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「殺さない彼と死なない彼女」とは
映画『殺さない彼と死なない彼女』の原作は、漫画家・世紀末がTwitterに投稿していた四コマ漫画です。不器用だけどどこか温かい世界観から「最も泣ける四コマ」とSNSで話題になり、若者を中心に人気を集め、単行本が2017年3月23日に発売されました。
そんな漫画家・世紀末のデビュー作でもある本作が実写映画化され、2019年11月15日より公開されました。
映画公開後には「泣きすぎて息ができない」「人生で一番泣いた映画」といったコメントが多数寄せられました。
監督はテレビ東京「ASAYAN」の番組ディレクターを経て、映画監督になった小林啓一。主人公である小坂れいを間宮祥太郎、鹿野ななを桜井日奈子が演じています。
3組の高校生たちによる不器用で温かい物語
『殺さない彼と死なない彼女』は『きゃぴ子』『君が代ちゃん』『殺さない彼と死なない彼女』の3つのストーリーで構成されていて、メインストーリーは『殺さない彼と死なない彼女』です。『殺さない彼と死なない彼女』あらすじ
ぶっきらぼうで「殺す」が口癖の無気力男子・小坂れいと、情緒不安定でリストカットを繰り返している死にたがりの少女・鹿野なな。2人は周囲と馴染むことができず、孤立していました。そんな2人はあることがきっかけで、一緒に過ごすようになります。
2人は互いに振り回し振り回されながらも、少しずつ距離を縮めていくのですが…。
『きゃぴ子』あらすじ
自分が可愛いのを自覚していて、みんなから愛されたい少女・堀田きゃぴ子と、幼なじみで物静かな地味子こと宮定澄子。一見、正反対に見える2人ですがじつは仲が良く、密かに互いを思い合っていました。
そんなちぐはぐな2人が見せる不思議な距離感で作られた友情は、どのような結末を迎えるのでしょうか。
『君が代ちゃん』あらすじ
好きな男子に何度振られても告白をしている女子・大和撫子(原作では君が代ちゃん)と、彼女の告白を断り続けている恋愛に無関心の男子・宮定八千代。ただ好きだという想いを伝えたい撫子は、八千代に会うたびに様々な形で想いを伝えます。
ときには厳しく、ときには優しく、撫子の想いを断り続ける八千代。彼はなぜそこまで撫子の想いを拒否しつづけるのか。そこには彼の過去が関係していたのです。
孤独を抱える3組の男女を演じる若手俳優陣
今回映画『殺さない彼と死なない彼女』でメインキャ■小坂れい(間宮祥太郎)
「殺す」が口癖の男子高校生。ぶっきらぼうで無気力な印象を受けるが、本当は優しい心の持ち主。ななに対して「死ねよ」と冷たいことばかり言うが、そういいつつも彼女が本当に死なないように見守っている。
■鹿野なな(桜井日奈子)
リストカットがやめられない死にたがり少女。学校でも変人扱いされ孤立している。死にたがりでありながら、死んだ蜂を花壇に埋めたり、生き物に対して優しい一面も見せる。
『きゃぴ子』
■堀田きゃぴ子(堀田真由)
自身の可愛さを自覚しており、みんなから愛を求める孤独少女。不特定多数の恋人がいるが、あるひとりの恋人から「好き」と言ってもらえず悩んでいる。正反対の幼なじみ・澄子は唯一信頼できる相手。
■宮定澄子(恒松祐里) 原作では地味子
きゃぴ子の幼なじみで親友。正反対のきゃぴ子にいつも厳しい言葉をかけるが、失恋して落ち込んだときには優しく励ます一面も。大人しそうに見えて、じつは男前な性格。
『君が代ちゃん』
■大和撫子(箭内夢菜) 原作では君が代ちゃん
好きな男子・宮定八千代に毎日告白して、振られ続けている天真爛漫な女子。何度も告白をするのは、自分が好きだということを伝えたいだけ。
■宮定八千代(ゆうたろう)
澄子の弟。過去に経験したある出来事がきっかけで恋愛に無関心になり、撫子の告白を断り続けている草食系男子。それでもずっと好きでいてくれる彼女に、少しずつ心境の変化が現れる。
若手俳優の方たちだからこそ演じられる、今にも消えてなくなってしまいそうな登場人物たち。ぜひ、映画館でお楽しみください。
癒しの歌姫が歌う「はなびら」
映画『殺さない彼と死なない彼女』の主題歌『はなびら』を歌うのは、赤いメガネがトレードマークのシンガーソングライター・奥華子です。
アニメ映画『時をかける少女』の主題歌『ガーネット』で、その透き通った歌声とピアノの弾き語りで一躍注目を浴びました。
今年2019年にデビュー15周年を迎え、11月13日に本作の主題歌も収めたベストアルバム『奥華子 ALL TIME BEST』がリリースされました。
本作の主題歌『はなびら』の制作あたって監督から前向きな曲をという要望が出されていましたが、どうしても切ない曲になってしまい何度も曲を書き直し、4曲目でOKが出されたそうです。
MVでは映画の撮影場所にもなっている学校の校舎で、奥華子がピアノを弾きながら歌う姿が流れ、ピアノの伴奏と奥華子の繊細で温かい歌声が、本作に登場するキャラクターたちの心情にぴったり寄り添っています。
劇中音楽も奥華子が担当
劇中音楽の制作は特殊で、映画の映像を見ながら即興でピアノの弾き語りをして、曲を仕上げたそうです。
ちなみに小林監督のお気に入りの劇中音楽は、きゃぴ子と地味子が一緒に下校するシーンで流れる楽曲『一人じゃない』。
ぜひ映画のストーリーとともに、劇中音楽にも注目して聴いてください。
原作「殺カレ死カノ」も読んでほしい
映画『殺さない彼と死なない彼女』の原作となった四コマ漫画。ぜひこちらも読んでみてください。たった四コマという枠の中で、登場キャラクターたちが抱える様々な孤独をさらっと描いています。
映画を観た方も、これから観る方も、ぜひ原作もチェックしてみてくださいね。
TEXT あるこ