平手友梨奈、待望のソロ曲
アイドルグループ『欅坂46』で不動のセンターを務めてきた平手友梨奈。クールな印象が強く飛び抜けた表現力を持つことから、アイドルよりもアーティストのような雰囲気を放つ存在でした。
2020年には欅坂46から「卒業」するのではなく「脱退」するとして話題になりましたが、実はその3ヶ月ほど前、待望のソロ曲が発表されていました。
その名も、「角を曲がる」。
作詞はプロデューサーである秋元康が務めています。
早速歌詞をチェックしてみましょう。
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みんながおかしいんじゃないのか
自分は普通だと思ってた
でも何が普通なのか?
その根拠なんかあるわけもなくて...
≪角を曲がる 歌詞より抜粋≫
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「変わってるよね」「ちょっと雰囲気が違うよね」なんて言葉、よく耳にしますよね。
特別いい意味でも悪い意味でもなく使われることがある言葉ですが、言われた方は違和感を感じるものです。
みんな「自分は普通」と思っているわけですから、釈然としないのは当然ですよね。
でも、みんながそう思っているからこそ「普通」の尺度はバラバラ。
ふとそれに気付いたときに感じる「私が変なのかな?」という不安が冒頭で歌われています。
「自分らしさ」という檻
1番のサビでは胸が締め付けられるような葛藤が歌われています。
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らしさって一体何?
あなたらしく生きればいいなんて
人生がわかったかのように
上から何を教えてくれるの?
≪角を曲がる 歌詞より抜粋≫
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「自分らしくいればいいんだよ」というのも、よく使われる励ましの言葉。
でも、優しいようで実はなんの答えや導きもないんですよね。
「私って変わってるのかな?」と疑心暗鬼なのに「自分らしく」というのは酷なものです。
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周りの人間に決めつけられた
思い通りのイメージになりたくない
そんなこと 考えてたら眠れなくなった
だからまたそこの角を曲がる
≪角を曲がる 歌詞より抜粋≫
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誰かが「変わってるね」と言う1番の原因は、その人が持つイメージと異なるということ。
つまり「変わってるね」というのは「私が思っていたあなたとは違うね」という意味でもあると思います。
だからこそ、その人のイメージ通りでいれば「変わってるね」といわれてモヤモヤすることは少なくなります。
でもそれは、自分を押し殺すということでもありますよね。
「周りにとやかく言われたくないけど、自分の気持ちに蓋をしてしまうのは嫌」
そんな葛藤が上記の歌詞で表現されています。
「アイドルっぽくない」「クール」。
そんな風に言われ続けた平手友梨奈本人の葛藤のようにも聞こえて切なくなりますね。
もちろん、作詞は秋元康なのですが…。
叫びにも似た歌詞に注目!
楽曲の後半では、叫びにも似た語りのようなパートがあります。
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だって近くにいたって誰もちゃんとは見てはくれず
まるで何かの景色みたいに映っているんだろうな
フォーカスのあってない被写体が泣いていようと睨めつけようと
どうだっていいんだ
≪角を曲がる 歌詞より抜粋≫
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孤独を感じる歌詞ですよね。
友達や家族など近くに人はいるけれど、どれほど自分のことを理解してくれているのかは分からない。
「むしろ何気ない風景の1つでしかないんじゃないか?」という疑問が非常に切ないです。
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わかってもらおうとすればギクシャクするよ
与えられた場所で求められる私でいれば嫌われないんだよね?
問題起こさなければ しあわせをくれるんでしょう?
≪角を曲がる 歌詞より抜粋≫
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この部分は歌声も相まってグッとくるものがあります。
理解を求めて「これが私」と主張すれば、あれこれと叩かれることも多いもの。
「それなら大人しくしていれば嫌われないんだよね?」
「問題を起こさなければ幸せになれるんだよね?」
そんな疑問にも胸が苦しくなります。
長い間センターとして欅坂46を引っ張ってきた平手友梨奈。
彼女自身の葛藤や叫びだと感じずにはいられません。
実際のところの真偽は分かりませんが、聞き手に色々なことを想像させることができる表現力と存在に偽りはないもの。
ぜひ皆さんも歌詞の意味を考え、色々感じてみてくださいね。
TEXT ゆとりーな