400万回再生の大人気バラード夏ソング「夜明けと蛍」
『夜明けと蛍』は、ボカロP『ナブナ(n-buna)』の15作品目のバラードソングで、元は2014年10月に発売されたアルバム『IA THE WORLD~心~』に収録されていました。
『IA THE WORLD』は、ボーカロイドIAのオリジナルソングを集めたコンピレーションアルバムシリーズで、その10作目となる『IA THE WORLD~心~』は「心」をテーマにした楽曲を集めたアルバムとなっています。
初音ミク歌唱版としてMVが公開されたのは、2014年11月。
翌年2015年11月にはミリオンを達成し、同年7月にはU&R recordsより発売されたナブナ(n-buna)1stメジャーアルバム『花と水飴、最終電車』にも収録がされています。
2019年現在はニコニコ動画、YouTube共に400万回再生を超えており、さらにはカラオケ配信も行われたりなど、今なお大人気のバラードソングとなっています。
冬に公開された、夏の終わりを感じるバラードソング
ナブナ(n-buna)の楽曲には「夏」をテーマとした作品が多くあります。
『夜明けと蛍』もその特徴を大きく持った楽曲となっています。
曲名につけられた「蛍」という夏を連想する言葉を筆頭に、歌詞の中においてもいくつもの「夏」を連想させられる言葉達が紡がれています。
MVも夜明けの空を背景に、プールサイドにワンピースに身を包んだ青髪の少女が座っているという、夏という季節をイメージしたものとなっており、どこまでも「夏」が強く意識された楽曲となっています。
しかし、この楽曲が公開されたのは11月でCDの収録も10月。
「夏」という季節とはほど遠い寒さの季節の出来事なのです。
そんな寒い季節に出されたからなのか、他の「夏」をテーマとしたナブナ(n-buna)の楽曲達とくらべてみると、落ち着いた静けさが漂う楽曲となっています。
そこにナブナ(n-buna)の初音ミクの特徴である「泣いているような声」を持ったミクによる澄んだ歌声があわさり透明度も非常に高い楽曲に仕上がりとなっており、視聴者からも「きれい」「落ち着く」といった感想が多く寄せられています。
さらにはニコニコ動画のコメントには日付を書き込む人々もおり、その日付を見てみるとどうやらほとんどの視聴者達が夏の終わりや終わった後に聴いてることがわかります。
夏が終わる頃、ふと思い出す一曲として、多くのファンがこの楽曲を聴きに来ているようです。
「夏の終わり」という、どこか寂しさを覚え始める頃に聴き返したくなる、静かな夏の楽曲。
それこそが多くの人々から今もなお、聴かれ続けている最大の理由なのかもしれません。
叙事的な歌詞が魅力的。2010年代生まれのバラードボカロP「ナブナ(n-buna)」
『ナブナ(n-buna)』は、2012年から活動を始めたボカロPです。
主な使用ボカロは、初音ミク、GUMI、miki。
2013年に投稿された9作目のオリジナル楽曲『透明エレジー』にて初の殿堂入りをはたし、一躍人気ボカロPの一人に名前を連ねます。
バンドサウンドのバラードが多く、「夏」をテーマとした深い叙情的な歌詞の存在が特徴的な作風でしたが、近年は夏だけではなく、冬や春をテーマとしたと思われる楽曲などもあげられ、その作風の幅が広がりつつあります。
2014年04月に自身初となるアルバム『カーテンコールが止む前に』を発売。
翌年2015年7月にはメジャーデビューアルバム『花と水飴、最終電車』を発売し、さらに続く2016年7月には、2枚目となるメジャーアルバム『月を歩いている』の発売もされました。
現在では11曲もの楽曲がミリオンを達成しており、その内、5曲がトリプルミリオンを達成しています。
2010年代生まれの大人気バラードボカロP、それがナブナ(n-buna)なのです。
「夜明けと蛍」のおすすめ歌ってみた動画を紹介!
そらる
くろくも☁
天月
紹介するのはこちらの3つの歌ってみたです!
「優しい中低音」の歌い手として有名な歌い手『そらる』、色気で溢れる美しい圧倒的な歌唱力の女性歌い手『くろくも☁』、そして甘やかな声が魅力的な歌い手『天月』。
そらるとくろくも☁はニコニコ動画でも動画を公開しており、人気歌ってみた動画として今もなお、多くの再生がされています。
天月の動画はYouTubeのみでの公開ですが、2019年7月31日に行われたライブ『天月-あまつき- 10th Anniversary LIVE in 大阪城ホール』にて歌われた『夜明けと蛍』の映像となっており、他2つとはまた違った伴奏アレンジも加えられた歌ってみたとなっています。
投稿当時から2019年現在まで、視聴者だけではなく多くの歌い手に愛され、歌われ続けている『夜明けと蛍』。
ぜひ、原曲と共に歌ってみたも聴いてみてください!
ナブナ(n-buna)も歌ってる!? 制作者本人によるアコースティックアレンジ
『夜明けと蛍』は、ナブナ(n-buna)本人が歌唱した動画も公開されています。
アコースティックアレンジで制作され、ここだけのオリジナルアレンジとなっています。
また、ナブナ(n-buna)本人の歌ってみたは、実はこれが初だったようです。
やわらかなハスキーボイスな歌声は、ナブナ(n-buna)本人曰く「歌に向いていない」とのことですが、視聴者達からは原曲同様に「落ち着く」という感想が多く集まっています。
貴重なナブナ(n-buna)本人の歌声による『夜明けと蛍』をぜひ聴いてみてください。
絶賛バンド活動中! 2019年大注目バンド「ヨルシカ」
現在、ナブナ(n-buna)はボカロPだけではなく、『ヨルシカ』というバンドのメンバーとしての活動も行っています。
『ヨルシカ』はナブナ(n-buna)がVoのsuisと組んで結成したバンドであり、2018年5月に発売したアルバム『負け犬にアンコールはいらない』にてオリコン週刊ランキング5位を獲得。
2019年には対となる2枚のフルアルバム『だから僕は音楽を辞めた』と『エルマ』を発売し、オリコンデイリーアルバムチャートやiTunesと言った音楽配信サイトのチャートにて1位を獲得するなど、2019年のバンド界にて話題の2人組バンドです。
ナブナは音楽コンポ―サーとして、楽曲の制作を担当しています。
しかし、バンド最新アルバム『エルマ』では、楽曲『エイミー』にてコーラスを務めており、その歌声が楽曲中に姿を現すこともあるようです。
バンドという新しい形で紡がれるナブナ(n-buna)の音楽に、今後もぜひ注目してみてください!
TEXT 勝哉エイミカ