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切ない程に一途なラブソング「地球最後の告白を」のタイトルに隠された意味に迫る

大人気ボカロP「Kemu」が率いるボカロ系同人サークル『Kemu Voxx』の5作目の楽曲『地球最後の告白を』。これまでの楽曲とは雰囲気の違うラブソングのタイトルに隠された意味とはなんなのか。楽曲の魅力を紹介すると共にその意味に迫ります!

5作目の物語「地球最後の告白を」

▲【GUMI】地球最後の告白を【Kemu】

『地球最後の告白を』は、ボカロ系同人サークル「Kemu Voxx」の楽曲であり、その中でも作詞作曲を務めるボカロP Kemuの5作目となるオリジナル楽曲です。

2012年6月にニコニコ動画で公開された後、2年後の2012年にYouTubeでも公開。

現在は、ニコニコ、YouTube、どちらにおいても再生回数を300万回再生越え、カラオケDAMとJOYSOUNDでも配信が行われるなど、大人気ボカロ曲の一つとなっています。


KemuVoxx独特の世界観をベースに展開される楽曲シリーズの一つとして公開され、さらには投稿当時に行われていたボーカロイドGUMI3周年を祝う祭り「GUMI誕生祭2012」にも参加しています。

そのせいか、ダークな雰囲気を抱えている他のシリーズ楽曲達とはどこか一線を引いた、明るい曲調の楽曲で物語が紡がれている形になっています。

さらに、投稿翌日に発売されたボーカロイドIAのコンピアルバム『IA THE WORLD ~光~』には、IA歌唱verの音源が収録をされています。

このような別歌唱verが続けて公開されたのはKemu楽曲内では初めてのことです。

それに加え、前作の歌唱をIA担当したこと、IAがモデルで制作されたキャラクターがMVに描かれているなどと言った観点から、前作との繋がりが考察される楽曲となっています!

「地球最後の告白」その言葉が意味するものとは?



Kemu Voxxの楽曲と言えば、一つの世界観をベースにした楽曲展開がされることが最大の特徴でしょう。

疾走観溢れるギターロックに、頭に残る洗脳力の高い韻を踏んだ歌詞で紡がれる楽曲は、全て一つの大きな世界観でまとめられており、それぞれ別の楽曲として完結していながらも全ての根本的な部分は繋がっているという、非常に特殊な作りで展開されています。

『地球最後の告白を』も、そんなKemu Voxxの楽曲シリーズの1つとして数えられる楽曲です。

中でも前作の『六兆年と一夜物語』とは、深い繋がりがある楽曲なのではないかとファンの間で深い考察がされています。

前作『六兆年と一夜物語』は「忌み子」として蔑まれた2人の子供達について歌われた楽曲でした。

その物語の結末において、主人公の「僕」が「自分達以外の全人類がいなくなればいい」と願ったことにより、人類がどこかへ消えてしまったという展開が待ち受けています。

そしてこの楽曲のタイトルは『地球最後の告白を』。

この「地球最後」という言葉は、前作で人類が消えてしまったことによる結果の世界を意味しているのではないか、との推測が多く寄せられています。

さらにMVの中には、前作のMVにも出てきた少女の姿と似通った少女の姿が出てきます。

IAをモデルに描かれたというこの少女の正体は、はたして何者なのか、公式からの明言はされていません。



しかし、前作の歌唱を務めたボーカロイドがIAであることや、投稿翌日に発売されたコンピアルバム『IA THE WORLD ~光~』に、IA歌唱verが収録されたこともあり、何かしらの前作への意図、繋がりがあるのではないか、と考察され続けています。

また、この楽曲はこれまでの疾走感溢れる激しい楽曲とは一線を引き、その曲調は眩しい程の明るさを持った雰囲気の楽曲となっています。

「地球最後」という、どこか廃退的な世界を想像させる言葉とは真反対な明るい曲調ですが、しかしその曲調とは裏腹に歌詞の中身はどこか寂しさを携えています。

「好きだった」と過去形で何度もされる「告白」の歌詞。告白の相手と別れ離れになってしまっていると思わされる言葉も練り込まれており、想像できる情景はとても悲しいものばかりです。

