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常に最先端を走り続ける、水曜日のカンパネラの新世界

「♪きっびっだーん」のフレーズで知られる楽曲『桃太郎』で一躍人気を獲得した『水曜日のカンパネラ』。2019年現在も精力的に活動しており、新たな世界観を覗ける作品をファンに届けています。今だからこそ知りたい水曜日のカンパネラの魅力を紹介します。

水曜日のカンパネラ、圧倒的な個性とその軌跡



水曜日のカンパネラは2012年に結成。

メンバーはボーカルのコムアイ、作曲・編曲のケンモチヒデフミ、結成時に二人を引き合わせたというディレクター兼プロデューサーであるDir.Fの3人。

YouTubeへ自らの作品を投稿するスタイルで活動を開始し、独自の歌詞世界と洗練されたトラックとのコラボレーションから一躍注目のアーティストとして話題になりました。

音楽ファンの間でじわじわと知名度を高めていった水曜日のカンパネラ。

その人気を一気に押し上げた一曲といえば2014年に発表された『桃太郎』ではないでしょうか。

▲水曜日のカンパネラ『桃太郎』

一度聞いたら忘れられない「♪きっびっだーん」といったフレーズを含む超個性的な歌詞、その反面非常にクールなサウンドメイキングが施されたトラック、そしてクリエイティブユニットのオタミラムズ(白玖欣宏+平岡佐知子)によるクセの強すぎるミュージックビデオ。

すべての要素が全く予想外の衝撃的な一曲でした。



YouTubeでのミュージックビデオの再生回数は2019年12月現在2600万回を突破し、彼らの代表曲の一つとなっています。

またこの時期、タイアップやテレビCMへの出演などに合わせ、ボーカルを務めるコムアイの個性的なキャラクターも広く浸透。

いちボーカリストとしてだけでなく、よりアーティスティックなイメージを持たれるきっかけにもなりました。

オリコンにより2016年に集計されたブレイク女性アーティストランキングでも欅坂46、大原櫻子に続く堂々の3位。

当時の注目度の高さが伺えます。

ライブパフォーマンスもかなり個性的です。

過去には観客席に乱入、脚立に登る、ウォーターボールで観客の頭上にダイブする、など驚きのステージを見せたこともあります。

▲水曜日のカンパネラ - 桃太郎 @ りんご音楽祭2015

こちらの動画ではステージを降りて観客の間を縦横無尽に歩き回り、ファンとセルフィー写真を撮影したり、ファンから(この時出演したフェスの名前にもなっている)りんごを受け取ったりと自由奔放な彼女の姿を見ることができます。

また、特技は鹿の解体というコムアイ。

ライブパフォーマンスの一環として実際に鹿を解体して見せるなど、大胆かつ過激な一面を持っているのも彼女の魅力の一つです。

聴いて楽しいだけじゃない、計算された音楽的な面白さ



ただ個性的なだけでなく、音楽的な面白さも兼ね備えているのが水曜日のカンパネラの楽曲のすごいところ。

まずはコムアイの歌唱に注目してみましょう。

ふわふわとした浮遊感と、透き通るような透明感を持った声質で繰り出すラップとボーカルは唯一無二。

破天荒なコムアイのイメージも重なり、自由気ままにゆらゆらと踊るような歌唱に、思わず目が離せなくなるような感覚を持つかもしれません。

聴き手をぐっと惹きつけて離さない、天才型の魅力が感じられます。

そしてその歌唱の美味しい部分を理解し、最も効果的に魅せているのが作詞・作曲を担当するケンモチヒデフミです。

『一休さん』、『千利休』、『ジャンヌダルク』など歴史上の人物や童話などをモチーフにした曲を多く発表しています。

これらの楽曲、タイトルはまるでコミックソングのように見えますが、コムアイの表現力を存分に活かすために綿密に計算された歌詞を載せることによってハイセンスな雰囲気を楽曲に与えています。

