真っすぐに生きる人へのメッセージ
2019年10月9日ヒゲダンはメジャー1作目のフルアルバム『Traveler』をリリースし、週間オリコンチャート1位を獲得しました。そのアルバムの7曲目に収録されているのが『ビンテージ』です。
作詞作曲はピアノボーカルの藤原聡で編曲はOfficial髭男dism。「あいのり:African Journey」の主題歌にも起用されました。
『ビンテージ』もそうですが、ヒゲダンの音楽はどれも真っすぐに生きようとする人へのメッセージが感じられます。
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酸いも甘いもって言えるほど
何も僕ら始まっちゃないけれど
褪せた思い出もビンテージなんて言って
振り返る度に笑えるようにと
大切に日々を重ねよう かけがえのない今を
≪ビンテージ 歌詞より抜粋≫
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思い出は「古いもの」という意味ではなく「ビンテージ」だと言うこの曲の一節で、聴き手が抱えた過去の傷跡を肯定してくれるかのようです。
「ビンテージ」のOfficialVideo
youtubeのヒゲダンOfficialVideoの『ビンテージ』の動画は、2019年12月現在で視聴回数530万回を越えています。
2019年10月15日にプレミア公開で配信された映像は、たくさんの人に再生され瞬く間に話題になりました。
ヒゲダンはサウンドに加えて歌詞もとても注目されています。
彼らのMVは字幕ボタンを押すと歌詞が表示されるようになっているので『ビンテージ』も歌詞を見ながら再生した方が多いのではないでしょうか?
OfficialVideoではメンバーがビデオカメラをまわしている姿が見られます。
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そして増えた思い出がいつか星の数ほどに
溢れることがただ嬉しいから
今の心を歪まないように
例える言葉を 探してみるよ
連なってく日々の中を 君と重ねる今を
≪ビンテージ 歌詞より抜粋≫
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やはり「ビンテージ」とは、記憶や思い出を意味していると考察できるのではないでしょうか。
すべて過去になってしまう「重ねる今」を想うとさみしくなることもあるかもしれませんが、それをただの「過去」ではなく「ビンテージ」だと思えば未来へと真っすぐに歩いて行ける気がします。
本当にキレイなものとは?
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キレイとは傷跡がないことじゃない
傷さえ愛しいというキセキだ
≪ビンテージ 歌詞より抜粋≫
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「キレイ」とはどういう意味なんでしょう。
傷跡やほころびのないものを一般的にはキレイと思いがちです。
しかし、その傷跡やほころびをみて「懐かしい」と微笑み愛しく思うことができたら、本当の意味のキレイを知ることができるのかもしれません。
記憶はすたれてしまうもの
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シワくちゃだったり やけに錆びついたり
剥がれてしまった記憶があったとしても
何一つ隠し繕うこともなく
それさえ愛しいというキセキだ
≪ビンテージ 歌詞より抜粋≫
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人の記憶とは曖昧なものです。どんなに大切な記憶や思い出でも、忘れてしまったり塗り替えてしまったり。
また時に恥ずかしくなって過去が煩わしくなったりもします。
しかし本当はどれも、その時の「今」を嘘偽りなく過ごしてきた証だと言われているようです。
記憶や思い出を大切に描かれた『ビンテージ』を聴くことで、ポジティブな今と未来を想うことができるでしょう。
TEXT Imahashimiwa
Official髭男dism (オフィシャルヒゲダンディズム) 山陰発4人組ピアノPOPバンド。2012年6月7日結成、島根大学と松江高専の卒業生で結成されており、愛称は《ヒゲダン》。このバンド名には髭の似合う歳になっても、誰もがワクワクするような音楽をこのメンバーでずっと続けて行きたいという意思が···