“スター前夜”の髭男の叫び
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ねえ聞いて 面白くなけりゃダメで
見た目が良くなきゃダメで
そうやって選ばれたスター 人気者さ
僕らは後ろをついてまわって
照らすライトの1つとなって
それが「人生」醜いリアルだ
≪異端なスター 歌詞より抜粋≫
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息苦しいほどリアルな感情が詰まった歌詞で始まるこの曲は、Officail髭男dismが2017年にリリースしたアルバム『REPORT』に収録されている『異端なスター』という曲です。
様々な再生ランキングを席巻するアーティスト、つまりスターとしての階段を一気に駆け上ったOfficail髭男dism。
藤原聡(Vo.)が書く歌詞が多くの人の共感を得るので、彼らの音楽がたくさんの人の心を掴んで止まないのでしょう。
「こうありたい」「ああなりたい」と言いたいものの、出る杭は打たれるという言葉があるように、素直な野望を開け広げに伝えることはとても勇気のいる行為です。
それでも、世間のアレコレに心を擦り減らしながらも頑張って前を向くあなたに、親身に届く『異端なスター』。
そんなあたたかい応援歌の魅力を歌詞から紐解いていきましょう。
ダメな自分にもう一度立ち上がる勇気を
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いつからか 薄っぺらい友情や
寂しさ予防の恋愛があふれかえる街で
非難の声恐れて 無難な生き方貫いて
自分らしさにさえ無関心になって
≪異端なスター 歌詞より抜粋≫
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世の中にはきっと“生きやすい道”というものが存在していて、無難な生き方であるそれを選び取ることで焦燥感や未来への不安は消えていくのかもしれません。
そうやって日々を消費していく中で、はじめに抱いていた夢や目標は色褪せていき、夢を見ていた日々のこともいつか忘れてしまうこともあるでしょう。
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「平等だ」って嘘ついた 頭を撫でられ喜んだ
いい子になんてならないで!
『調子にのって出しゃばった火をつけ回る異端なスター』
そんな汚名着せられてもいいから
どうか 叫んで 歌って
何か変えたいなら どうか 歌って
≪異端なスター 歌詞より抜粋≫
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「本当はスターになりたかった」そんなふうに思って、走ることを止めてしまった人の背中を力強く押してくれるのが『異端なスター』です。
いつだって日の目を見るスターは“異端”から生まれます。誰もなし得なかったことをやってのける、それは並大抵のことではありません。
「調子に乗って出しゃばった 火をつけ回る異端なスター」初めは汚名だったラベルが、いつか誇らしい通り名になる日まで。
『異端なスター』は、今はダメな自分がもう一度立ち上がる勇気をくれる一曲です。
夢に向かってひたむきな全ての人へ届く名曲
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ねえ聞いて 空気が読めなきゃダメで
頭がよくなきゃダメで
そうやって選ばれたスター 敵わないな
僕らは後ろをついてまわって 悔し涙を隠して笑って
これが「人生」だなんて 醜いリアルだ
≪異端なスター 歌詞より抜粋≫
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空気が読めるし、頭もいい。
僕らの前に立つスターの背中はいつだって大きくてたくましく見えます。
心の奥に燃えるように熱い野望を隠していても、怖気付いてまた下を向いてしまうこともあるかもしれません。
きっと、こんな感情は誰にでもあるものではないでしょうか。
誰だって一度はスターに夢を見るものです。
それを夢だと割り切ってしまうか、それとも夢を掴み取るための努力を選ぶか。
勇気を持てばきっと「人生」の選択肢は、もっと魅力的なものになるはずだと思います。
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「幸福だ」って意地張った 悲しくて1人泣いてた
そんな夜から逃げないで
『愛情求めさまよった天真爛漫なディザスター』
そんな自分が好きなら胸張っていいから
どうか 歌って
君なら出来るから どうか 歌って
≪異端なスター 歌詞より抜粋≫
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夢に向かって人知れず努力を重ねる全ての人に届いて欲しい想いが詰まった『異端なスター』。
ポップでキャッチーなメロディに乗せて泥臭くてアツい歌詞が紡がれると、そんな歌詞も素直に受け取れるような気がします。
いつだってスターは“異端”から生まれる。
合言葉のようなフレーズが消えない限り『異端なスター』は、今日もどこかで頑張るあなたの背中を押す一曲になるでしょう。
TEXT DĀ
Official髭男dism (オフィシャルヒゲダンディズム) 山陰発4人組ピアノPOPバンド。2012年6月7日結成、島根大学と松江高専の卒業生で結成されており、愛称は《ヒゲダン》。このバンド名には髭の似合う歳になっても、誰もがワクワクするような音楽をこのメンバーでずっと続けて行きたいという意思が···