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川谷絵音の作詞センスが光る、ジェニーハイ注目の新曲「グータラ節」

バラエティ番組発の企画バンドとして衝撃的なデビューを果たした『ジェニーハイ』。デビュー後も継続的に活動を続け、今や数あるロックバンドと並んで音楽ファン大注目のバンドに成長しました。こちらの記事では新曲『グータラ節』の歌詞について考察します。

企画を超えた話題性。川谷絵音の才能が光るリリック



BSスカパー!のバラエティ番組『BAZOOKA!!』にて川谷絵音・小籔千豊を中心に集められたメンバーで2017年に結成したジェニーハイ。

お笑いコンビ野性爆弾のくっきー、世界的な人気を誇る日本発オルタナバンドtricotのボーカル中嶋イッキュウ、そして現代音楽家の新垣隆を加えた5人編成のバンドです。

翌年2018年に『片目で異常に恋してる』MVを公開。

特徴的なメンバー編成と、意外にも成熟した音楽性から一役音楽ファンの間でも話題に。

当初は番組発信のバンドとして活動をしていましたが、その後も継続的に楽曲を制作・発表。

アルバムCD発売。また大型ロックフェスへの出演も果たすなど、大人気ロックバンドとして独立した活動を精力的に続けています。



楽曲制作においてそのウェイトのほとんどを占めるのが、まるでハイスペックな頭脳とも言える川谷絵音。

持ち前の音楽性と大胆な発想に基づく圧倒的なワードセンスが楽曲の魅力を後押ししています。

楽曲の発表を重ねるごとにその完成度は高くなり、ファンからの「活動初期のゲスの極み乙女。の楽曲のように聴き手の想像力を超えたワクワク感がある」といった評価もあるようです。

ジェニーハイの2019年12月現在最新の楽曲である『グータラ節』ももれなく川谷絵音による鋭敏なリリックが光る1曲です。

「干物女」といった言葉も過去に流行していますが、そんなグータラしてしまいがちな現代女子の可愛らしい本音と毎日のストーリーを赤裸々につづった歌詞となっています。


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私って身体から機械壊しちゃう電磁波でも流れてるのかしら
新しい家電はことごとく電源入らなくなるしさ
すぐに物落とすし豆腐は買い忘れるし調味料こぼすし
色味は良くないけど味はまあまあなのよ
≪グータラ節 歌詞より抜粋≫
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日常の中で思わずやってしまいがちな失敗の数々。

毎日うまくいかないことの連続で、気分が落ちてしまう経験は誰にもあるのではないでしょうか。

そんな時に、何かのせいにしてしまうのもまたよくあること。身の回りの道具などのせいにして楽観的に過ごしてしまいがちです。

この一節では、そんな多くの人に当てはまる感情をカジュアルな表現と日常的な単語でリアルに描いています。

クールなサウンドに乗せられた口語的表現の語感的面白さを持った歌詞がクセになるキャッチーなAメロです。

王子様=江戸っ子。天才による発想の飛躍



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グータラグータラグータラ女子じゃいけないの?
なんとかしなさいよ江戸っ子諸君
私は甘える生き物よ
一緒にグータラしないでね
≪グータラ節 歌詞より抜粋≫
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こちらのサビの一節では、グータラに走る女子が理想の男性を歌っています。

ここで注目なのはグータラな自分の身の回りのことをなんでもやってくれる男性を表す「江戸っ子」というワード。

ナチュラルに考えるなら「白馬の王子様」とでもしてしまいそうな部分ですが、この印象的かつコミカルなワードを使うセンスは唯一無二です。

自分は頑張らないけど男性には頑張ってほしい、という可愛らしくも強気なマインドを持った女子の姿は、とても現代的な感覚を映し出している部分と言えるかもしれません。

ボーカルの中嶋イッキュウのカッコよく、儚い魅力を想起させる、ジェニーハイにピッタリなリリックと言えるでしょう。

現状を受け入れながら生きる現代人の頑張り



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グーグーグーグーグー
眠気と今日も戦いながら仕事に行きます
グーグーグーグーグー
帰ったら干物に乾いてぬくぬくしよ
≪グータラ節 歌詞より抜粋≫
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「グータラ」という歌詞とうまくかけた終盤に寝息の「グー」が繰り返されるパートの歌詞に注目。

眠気と戦いながらも仕事に行かなければならない誰しもが痛感している悩み。この歌詞の主人公もまさに同じ状況です。

毎日仕事を頑張らなければならないが、家に帰れば暖かい部屋が待っている。

それを楽しみに1日1日を頑張る主人公の健気な姿には、きっと共感できるのではないでしょうか。

川谷絵音が描きたかった、令和を生きる典型的な女子の姿。

人前では見せられないようなグータラな生活を送っているその毎日は、実際はとても人間らしいもの。

そんなカジュアルでプライベートな悩みを、聴き手に寄り添うような口語的な歌詞で歌い上げています。

結果的に、現代を生きる誰しもが「あるある」と頷けるような共感生の高い一曲に仕上がっているのです。



その生い立ちからコミックバンドのようにも思えてしまうジェニーハイ。

しかしその実態は、鋭くファンの心理を捉えて離さない川谷絵音による音楽的な実験を繰り広げるようなバンドであることが、歌詞の考察から見えてくるのではないでしょうか。

これからも私たちの心をくすぐる楽曲を提供してくれるはずです。

今後も彼らに関するニュースや情報を見逃すことはできません。


TEXT ヨギ イチロウ

【関連リンク】 ▷ジェニーハイTikTok ▷オフィシャルサイト ▷ジェニーハイTwitter ▷ジェニーハイ Instagram

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