深海少女、どこまで沈む?
2010年9月1日に公開された『深海少女』は、ゆうゆPによって作られたボカロ曲で、歌唱ボーカロイドは初音ミクです。
2011年12月08日22時46分に、ゆうゆP初の100万再生を達成し、VOCALOID伝説入りを果たしました。
ちなみに「VOCALOID伝説入り」とは、ニコニコ動画で100万再生を達成したVOCALOID曲に贈られるタグのことです。
どこか懐かしさの漂う切ないメロディ、美しいMV、最後に一歩を踏み出す歌詞、すべてに心がつかまれます。
200万再生も果たしており、ボカロ好きならば誰もが知っている名曲です。
『深海少女』は、MVを視聴すると、海の中で生活する少女を描いた作品に見えます。
しかしその歌詞の意味するところは、本当に海に溺れてるわけではなく、失恋で悲しみの海に溺れる少女が新たな恋にめぐり会う過程を描いているのでしょう。
「一度傷ついて沈み込んだ少女が惹かれたのは、彼女には眩しすぎた一筋の光。
運命と呼ぶにはあまりに大それている気もするけど、女の子の恋にはそれなりのドラマがみんなに用意されていてもいいんじゃないかなと常々思います。
これはそんな中の、一人の幸福少女の物語。」
と、作者はコメントをしています。
『四季彩の星』や『EXIT TUNES PRESENTS Vocalodream feat. 初音ミク』以外にも、多数のCDに収録されている、ゆうゆPを代表するボカロ曲です。
人気ボカロP「ゆうゆP」とは?
『深海少女』の作詞作曲者・ゆうゆPは、かつて美月正名義で活躍していたBMS作曲者であり、篠螺悠那(ささらゆうな)名義で活躍していた東方Project楽曲やゲームのアレンジャーでもあります。
ニコニコ動画への初投稿は、2007年。『チーターマンをサイケデリックにしてやんよ』でした。
『深海少女』で、2011年12月8日に自身初となる100万回再生を達成。
『天樂』で、2013年3月10日に、2作目となる100万回再生を達成。
『桜の季節(Full.ver』で、2016年10月29日、3曲目となる100万回再生を達成しています。
ゆうゆPは、2010年に日本クラウンより自身初のアルバム『四季彩の星』でメジャーデビューを果たしました。
2014年には声優の大坪由佳とともに音楽ユニットsmileY inc.を結成し、アニメ『ハナヤマタ』のEDやアニメ『恋愛暴君』のEDを手掛けました。
現在は「ゆうゆ」名義で、アーティストやVtuberプロジェクト、ゲーム音楽、アニメソングなど、さまざまなジャンルに楽曲を提供。
また、アニメ『ケムリクサ』EDのように、ボーカロイドに歌わせることもあります。
3つ紹介!おすすめの「歌ってみた」!
『深海少女』は新旧合わせて様々な「歌ってみた」動画がありますね。ここでは、おすすめの「歌ってみた&弾いてみた」動画を3つ紹介します。
歌い手 松下の歌ってみた
とても可愛い声の歌い手・松下が歌う『深海少女』。
YouTubeには、2014年12月3日に公開されました。
甘くてまろやかな歌声で歌う素直な歌い方は、伸びのある高音が魅力ですね。
歌詞もよくかみ砕いて歌の表現に落とされており、どこか前向きさを感じる歌い方です。
1番高い部分の高音も余裕があり、聴きごたえもばっちりですよ!
ハープで弾いてみた
しっとりとしたメロディラインの『深海少女』は、ハープとの親和性が高いです。
こちらの動画は、2016年9月11日にYouTubeで公開されました。
ハープは、ジブリ映画などにも用いられることが多く、温かみのある落ち着いた音色が魅力。
とてもきれいな音に癒されて、心が洗われるような気持ちになり、ウットリと聞き惚れてしまいますね。
アメノセイとAZKiのコラボ
こちらは、「アメノセイ」と「AZKi」というVtuber2人がコラボで歌う『深海少女』です。
2019年2月9日にYouTubeで公開されました。
アメノセイの透明感と切なさと力強さのある歌声と、AZKiの透き通った可愛らしい歌声が、この楽曲にとてもマッチしています。
高音の伸びが素晴らしく、ハモリも素敵で、感動的に美しいコラボです。
「もう放っておいてよ」の所など、思わずハッとさせられる歌い方もいいですね。
歌声を聴いていると、何かが胸にこみあげてくるような気がするでしょう。
新たな活動も!
『深海少女』は、新旧問わず愛されている楽曲です。ボカロ好きならば、まず知らない人はいない名曲といえますね。
『深海少女』の作詞作曲者・ゆうゆは、現在「仮乃スガタ」名義で、n!kaと共に創作音楽ユニット「カガリ鳥」を組み、Vtuber活動に取り組んでいます。
(YouTubeの「カガリ鳥」公式チャンネルサイトの概要欄を見ると、まるで4人で活動しているようですが、実際は、仮乃スガタ=ゆうゆ、n!ka=華、の2人です)
ぜひ、公式チャンネルをご覧ください。
「ゆうゆ」と同じように「仮乃スガタ」の活動も応援していきましょう。
TEXT 有紀