サウダージって…?
ポルノグラフィティの楽曲により認知度が上がったと言っても過言ではない言葉、「サウダージ」。
あまり聞き慣れない単語ですが、一体どういう意味なのか気になりますよね。
結論から言うと、サウダージとは「郷愁」「思慕」「切なさ」などを表すガリシア語です。
通りで聞いたことがないわけですよね。
そんな『サウダージ』というタイトルが表す通り、この曲は誰かを恋しく思う気持ちや切ない気持ちを歌った失恋ソングです。
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私は私と、はぐれる訳にはいかないから
いつかまた逢いましょう。その日までサヨナラ恋心よ
≪サウダージ 歌詞より抜粋≫
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悲しい歌い出しから、自分を見失いそうになるほどの失恋をしたことがわかりますね。
でも、自分で自分を見失うわけにはいかない。
だからいつかまた逢える日まで、大好きだった人、その人への恋心と離れようという決意が歌われているのでしょう。
強がりたくなる別れ際
恋愛の数だけ、悲しい別れがあるものですよね。
一口に別れがあると言っても、その別れ際は様々。
サウダージでは、男性に振られた女性目線で別れ際が歌われています。
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嘘をつくぐらいなら、何も話してくれなくていい
あなたは去っていくの、それだけはわかっているから
≪サウダージ 歌詞より抜粋≫
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別れることになった時、最後はどんな言葉をかけて離れるべきかとても難しいですよね。
なるべく相手を傷つけないように「本当に好きだった」「今までありがとう」と言いたくなる人も多いのではないでしょうか?
でも、振られる側からしたらそんな言葉はいらないようです。
どんなに優しい嘘を言われたって、もう一緒にいられないことはわかっていますもんね。
精一杯の強がりです。
続きの部分でも「せめて最後は笑顔で」と歌われていますが、それも強がりなのではないでしょうか。
実際の胸の内は切なさでいっぱいだということが、次の歌詞からわかります。
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凛とした痛み胸に、留まり続ける限り
あなたを忘れずにいられるでしょう
≪サウダージ 歌詞より抜粋≫
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「痛みがある限り忘れられない」ではなく、「痛みがある限り忘れずにいられる」というのがなんとも切ないですよね。
早く忘れたいどころか、まだまだ忘れたくないようです。
どれほど好きだったかが伝わってきますね。
確かに感じるサウダージ
楽曲中、一度だけ「サウダージ」という単語が歌詞に出てきます。
まずは直前の部分から読み解いて行きましょう。
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時を重ねるごとに、ひとつずつあなたを知っていって
さらに時を重ねて、ひとつずつわからなくなって
≪サウダージ 歌詞より抜粋≫
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好きな食べ物、好きな色、好きな歌。
付き合い始めると、お互いの色々なことを知っていき、そうしていくうちになんとなく相手に対するイメージのようなものができるのではないでしょうか。
だからこそ、長く付き合うと「そんなところあったの?」と逆に相手のことがわからなくなってしまうこともあると思います。
そんな疑問やすれ違いが続くとどうなるのか。
それが次の歌詞に現れています。
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愛が消えていくのを、夕日に例えてみたりして
そこに確かに残るサウダージ
≪サウダージ 歌詞より抜粋≫
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当然、疑問やすれ違いが増えれば増えるほど、相手の愛も自分の愛も薄れていくもの。
それをだんだんと沈みゆく夕日に例えています。
そして出てきました、「サウダージ」。
付き合い始めの頃に抱いた相手へのイメージと現状を比べ、「あの頃はよかったな…」と思っていることが伺えますが、これぞまさしく郷愁、思慕、切なさ。
そう、これが「サウダージ」です。
この感情を持ったことのある方も多いのではないでしょうか。
深い『サウダージ』の意味がわかったところでもう一度聴き直すと、非常に切ない楽曲です。
ぜひ、最初からゆっくりと聞いてみてくださいね!
TEXT ゆとりーな