▲水曜日のカンパネラ『ジャンヌダルク』

コムアイの自由奔放なイメージを崩さないために歌詞に効果的に使われているのが「口語」や「日常語」です。

日常会話に用いるようなカジュアルな表現を敢えて取り入れています。



正統派スタイルのヒップホップのようないわゆる「カッコいい」言い回しを取り入れるスタイルとは違い、コムアイが聴き手のそばで語りかけるような、時に可愛らしく時に親近感を感じるリリックがクールなトラックに乗って次々と繰り出されます。

どこか現実感がないけれど、なぜか近くにいるような感覚。

水曜日のカンパネラのキャラクター性を見事に表現する日本語の活用術には思わずワクワクしてしまいますね。

実はクールで美しい一面も!水曜日のカンパネラ、オススメの3曲



『桃太郎』のイメージが強い水曜日のカンパネラ。

その才能が及ぶ範囲はキャッチーかつアイコニックな楽曲にとどまらず、多くのバラエティ豊かな作品を生み出しています。

時に美しく、時にかっこいい。そんな水曜日のカンパネラの楽曲からオススメの3曲を紹介します。

ファン人気ナンバーワン、都会を表現した「メデューサ」

▲水曜日のカンパネラ『メデューサ』


2015年に発表された『メデューサ』。

『桃太郎』などの思わず口ずさんでしまうようなカジュアルでコミカルな楽曲とは雰囲気がガラリと変わり、夜の街を駆けるミュージックビデオのイメージそのままの都会的でダンサンブルな一曲となっています。

生楽器のベースやギターといった音色をエレクトロニックなトラックと融合させた、のちに一世を風靡する夜型のシティポップ系サウンドを彷彿とさせるようなオシャレなトラックメイキング。

非常に完成度が高く、お気に入りの楽曲に挙げるファンも多いようです。

ゆったり聴かせる新境地、神秘的な「キイロのうた」

▲水曜日のカンパネラ『キイロのうた』


2019年に発表された『キイロのうた』ではさらに進化した水曜日のカンパネラの姿を見ることができます。

今まで紹介してきたノリノリな楽曲とは一味違い、コムアイのボーカルを存分にゆっくりと堪能できるような陶酔感溢れる構成が特徴です。

水曜日のカンパネラが備える、ある種神秘的とも言える壮大な雰囲気を最大限に味わうことができる一曲です。

水曜日のカンパネラ × yahyelの最強コラボ「生きろ。」

▲水曜日のカンパネラ & yahyel『生きろ。』


2019年にエレクトロニックアーティストyahyel(ヤイエル)とのコラボレーション楽曲として発表された『生きろ。』。

yahyelが得意とするエキゾチックなサウンドが水曜日のカンパネラが持つ神秘的なイメージと完璧にマッチ。

東京に生きる苦悩、生命に対する意識をシリアスに描いた一曲となっており、楽曲全体が神々しいほどの壮大な雰囲気をまとっています。

また全編をGoogleによるスマートフォンPixel 3で撮影した山田健人監督によるミュージックビデオもアート面での高い評価を獲得。

様々な角度から現代のポップアートを追求した、現代人にこそ響く一曲に仕上がっています。

常に最新を追い求める水曜日のカンパネラ



『桃太郎』の大ヒットを受け、一躍ポップアーティストとしての知名度を高めていった水曜日のカンパネラ。

そのディスコグラフィを辿ると、常に最先端を追求しようとするストイックなアーティスト精神が明確に伝わってきます。

しかしそのプロセスの中でも一貫して変わらないのが「コムアイ」という圧倒的なキャラクター性です。

いつの時代の水曜日のカンパネラにおいても、彼女が持つ強烈な個性がユニットのアイコンとなっており、全く新しいサウンドの発表にも説得力を生んでいます。

日本発のポップアイコンである彼女たちは、今後もさらに魅力的な作品を生み出し続けてくれることでしょう。

これからも水曜日のカンパネラから目が離せません。


TEXT ヨギ イチロウ

2013年からコムアイを主演とするユニットとして始動。メンバーはコムアイ(主演)、ケンモチヒデフミ(音楽)、Dir.F(その他)の3人だが、表に出るのは主演のコムアイのみとなっている。 2014年11月に発売した 『私を鬼ヶ島に連れてって』に収録されている楽曲「桃太郎」がWEBやラジオを中心に話題と···

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