音楽を通して出会えるもの
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浮世に生まれ落ち いいんじゃない
思うがままに ああ 言の葉を
ひとつまたひとつと繋いでたら
キミが見えた
≪瞬間 瞬間 瞬間 歌詞より抜粋≫
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「キミ」というのは、アルカラにとってのファンや音楽仲間のことを指しているのではないでしょうか。
常に変化していく儚いこの世界に生まれ、そこで感じることを歌詞にし、曲として表現することで出会えたファンや仲間がいる。
アルカラのこれまでの音楽活動をふと思い返したような歌詞にも思えます。
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午後レモンティーと たゆたいながら
あいも変わらずまた
つれづれなりしこの時間を
切り取ってたら
キミが見えた
≪瞬間 瞬間 瞬間 歌詞より抜粋≫
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「午後レモンティーと たゆたいながら」という歌詞からは、普段のなんでもない日常が思い浮かびます。
そんな平凡で変わり映えのしない時間の中にも、切り取って音楽にしたくなる瞬間が舞い降りて来ることもあるのかもしれません。
そうしていろんな感情や出来事の一瞬一瞬をアルカラは歌にしているのです。
生きている時間を切り取ること
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僕らは瞬間 きらめく瞬間
何色吐息と キミの瞬き
あまたの神秘と交差して
枯れ咲くドラマ ゆきずり
≪瞬間 瞬間 瞬間 歌詞より抜粋≫
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「きらめく瞬間」というのは本当にまばたきの間ほど一瞬のものです。
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僕らは瞬間 今この瞬間
きゅんとする瞬間 涙の瞬間
ニュースのお時間 おやつは食パン
ああまた キミのまばたき
瞬間瞬間を 生きている
≪瞬間 瞬間 瞬間 歌詞より抜粋≫
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きゅんとしたり涙を流したり、テレビを見たりおやつを食べたり、そんな何気ない一瞬も、その人が生きていることを証明する大切な「瞬間」なのです。
その一瞬を見逃さないようにすることで、まるで「神秘」のような奇跡的な瞬間に出会うことができる。
つまり、どんな小さな出来事もほんの瞬間のことも、自分の人生にとって何か意味のあることにつながっていくのかもしれません。
アルカラが音楽を通して感じてきた「瞬間」のまぶしさが、この曲には描かれているのではないでしょうか。
切り取り、つなげていく
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ちんとんしゃん
お祭囃子にゆらゆら
弦楽器 笛太鼓 奉りて
この世界を切り取ってたら
キミが見えた
≪瞬間 瞬間 瞬間 歌詞より抜粋≫
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バンドの音を指し示す歌詞にも、単純にギターやドラムと表すのではなく、「弦楽器」「笛太鼓」などといった単語を使うところがアルカラらしさを感じます。
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何千何万何億通りの組み合わせの中
密室地球は何度でも 奇跡の汽笛を鳴らす
≪瞬間 瞬間 瞬間 歌詞より抜粋≫
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音楽とは自由で無限の可能性を秘めているもので、一人一人のアーティストが自分なりに音をつなげて曲を作り上げていきます。
その音楽が誰かに届き、見たこともない景色を見せてくれることもあるのです。
アルカラが生きてきた瞬間を切り取って生み出してきた音楽のことを歌っているようにも感じられます。
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瞬間瞬間を 生きている
瞬間瞬間を 切り取っていく
≪瞬間 瞬間 瞬間 歌詞より抜粋≫
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アルカラにとっての音楽とは、普通とは違った大袈裟な世界を歌ったものではなく、誰でも経験するような小さな「瞬間」を切り取ったものなのかもしれません。
そう思うと、アルカラの音楽とは遠い存在ではなく、聴く人の隣にいつもいてくれるような存在にも感じられるのです。
アルカラならではの変化するおもしろいメロディーが印象的な『瞬間 瞬間 瞬間』。
歌詞をしっかり聞き込んでみると、今まで意識しなかった「瞬間」というものを意識させられます。
これからの毎日の中で「どんな一瞬も大切に生きていきたい」と聴く人に思わせてくれる楽曲ですね。
TEXT ぽんつ