「雨とペトラ」はバルーンの代表作!
『雨とペトラ』はボカロP・バルーンによって作られた28作目のボカロ曲で、2017年3月9日に、ニコニコ動画にて公開されました。ボーカロイドはflowerです。
バルーンは、投稿からおよそ4ヶ月後の2017年7月20日に、この楽曲で自身2曲目のVOCALOID伝説入りを果たしました。
ちなみに「VOCALOID伝説入り」とは、ニコニコ動画で100万再生を達成したVOCALOID曲に贈られるタグのことです。
また2020年1月12日に、自身2曲目の300万再生を達成。名実ともに『シャルル』と並んで人気の高い、自身の代表作となっています。
『雨とペトラ』は、2017年8月にリリースされたアルバム『Corridor』にも収録。
アルバム『Corridor』には、『雨とペトラ』の他にも『シャルル』『メーベル』『レディーレ』など、バルーンのミリオン達成楽曲が一度に収録されており、ファンにとってはたまらないものになっています。
雨の日に聞くといい感じ
『雨とペトラ』は、「雨の日に人を待っているときに聴くといい感じになる」とバルーン本人がTwitterで語っています。
「ペトラ」とは、ユネスコ世界遺産に登録されている「ペトラ遺跡」のことでしょう。
何百年もの間「忘れ去られた都市」だったペトラ遺跡が意味するものは、孤独でしょうか。
MVの寂れた街並み、一人の少女、黒猫…。
『雨とペトラ』は、自分の居場所を探し求める歌なのでしょう。
バルーンの歌詞使いの上手さは、「後悔と哀の隙間」のようなレトリックな世界観が、素晴らしいです。
しかも単純に歌詞の表現が素敵なだけでなく、歌詞に共感できるところが魅力といえます。
『雨とペトラ』には、flowerの歌声がよく合っています。
バルーンとタッグを組む、アボガド6のイラストも素晴らしいです。
物語シリーズを思わせる場面展開、黒猫のあくびシーン。サビに入る時に絵を塗りつぶしたりするのも、センスが良すぎます。
歌詞、メロディ、イラスト、すべてが混ざり合って作られる世界観が素晴らしい楽曲です。
ボカロP「バルーン」とは…
『雨とペトラ』の作詞作曲者であるバルーンは、2013年4月、ニコニコ動画にて活動を開始しました。デビュー曲は『造形街』です。
2016年4月投稿の『花瓶に触れた』が自身初のVOCALOID殿堂入りして以降、『シャルル』『雨とぺトラ』『メーベル』『レディーレ』など、ヒット曲を数多く生み出してきました。
最大のヒットボカロ曲『シャルル』は、JOYSOUND の「VOCALOIDランキング」で、2017年から3年連続1位を獲得しています。
また、自身の曲をバルーン自らが歌うセルフカバーも人気があり、『シャルル』のセルフカバーはYouTubeで約5,200万回再生されています。
2017年10月、「須田景凪(すだけいな)」名義の活動をスタートすることを発表。
2017年12月に「バルーン」名義で発表した『レド』のMVで、最後に風船(=バルーン)を手放してみせ、以降の楽曲はすべて「須田景凪」名義となりました。
2019年1月には、「須田景凪」としての1st EP「teeter」を発売。
現在は、アニメ『炎炎ノ消防隊』のED主題歌『veil』や、映画『二ノ国』の主題歌『MOIL』など数多くのタイアップ曲を手掛け、注目を集めています。
美しくも独特なセンスと世界観が、心に染み渡ります。
おすすめの歌ってみた動画を3つ紹介!
かっこよく、レトリックの光る歌詞が素敵な『雨とペトラ』。ここでは、おすすめの「歌ってみた/弾いてみた/表現してみた」動画を紹介します。
マイクラで再現
まるで本家PVそのままのような、街並みの再現度が素晴らしいですね。
本物かと間違えられるほどのリアルな出来ばえには、驚きです。
マイクラのブロックでこんな細かい所まで再現する、センスと根気に脱帽します。
思わず何回も、原曲のpvとこの動画を見直してしまう人も多いでしょう。ぜひ、あなたの目でも見比べてみてください。
ヴァイオリンで歌ってみた
あまりにも上手すぎて原曲に聞こえますが、実はすべてヴァイオリンで弾いた音色で構成されています。
前奏の部分から、原曲のBGMでなくてヴァイオリンの音色なのです。
信じられない音の再現度は、すごすぎます。ハモリも素敵でタイトル通り、本当にヴァイオリンが歌っているようなのです。
見た目はロックなビジュアルで、動きも激しくて、それでいて音色がとても美しくリズミカル。すべてがすごく格好よくて、素晴らしいです。
緑仙
緑仙は「にじさんじSEEDs」1期生のバーチャルライバーですが、とにかくハッキリとした、いい声をしていますね。
高低音の切り替えがとても上手で、男性のようで女性のような歌声が、とても格好よくて素敵です。
また、緑仙はアレンジを含め曲の雰囲気作りがとても上手く、彼女が歌うとボカロというよりも、まるでアニメソングのように聞こえます。
2020年も勢いが止まらない!
須田景凪が歌う、ドラマ『アライブ がん専門医のカルテ』の主題歌『はるどなり』が、1月24日より配信リリースされました。2020年2月29日より「TOUR 2020 はるどなり」が開催されます。
これは、Zepp DiverCityを皮切りに全国7ヶ所で行われる初の全国ワンマン・ツアーで、須田景凪自身、過去最大規模のライブです。
2020年1月に「新しい地図」の香取慎吾がリリースしたアルバム『20200101』の収録曲『 welp (feat.須田景凪)』は、須田景凪が提供した楽曲です。
2020年も、須田景凪の勢いが止まりませんね。
これからも、バルーンこと須田景凪から目が離せません。
TEXT 有紀