petとは!
アニメ『pet(ペット)』の原作は、三宅乱丈によるSF漫画『ペット リマスター・エディション』です。
『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて、2003年より連載を開始し、2009年に完全版が、ビームコミックスより単行本として刊行されました。
原作者は「三宅乱丈」というペンネームですが、れっきとした女性で、2009年に『イムリ』で受賞した第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞の他、数々の賞を受賞している実力派です。
メディアミックスとして、2018年12月に草月ホールにて『舞台「pet」-壊れた水槽-』が、2019年7月~8月に神田明神ホールにて『舞台「pet」-虹のある場所-』が公演されました。
運命に翻弄される「pet」たち!
人の脳内に潜り込み、記憶を操る能力を持つ者達。彼らは恐れと蔑みからpet(ペット)と呼ばれています。記憶操作能力者であるヒロキ、司、悟は、「会社」と呼ばれる中国マフィアによって管理される日々を送っていました。
彼らが持つ「イメージ」という特殊能力は、事件の揉み消しや暗殺など、裏の世界で利用され、時には記憶の破壊により人を廃人に追い込む任務を強いられることもあります。
それでも、純粋無垢に育った主人公ヒロキは司に守られ、多くを知ることもなく幸せに過ごしていました。
しかし悟と深く関わるうち、ヒロキは司が自分に様々な隠しごとをしていることに、気が付いてしまいます。
ヒロキが抱いた小さな疑念。
それをきっかけに、運命に翻弄される彼らのドラマが始まります。
回を重ねるほどに面白くなるストーリー!
謎ばかりの1話ですが、2話でようやくその世界観がわかるととても面白くなってきます。
最も尊く大切な記憶の場所「ヤマ」と、最も辛い記憶が集まる場所「タニ」を、書き換えたり壊したりすることで記憶の改変を行う能力。
キャラクターが持つその特殊な能力自体にフォーカスして物語が作られているのが、『pet』の大きな特徴です。
また、狂気に狂気を塗り重ねていくような、尋常ではない作風にも引き込まれます。
依存のような、愛のような、執着のような、そんな強い絆で結ばれた登場人物たちの人間関係も印象的ですね。
不愉快な存在なのに憎めない男・桂木は後に最重要人物になっていくので、こちらにも注目してください。
この作品は物語の設定や作り込みが素晴らしく、回を重ねるごとに加速度的に面白くなっていくので必見です。
舞台俳優と声優の競演!
アニメ『pet』は、『虐殺器官』を手掛けたジェノスタジオが、アニメーション制作を担当しています。
監督(音響演出兼任)は『デュラララ!!』シリーズを手掛けた大森貴弘、シリーズ構成は『夏目友人帳』シリーズで大森監督とタッグを組む村井さだゆき。
キャラクターデザインは『ゴールデンカムイ』で作画監督を務めた羽山淳一です。
≪キャスト一覧≫
ヒロキ:植田圭輔
司:谷山紀章
悟:小野友樹
林:加瀬康之
桂木:咲野俊介
ジン:M・A・O
ロン:遊佐浩二
社長:飛田展男
ヒロキ役の植田圭輔は、舞台でもヒロキ役を演じている役者で、声優業としてはこれまでにもTVアニメ『王室教師ハイネ』で主役を務めたことがあります。
脇を固めるのは、谷山紀章、小野友樹など人気実力ともに兼ね備えた声優陣で、手堅い布陣ですね。
狂気をはらんだ美しいOP!
アニメ『pet』のOPテーマ『蝶の飛ぶ水槽』は、「TK from 凛として時雨」が担当しています。
「TK from 凛として時雨」は、「凛として時雨」のボーカル・北嶋徹(TK)が、ソロ活動する時の名義です。
これまでにもアニメ『東京喰種トーキョーグール』のOPテーマやアニメ『91Days』のOPテーマなど、いろいろなアニメ主題歌を歌っていますね。
格好よく、美しく、どことなく狂気をはらんだ歌声とメロディ、そして映像。
ヒリヒリと肌を焼くような緊張感のただよう尖った曲想。
このエキセントリックさが「TK from 凛として時雨」らしくて素敵だと感じる人は多いのではないでしょうか。
タイトルの『蝶の飛ぶ水槽』は、司の「水」のイメージと重なりますね。
「TK from 凛として時雨」の描き出す独創的な世界にアニメ『pet』の世界観が見事に落とし込まれていて、素晴らしい楽曲です。
胸に迫り、揺り動かされるED!
アニメ『pet』のEDテーマ『image _____』は、「眩暈SIREN(めまいサイレン)」が担当し、「TK from 凛として時雨」のTKがアレンジ、エンジニアのプロデュースを手掛けています。
眩暈SIRENは、2012年7月に福岡県で結成された、5人組ロックバンド。
これまでにも、アニメ『からくりサーカス』のEDテーマやアニメ映画『アラーニェの虫籠』の主題歌など、こちらもいろいろなアニメ主題歌をを歌っていますね。
まるで、この楽曲がOPかと思わせるほどの疾走感がたまりません。
サビが来たと思わせておいて、さらにその上にサビが重ねることにより、楽曲が胸にグッと迫ってきます。
ED映像は、奇抜な色彩と文字、そして叫びが胸に迫り、これぞ『pet』という感じで素晴らしいですね。
胸をえぐるような、なんとも言えないメロディと歌声。独特な世界観。
まさに『pet』のためにあるような歌です。
胸をえぐる原作もぜひ!
画像引用元 (Amazon)
原作漫画『ペット リマスター・エディション』は、全5巻で発売中です。
発想も世界観もキャラクターの生々しさも、見事な作品です。
迫真の展開が迫り続け、胸をえぐり、最終巻の怒涛の伏線回収は見事の一言!
『pet』公式サイトにて、原作漫画『ペット リマスター・エディション』の1・2話が無料公開中です。
この凄さをぜひ体感してください。
アニメの方は、これから怒涛の展開へ突入していきます。
これからも、アニメ『pet』から目が離せませんね。
最新情報はこちらからどうぞ。
▷TVアニメ・舞台『pet』公式サイト
▷アニメ&舞台『pet』公式ツイッター
Blu-ray BOXは、本編全13話と映像特典を2枚のディスクに収録した豪華な1BOX仕様で2020年4月15日(水)に発売決定。
Twitterでは他にもコメントや名シーンの配信など、番組を楽しむための情報が続々とツイートされています。
ぜひ、こちらも覗いてみてくださいね。
TEXT 有紀