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実は公園を歩いていない?安室奈美恵「a walk in the park」

2018年9月16日に芸能界から引退した平成の歌姫こと安室奈美恵。小室ファミリーとして人気のピークを極めた1996年のミリオンヒットシングル『a walk in the park』の歌詞から、その意外な意味に迫ります。

別れ?それとも始まりの歌?



茶髪、細眉、ミニスカートにブーツ姿の「アムラー」が街に溢れた1996年、オリコンランキング1位に輝き、CDシングル売り上げトップ5にも入る『a walk in the park』は、安室奈美恵を代表する大ヒット曲ですよね。

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さみしかったよって
口に出せない
逢えなくなって
手もつなげずに
woo… いたのにね woo…
≪a walk in the park 歌詞より抜粋≫
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小室哲哉らしいダンスミュージックと安室奈美恵のどこか寂しげな「woo…」というフレーズに乗って始まるこの曲は、「さみしかった」「逢えなくなって」という言葉から、聴く人に別れの曲を予感させるかも知れません。

しかし、その後に続く歌詞からこの曲が別れの歌ではない事に気づかされるでしょう。

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想いが届けば それから答えが欲しくなる
≪a walk in the park 歌詞より抜粋≫
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この曲は、好きな人に想いを告げた後にその返事を待っている、終わりでもなければ始まりでもない状態の女の子の気持ちを歌った曲なのではないでしょうか。

「a walk in the park」の意外な意味とは?



小室哲哉の歌詞の特徴は「小室英語」とも呼ばれる独特の英語歌詞だと思います。

例えばTRFの『survival dAnce 〜no no cry more〜』は、“生き残る踊りって何?”“なぜAだけ大文字?”“文法的にはno more cryじゃない?”と、何かと突っ込みたくなるタイトルですよね。

また、『I'm proud』や『CAN YOU CELEBRATE?』のように、後に続くべき目的語を省いた英文も多い気がします。

聴いた瞬間はちょっと疑問を感じるけれど、それが逆にインパクトを与える小室英語。

もしかすると小室哲哉は、英語歌詞をCMやポスターのキャッチコピーのように考えていたのかもしれません。

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a walk in the park
≪a walk in the park 歌詞より抜粋≫
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『a walk in the park』は、多くの人に「公園を散歩している歌」だと思われているのではないでしょうか。

または、他の「小室英語」のように、小室哲哉オリジナルの英文かと感じている方もいらっしゃるかも知れません。

しかし、実は「a walk in the park」は「簡単な事」「どうって事ない」「朝飯前」などの意味で日常的に使用されている慣用句なのです。

公園の散歩は誰でも気軽に出来る事なので、このような使用法になったそうです。

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a walk in the park
本当は あなたにもそばにいて欲しい
a walk in the park
一人きり 二人とは違うけれど
≪a walk in the park 歌詞より抜粋≫
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告白後の返事待ちの間、頭の中には様々な不安や期待が駆け巡るものですよね。

「a walk in the park」は、そんな子が「どうってことない」「気軽に行こう」と、公園に限らず家でも学校でも、弱気な自分に言い聞かせている言葉のような気がします。

やっぱり公園を歩きたくなる理由


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a walk in the park
地球は 私にも今日は優しい
a walk in the park
≪a walk in the park 歌詞より抜粋≫
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「a walk in the park」は、ズバリ「公園を散歩する」という意味でも使われる言葉です。

曲の前半で「冬のポケット リップクリーム」と歌われているように、この物語の季節は冬ですよね。

冬の公園の散歩は冷たい風と澄んだ空気に凛とした気持ちになって、意外と気持ちのいいものです。

特に恋愛で悩んでいる時は、頭の中をスッキリとさせてくれるのでおすすめかも知れません。

いつの間にか心を穏やかにしてくれる冬の空気や風。

「地球は 私にも今日は優しい」という歌詞は、そんな自然の優しさを表現しているのではないでしょうか。

芸能界引退後、潔く活動の情報を全て閉じた安室奈美恵。

『a walk in the park』は、セクシーなパンツスーツでキレキレに踊る安室奈美恵の姿と共に、冬に聴きたくなる名曲として愛され続けて行くでしょう。


TEXT 岡倉綾子

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