しかし、そこに合わせて流れる明るい曲調により、その告白は寂しさを携えただけのものではなく、前向きなものを感じられるようになっています。

「好きだった」ことを後悔しない、相手と出会えたことを幸せに思う、一途で純粋な恋心がそこには描き出されているのです。

もし、本当にこの楽曲が前作と繋がりがある楽曲ならば、告白をしていたのはあの2人の「忌み子」達のどちらかの目線なのかもしれません。

そう考えて、改めて楽曲を聴き直すと思わず胸の中に切なさがこみあげてきてしまいそうです。

制作者「Kemu」は、ボカロ界史上初の全曲ミリオン達成ボカロP



「Kemu Voxx」は、ボカロP Kemuを中心に結成されたボカロ系同人サークルです。

メンバーは、作詞作曲担当のKemuに、イラスト担当のハツ子、動画制作担当のke-sanβ、OS担当のスズムの計4人となっています。

中でも、中心で活動するKemuは、2011年11月に初投稿した楽曲『人生リセットボタン』にて、その強烈な作風からデビュー作ながらにボーカロイド伝説入りをはたしています。

その他の楽曲達も全て殿堂入りとミリオン達成をはたしており、ボカロ界初の『全曲ミリオンP』の称号を手にしているボカロPでもあります。

2013年に一度その活動を停止しましたが、その4年後の2017年に最新曲『背景ドッペルゲンガー』の投稿と共に電撃復活。

投稿から6時間という驚きのスピードで再生回数10万回越えの殿堂入りをはたし、投稿から一週間でハーフミリオンを達成。

同年7月にはミリオンを達成し、再び『全曲ミリオンP』としてボカロ界にその名前を返り咲かせました。

現在、Kemuとしての最新音楽の公開は予定されていません。

しかし、それ故に今後どのようなタイミングで新曲があがるか、目が離せない大注目のボカロPです。

「地球最後の告白を」のおすすめ歌ってみたを紹介!

▲【nero】地球最後の告白を-Acoustic Ver.-【おさむらいさん】

ガットギターやアコギなどの楽器で「演奏してみた」をすることで有名なギタリスト「おさむらいさん」と、甘くて爽やかな歌声が特徴的な歌い手「nero」による、コラボアコースティックカバーの歌ってみた動画です。

おさむらいさんが得意とするアコースティックギターを使用したアレンジメロディーにあわせて、ファンからは「ねろやか」と呼ばれる甘さと爽やかさが混じるイケメンボイスなneroの歌声が紡ぐ、静かで穏やかな『地球最後の告白を』。

原曲の明るさとはまた違って、あたたかな雰囲気で奏でられる『地球最後の告白を』に感動する歌ってみた動画です。

バックで奏でられるアコースティック版のオリジナルコーラスにも注目しながら、聴いてみてください!

作編曲家、そしてバンドマンとしてのKemuの動向に注目!



現在、Kemuは「堀江晶太」という名での音楽活動も行っていることを、公式Twitterで公表しています。

堀江晶太は、PENGUIN RESEARCHというバンドでベースをつとめる傍ら、作編曲家としても活動を行い、今に至るまで多くのアーティスト、アニメやゲームなどの楽曲に携わっています。

2020年1月現在においては、PENGUIN RESEARCHのメンバーとして、2月7日に東海エリアを中心としたZIP-FMの番組「SCK」発のサブカルライブ「SCK PRESENTS ナゴヤサブカルスーパーライブ!!!!!」。

そして3月13日に代官山 UNITにて行われるロックバンドCIVILIAN主催のライブ「CIVILIAN Live Tour+α 2020 "はじめましてこんにちは"」に出演が決定しています。

さらに4月4日には、LINE CUBE SHIBUYAにて、PENGUIN RESEARCHのワンマンライブ「FIVE STARS JOURNEY」の公演が決まっています。

ボカロPとしてだけではなく、作編曲家、バンドマンとして精力的に活動を続けるKemuの今後から目が離せません!


TEXT 勝哉エイミカ

この特集へのレビュー

女性

あsdfg

2021/05/21 18:18

「背景ドッペルゲンガー」ではなく、「拝啓ドッペルゲンガー」だと思います。

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