っているからか、なんだか歌詞に重みを感じますね。
ぬゆりは『フィクサー』の他にも『フラジール』、『命ばっかり』など数々のビッグヒットを生み出しています。
ぬゆりの作る楽曲は、どこか神経をなでるようなメロディと、なにかしら焦燥感を感じさせる歌詞が特徴ですね。
この独特の不安定な世界観こそが、ぬゆりの魅力と言えます。
また、ニコニコインディーズでもインスト楽曲を投稿しており、2017年に『coffin』がニコニコインディーズ殿堂入りを果たしました。
さらに、「ずっと真夜中でいいのに。」の話題曲『秒針を噛む』ではアレンジも手がけ、その才能をいかんなく発揮しています。
3つ紹介!おすすめの「歌ってみた」!
『フィクサー』は「歌ってみた」動画に、色っぽく、力強く、小悪魔的など、さまざまな歌い方であげられています。ここでは、おすすめの「歌ってみた」動画を3つご紹介します。
まふまふ×luz
まふまふ×luzという、高音イケボと低音イケボの、神がかったコラボです。
最初のささやき声の「フィクサー」で、キュン死する人も多いのではないでしょうか。
思わず、のたうち回りたくなるほどの色気ですね。
あまりのセクシーさに耳がとろけそうなイケボは、聴きごたえばっちりですよ。
獅子神レオナ
歌詞を見なくてもハッキリと聴き取れる、滑舌の良さが素晴らしいです。
すごくカッコいいのにどこか可愛い。歌声も、きれいで魅力的です。
声・音楽・イラスト・配色、すべてひっくるめて魅了されますね。
めいちゃん
正統派のスッと耳に入り込んでくる歌声。
語尾の切り方が、とてもかっこいいです。
力強く爽やかな歌い方のアレンジが素敵です。
「フィクサー」を超えていけ!
『フィクサー』を手掛けたぬゆりは、2018年12月に、Vocaloidアルバム『Outer Sample』を発売。
『フィクサー』を収録したアルバム『plotoplan』以来1年ぶりのアルバムとなる今作には、『ディカディズム』『終末じゃない』など10曲が収録されています。
お洒落で聞き心地が良く歌詞も奥深い『フィクサー』の空気感をさらに深め、心を揺さぶるものになっていますよ。
「一か所にとどまらずに、これからも新しいものを作り続けていきたいですね。」と語るぬゆりの進む先を、これからも楽しみにしたいですね。
TEXT 有紀