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ORANGE RANGEが大切な人に届けたかった「花」の意味

2000年代を彩った数々の名曲を誇るORANGE RANGE。今回はたくさんの作品の中から、『花』をピックアップしたい。彼らの楽曲の中でも、特に世代を超えて愛されたこの曲の歌詞には、どんな思いを込められていたのだろうか。

ちょっと懐かしいあの名曲



「ORANGE RANGEで最も好きな楽曲は?」と聞かれたら、皆さんは何と答えるだろう。

一番始めに頭に浮かぶのが『花』である人も多いのではないだろうか。

20代後半~30代前半の人にとっては、青春時代を象徴する音楽の1つである。未だにカラオケ等でも親しまれる人気ぶりだ。

『花』は2004年にオリコン初登場1位、以来通算4週1位を獲得している。

ORANGE RANGEのシングルとして初のミリオンセラーとなり、彼らの最大のヒット曲となった。

当時一世を風靡した、映画『いま、会いにゆきます』の主題歌として記憶に残る方もいるだろう。

「泣けるレンジ」がキャッチコピーの元作られたこの楽曲は、ハッピーなパーティーナンバーの印象が強いORANGE RANGEの楽曲の中では、一際異色を放つ存在である。

彼らの楽曲の中では特に幅広い世代で共有された作品といえる。まさに時代を彩った名曲なのだ。

発売から16年。この楽曲の歌詞とその意味を振り返り、その人気の秘密を探っていこう。

命は「花」となり、いつか散る


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花びらのように散りゆく中で
夢みたいに 君に出逢えたキセキ
愛し合って ケンカして
色んな壁 二人で乗り越えて
≪花 歌詞より抜粋≫
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優しいメロディの歌い出しは、歌詞を見ただけでも思い出される。

難しい言葉は一切出てこないにもかかわらず、人を愛する幸せとは如何なるものかを繊細に伝えている。

彼らの言う「花」は、何を表しているのだろうか。

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花びらのように散ってゆく事
この世界で全て受け入れてゆこう
君が僕に残したモノ
"今"という現実の宝物
だから僕は精一杯生きて 花になろう
≪花 歌詞より抜粋≫
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運命を受け入れ、花びらのように散りゆく中、愛する人と出会えたのだと語っている。花は、その運命の象徴だろうか。

生きている上で、幸せばかりを拾い集め続けるのは難しいことだ。

せっかく咲かせた花を散らしてしまうように、さだめに流され下向きに道を歩んでしまうこともあるだろう。

しかし、そんな中での素敵な出逢い。下を向いて歩いていた人生に、一筋の光が射した瞬間である。

愛し合った二人は、現実を受け入れて共に歩んでいく。いつか散りゆくその時が来ても、きっと受け入れることが出来るだろう。

彼らの言う「精一杯生きて花になる」とは、きっとそういうことだ。

美しくベタな表現と錯覚してしまうが、実はとても刹那的で儚い命の比喩なのかもしれない。

美しい世界に咲く「花」であれ


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花はなんで枯れるのだろう
鳥はなんで飛べるのだろう
風はなんで吹くのだろう
月はなんで明かり照らすの

何故ボクはココにいるんだろう
何故キミはココにいるんだろう
何故キミに出逢えたんだろう
キミに出逢えた事 それは運命
≪花 歌詞より抜粋≫
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花鳥風月の情景を思わせるこのフレーズ。誰にいくら問いかけても、これに明確な答えをくれる者はいないだろう。

なぜ「僕」がここに生き、「君」と出逢えたのか。それは「運命」としか説明しようがないのだ。


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雨上がり 虹架かり 青あらしに生まれし光
ここにゆるぎない大切な物
気づいてる"愛する"ということ
まだ歩けるだろう? 見えてるんだもう
"想い"時を超え 永遠に響け
君の喜び 君の痛み 君の全てよ
さぁ 咲き誇れ もっと もっと もっと
≪花 歌詞より抜粋≫
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「青あらし」とは、青葉の季節に吹く力強い風のことである。これから共に生命を咲き誇らせようとする二人の背中を押すようなイメージだろうか。

人を愛すると、何てことのない日常の景色が、妙に華やいで見えることがある。そんな世界の輝きを表現しているようだ。

自分の花も、大切な人の花も、いつかは枯れて散る。しかし、どんな花をどれだけ咲かせるかは自分達次第。

『花』は、その命の尊さ、この世界の美しさ、人を愛することが生む強さを歌った作品といえるだろう。

そしてそれは、ともに歩む大切な人への愛の贈り物でもあるのだ。


TEXT 島田たま子

沖縄出身の5 人組ロックバンド。 2001 年に結成し、2002 年2 月22 日にアルバム「オレンジボール」でインディーズデビュー。 2003 年シングル「キリキリマイ」でメジャーデビューを果たす。 2021 年に結成20 周年イヤーに突入。 ジャンルにとらわれない自由かつ高い音楽性と、卓越したポピュラ···

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